「読書館」は,毎日読んだ本について手当たり次第書こうという計画です。すぐいっぱい貯まっちゃうと思うので,デザインは軽くいこうと思います。
 ★10個でオススメの満点です。

601〜800番へ


600●開化怪盗団 多岐川恭 光文社時代小説文庫 571円
  02/8/24 時代 
★★★

明治の息吹。文明開化の時。鹿鳴館時代の頃。宝石商・高牟礼三太郎は,ある目的を抱いて,怪盗団を取り仕切っていた・・・。珍しい近代日本にピカレスク・ロマン小説だが,あまりまとまりがなくて,ラストがどうももの足りない。もったいないことだ。

599●野望円舞曲1 田中芳樹&荻野目悠樹 徳間デュアル文庫 676円
  02/8/23 ファンタジー 
★★★

商業国家オルヴィエートに,軍事国家ボスポラスの艦隊が迫る。オルヴィエート国家元首の娘エレオノーラは,運命の鎖を断ち切るべく,渦巻く陰謀に飛び込んでいく・・・。田中氏っぽいプロットだろう。今ひとつ単調なような気もするが,このタイプの共作(著名作家の名を借りようとする)にしては,思いがけず本格派の味わいだ。すいぶん,久しぶりに読書館を更新したなぁ。本を読んでいないワケじゃないのです。こちらまで,手が回らない状態。書いてないのが,溜まっちゃって,マズイのです。

598●デュアン・サーク2 魔女の森 下 深沢美潮 電撃文庫 500円
  02/7/22 ファンタジー 
★★★

凄腕ファイターのオルバと,魔法使いのアニエスと共に,クエスト”魔女の館”に向かったデュアン。しかし恐るべき(って,そんなに怖くないけど)姉妹魔女が・・・。ほのぼの系ファンタジーの騎手・深沢氏らしい作品だ。RPG色を色濃く残しているのも,今時,懐かしいような気がする。

597●デュアン・サーク1 魔女の森 上 深沢美潮 電撃文庫 500円
  02/7/22 ファンタジー 
★★★

レベル2ファイター。駆け出しの冒険者であるデュアンは,空腹で倒れそうだった・・・。なんとも,ほのぼの系で,それが我慢出来ない人には我慢出来ないだろうが,そう悪くはないんじゃないかと思う。フォーチュン・クエストより面白いと思うし。なんともやさしい雰囲気の作品だ。

596●孫子 海音寺潮五郎 講談社文庫 580円
  02/7/20 歴史 
★★★★★

二人の孫子。孫武・孫ひん(漢字が出ないのじゃ)の話。中国は春秋の時代。天才兵法家の孫家の二人を時代を追って,前後編で書かれたもの。前編の孫武編の方が出来がいいと思うが,少ない材料でよくもこれだけ書いたものだと思う。天下一の兵書「孫子」は名にしおうが,実際の著者については,殆ど史書にはかかれていない謎なのである。

595●スター・キング エドモンド・ハミルトン(井上一夫訳) 創元推理文庫 340円
  02/7/19 SF 
★★★★★

保険会社の社員ゴードンは,夜な夜なささやかれる声,20万光年を離れた中央銀河帝国の王子ザース・アーンと心を交換することとなる。しかし,暗黒星雲の野心家の手が帝国に迫っていた・・・。この本,3回くらい読んだかなぁ。たぶん物置の奥深くにある。古本屋で見つけて,100円だったので,ついまた買ってしまった。スペースオペラらしい作品であるが,エドモンド・ハミルトンとしては,決して良い作品ではない。キャプテン・フューチャーシリーズなどと比べてしまうと。でも,1947年の作。星を二つくらいオマケしてしまった。

594●跡継騒動 森林レンジャー スレイヤーズすぺしゃる18 神坂一 富士見ファンタジア文庫 480円
  02/7/17 ファンタジー 
★★★

レンジャーの跡継ぎ騒動をめぐる父と姉妹の葛藤の果て,リナが知った事実とは・・・軽いね。だからこそ,気分転換にサイテキ。でも,この手の本は,みんな読み捨て。もったいないんですけど,置く場所がないから仕方ないんです。最近,読書館の更新をさぼっているので,ずいぶん溜まっちゃっているのだが,ゴミの日が近づくと,一冊分でもいいからがんばって書いて,ポイしようとする衝動にかられる。

593●ア・リトル・ドラゴン3 カボチャ娘を助け出せ! 中村うさぎ 電撃文庫 530円
  02/7/16 ファンタジー 
★★★★

人間のサラリーマン戦士・串田三吉が落ちてきた時から,ドラッピーたちの回りに不思議なことが起こりだした。女神との遭遇,謎のカボチャ娘,死者の谷に現れるジェイソン・・・。あ〜。面白かった!こういう本って,楽しく読めるなぁ。

592●ア・リトル・ドラゴン2 眠れる巨人の秘密 中村うさぎ 電撃文庫 510円
  02/7/16 ファンタジー 
★★★★

人間の魔法使いケイを人間界に送還するため,大魔法使いを捜して聖なる山に登ったドラッピーたち。そこには,記憶喪失の巨人とハナマジロとハナマゲラがいた・・・。このシリーズって,最初の頃はコンピュータゲーム世界の色合いが強かったんだね〜。

591●球形のフィグルド 南国水狼伝(下) 鳥海永行 朝日ソノラマ 750円
  02/7/8 時代 
★★★★

そして,勇魚は,日本を離れる・・・。球形のフィグルドの世界はまだまだ続きそうである。歴史の大きさ(リアルさ)の中で,あまり存在感を感じられなかった勇魚たち主人公だったら,次の作はどうなるのだろうか。

590●球形のフィグルド 南国水狼伝(中) 鳥海永行 朝日ソノラマ 750円
  02/7/8 時代 
★★★★

沖島で,巨大な船を建造した勇魚だったが,村上水軍党主の襲撃を受け,船出す。仇敵・高野三郎師光に巡り会う日はいつか・・・。結構,この作は,冒険小説というよりも,真面目な歴史小説とも言えるのではないだろうか。

589●球形のフィグルド 南国水狼伝(上) 鳥海永行 朝日ソノラマ 750円
  02/7/5 時代 
★★★★

ヨーロッパで戦闘奴隷だった勇魚,いや。村上水軍の若君・村上信清が日本に帰ってきた。時は,南北朝の動乱の時期。足利尊氏が,高師直が,後醍醐天皇亡き後,政争と戦乱を続けていた時代だった・・・。ソノラマ文庫で昔読んだ球形のフィグルドの続編だ。懐かしいなぁ。フィグルドは戦場。そして,球形は地球だ。

588●ア・リトル・ドラゴン4 ドラッピーたち、船に乗る 中村うさぎ 電撃文庫 490円
  02/7/4 ファンタジー 
★★★★

ドラッピーは,人知れず悩みがあった。それは,金銀財宝を集めたいというドラゴンの本能が目覚めつつあったのだ。ドラゴンの里に戻ったドラッピーは,いかにもドラゴンらしい強欲なママにだまされて・・・。中村うさぎ氏の作品って,面白いんだよなァ。結構,好き。だいたい,コンプティーク(昔のパソコン雑誌)で,セイギくんとゴクドーくん(ご存じ?)の時代からのファンなんだ。ボクってね。中村うさぎ氏は,ここから極道くんシリーズを書き始めたのだった。

587●一生ひとりで遊んでろ! 魔術師オーフェン無謀編7 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 480円
  02/7/4 ファンタジー 
★★

ブーブー言いつつ,せっせとこのシリーズを読みふけっているみけねこ...特に書くこともないんだけどなァ。

586●グラマリエの魔法家族 2 魔法使いと魔女 クリストファー・スタシェフ(山田順子訳) 富士見文庫 460円
  02/7/2 ファンタジー 
★★★★★

ついに,貴族達による反乱が起こり,ロッドは女王側に着く。そして,最後にロッドが選んだ選択は・・・。手に入れたのは,この二冊だけだが,シリーズ物としてはまだまだ続くようだ。また,探さなくちゃ。古本屋だと,シリーズ物の後の巻になるほど,ゲットしづらくなりますよね〜

585●グラマリエの魔法家族 1 星から来た魔法使い クリストファー・スタシェフ(山田順子訳) 富士見文庫 420円
  02/7/2 ファンタジー 
★★★★★

地球からある使命を帯びて,惑星グラマリエにやってきたロッド。そこは,エリザベス朝を模した世界であり,権力闘争と陰謀の漂う世界であった・・・。結構,いい作品だと思う。お供のロボット馬フェスがいい味を出している。

584●我が神に弓をひけ背約者(下) 魔術師オーフェンはぐれ旅 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 560円
  02/7/1 ファンタジー 
★★★

特に,この上下巻は,オーフェンシリーズのひとつの集大成ではないかと思うのだが,残るべきものが,いかにも印象に薄い。

583●我が神に弓をひけ背約者(上) 魔術師オーフェンはぐれ旅 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 480円
  02/7/1 ファンタジー 
★★★

スレイアーズシリーズと,組立方は似ているのだが,スレイアーズシリーズほど成功していないのが,このオーフェンシリーズであろう。

582●我が遺志を伝えよ魔王 魔術師オーフェンはぐれ旅 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 500円
  02/7/1 ファンタジー 
★★★

一本筋は通っているのだが,どうしてもそれ以外の部分(ドーチン&ボルカン兄弟とか)がくどいというか,不要の感がある。そのため,宝石の輝きが,全体としてくすんでしまっているのが,このシリーズではないか。

581●平将門(上) 海音寺潮五郎 新潮文庫 400円
  02/6/30 歴史 
★★★★

上巻は,将門青年の頃。将門の乱に至る事件を書き記している。武家の時代の前,藤原時代であるが,板東が思いがけず進んだ様であることが興味深い。海音寺氏のベストの作品には程遠いが,やはり骨太の作品を読むのは,気持ちいいことだ。

580●無責任黙示録5 恩讐の彼方に 吉岡平 ファミ通文庫 640円
  02/6/27 ファンタジー 
★★★★★★

完結!怒濤のラストへ。ファイナスの秘密が。タイラーこと巌の秘密が,ついに明らかとなる。銀河無責任男シリーズとは,長いつきあいだったが,あとがきにもあるように,吉岡氏入魂の作だというのは間違いないだろう。かくして,四百数十年後のジャスティ・ウエキ・タイラーの時代が来るのだなぁ。

579●無責任黙示録4 勝ってはいけない 吉岡平 ファミ通文庫 640円
  02/6/27 ファンタジー 
★★★★★

ラアルゴン帝国の皇位継承をかけて,人間将棋ジップ・カァーンが始まった。敵味方となったタイラーとファイナスが激突する・・・。楽しい吉岡節もあるが,これは,意外なほどハードな作品だろうと思う。浪花節もあるけれど。

578●無責任黙示録3 ダブル・プリンス 吉岡平 ファミ通文庫 640円
  02/6/26 ファンタジー 
★★★★★

ボラン攻略の功で,大将に昇進したタイラーだったが,彼を憎む最高司令長官リュフランに,たった三千の兵で再出撃を命じられる。そして,ラアルゴンの捕虜に。しかし,タイラーとファイナスは,ラアルゴンの皇帝継承者候補二人に気に入られ,それぞれブレーンとなる・・・。なんだか,無責任男のストーリーに似てきたなァ。ちょっと疑問なのだが,ファイナスは分かる。でも,タイラー自身って,そんなに魅力的なのかなぁ。遙か子孫に考慮してなのだろうが,ちょっと過大な感じも。

577●レンズマン誕生1 原作E・E・スミス 文 辻真先・比留間さつき 講談社X文庫 400円
  02/6/25 SF 
★★

宇宙の極悪エッドールの手下ボスコーン軍団に対して立ち上がったのは,好青年キムボール・キニスンだった。正義のアシリアの長老メンターから謎のレンズをもらったキムは,レンズマンとして,大活躍するのだ・・・。あ〜あ。ひどいですなァ。あのドック・スミスの大傑作レンズマンシリーズを,どこをどうやれば,こんなにひどくなるのでしょう?ロボットのソルなんていう狂言回しが出てきたり,レンズでビームを跳ね返すなんて,よしてね。ちょっとだけ,原作の味わいが感じられるだけに,この駄作。許せないって感じなのだ。

576●無責任黙示録2 to hurt 吉岡平 ファミ通文庫 640円
  02/6/25 ファンタジー 
★★★★★

ロック・タイラー伯となった(カネで爵位を買った)巌は,ファイナスと共に,復讐の階段を駆け上り始めることとなる。そして,タイラーは,惑星連合宇宙軍中将・対ラアルゴン方面司令官として,たった1万の兵を率いて,死地・ボランのラアルゴン要塞へ向かう・・・。いいね〜。ちょっと,いくらなんでも出世が早すぎるんだけど(もう少し, ここらへん書き込んでもらって,じっくり読みたい),やっぱり,面白い。吉岡氏,久々の怪作ではないだろうか。

575●無責任黙示録1 ファイナス電光石火 吉岡平 ファミ通文庫 640円
  02/6/22 ファンタジー 
★★★★★

真言宗の若い住職であった平松巌は,ある決意を抱いて,惑星連合宇宙軍の一兵卒として志願した。厳しい訓練の中,次第に絆が深まる仲間達。そして,ラアルゴンとの戦端が開かれる。彼の前に戦友として現れたのは,謎の男・ファイナス山本。無謀な命令の元に散った十六個師団十八万将兵の中で,生き残ったのは,巌と,必死で巌を守ったファイナスのたった二人。そして,二人の姿は,銀河の社交界の中にいた・・・。「無責任男」シリーズ初期を思わせる傑作だ(残念ながら,二部三部と続くにつれて,パワーが落ちた)。緻密な構成は,それ以上かも知れない。久しぶりに先が楽しみがシリーズ。

574●我が塔に来たれ後継者 魔術師オーフェンはぐれ旅 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 530円
  02/6/21 ファンタジー 
★★★

こちらの,本編たる「はぐれ旅」シリーズの方は,まずまず読み応えがある。でも,このシリーズ。順に読んでいないせいか,どうも良く分からないのじゃ。と,いいつつも,結構,買っているから,評価してるんでしょうね。

572●顔を洗って出直しな! 魔術師オーフェン無謀編4 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 480円
  02/6/21 ファンタジー 
★★

ダサーク。この無謀編は,どうしようもない短編集なのだ。唯一,最後の(きまって入れる)書き下ろしだけ読めるって感じだ。お風呂で読むのにちょうどいい本ですネ。

571●秘神黙示 ネクロノーム1 朝松健 電撃文庫 570円
  02/6/21 SF 
★★★★

クトゥールー神話の朝松版だ。結構,ボクはこういうの好きなんですよね。二つの謎の組織の戦いやら,旧神と旧支配者の聖痕とか。ただし,明るくて,ラヴクラフトのあの不気味さと深さは残念ながら期待できない。それはそれとして,逆宇宙シリーズが好きな人(つまりボク)には,好ましい一品である。

570●犬を飼う武士 十時半睡事件帖 白石一郎 講談社文庫 448円
  02/6/21 時代 
★★★★★

松林に捨てられた子犬が縁で巡り会った貧しい侍と,裕福な武家娘。そして二人は・・・。福岡黒田藩の総目付・十時半睡が主人公だが,なんというか,武家社会の軋轢を見事に描いた名品揃いである。どうしてこんなに感情移入が出来るのか,不思議に思ったが,これは,今の現代社会と同じなんだ。特に会社組織の上下関係。そう考えたら,なんだか身につまされてきた。

569●メルキア戦記3 金翼の玉座 小沢淳 講談社 760円
  02/6/8 ファンタジー 
★★★★

あっさり誘拐されちゃうフロリモン。しかし,主人公にはこういう苦難がつきものだ・・・。大河小説になりそうな予感。ようやく「3」の数字が表題に入った。でも,手に入れたのは,これが最後。古本屋で一冊50円で買ったのだ。また,4巻以降を探すとしよう。

568●メルキア戦記 美紙の降臨 小沢淳 講談社 760円
  02/6/8 ファンタジー 
★★★★

謎の白銀の戦士ルシウァを雇ったフロリモン。仲間が次第に集まってくる・・・。この作品。出張のために3冊を持っていったもの。これは飛行機の中で読んだんだっけ。しかし,カバーを残して,荷物を軽くするために捨ててしまった。粗筋が書けないや。

567●メルキア戦記 白銀の傭兵 小沢淳 講談社 760円
  02/6/8 ファンタジー 
★★★★

北方の蛮族ザールに突如蹂躙されたメルキア。白鳥に乗って脱出したメルキア公子フロリモンは・・・。よくあるパターンの出だし。作者もそう言ってはいるが,まさにファンタジーの王道であろう。でも,真面目に取り組んだ良質のファンタジーである。

566●御金座破り 鎌倉河岸捕物控 佐伯泰英 ハルキ文庫 667円
  02/6/8 時代 
★★★

金座の手代・助蔵が惨殺される。小判改鋳に伴う陰謀の捜査に乗り出した金座裏の宋五郎たちだったが・・・。短編集だと思いながら,数作読んでいたら,連作短編だった。捕物帳としては,その世界にすんなり入っていくのが難しい部類だが,良作であろうと思う。恐らく,第一巻から読んでいれば,もっと高く評価することになるような気がする。

565●馬鹿は一人でたくさんだ! 魔術師オーフェン無謀編2 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 500円
  02/6/5 ファンタジー 
★★

お気に入りの古本屋閉店セールで50円で買い占めた本の一冊。たぶん,100円ならば,買わなかったことであろう。この一冊,1時間・・・いや,30分あれば読み切れる。なんて,悪口を書きまくりなのだが,実はちょっとは評価しているのです。こういう軽い本。あってもいいと思う。世のウサを忘れる清浄剤となるのではないだろうか。ウサウサしている時に,戦争と平和とか赤と黒とか静かなドンとか罪と罰とか車輪の下とか老人と海とかボヴァリー夫人とか白鯨とか・・・おっと。こんくらいにしとこ・・・重いモノは読めないじゃありませんか。

564●巡検使カルナー 砂漠神の苦難 竹河聖 KADOKAWA FANTASY 780円
  02/6/2 ファンタジー 
★★★★

風の大陸の強国アステ・カイデ共和国の巡検使カルナーは・・・。しっしまった。この作は,一冊完了じゃなくて,シリーズ物だった。しかも,最初でも最後でもない,真ん中あたり。カルナーシリーズは今まで数冊読んだことがあったから,なんとかついていけたけど,それでも,ちょっときつかった。とはいえ,これは良作ファンタジーだろうと思う。

563●はじまりの冒険者たち レジェンド・オブ・クリスタニア 河添省吾 電撃文庫 640円
  02/5/30 ファンタジー 
★★★★

懐かしい。地震によって出来た断崖の裂け目から封印された地・クリスタニアへ登った6人の冒険者たち。そこは,神獣の民が住む戦いの地でもあった・・・。本当に懐かしいや。学生時代,月刊ドラゴンマガジンで,漂流伝説クリスタニアを読んでいた頃を思い出した。神獣の民の設定のオリジナリティに,今更ながらに感心である。あの頃は,RPG全盛の時代でもあったっけ。

562●蜥蜴市 莨屋文蔵御用帳 西村望 光文社時代小説文庫 522円
  02/5/25 時代 
★★★

岡っ引き文蔵の捕物帳。数ある捕物帳の中でも,悪くもないが良くもない。出張で,電車の中で読む本が切れてしまったので,キオスクで買った。出張の時は,こういう本がちょうど良い。

561●お前はいったいなんなんだ!? 魔術師オーフェン無謀編3 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 500円
  02/5/24 ファンタジー 
★★

やっぱりつまらないやー。我ながら,よくがまん強く読むものじゃ。ただし,この作者のタイトルのつけ方に関しては,なかなかのものと評価せざるを得まい。──と悪口を書いているものの,短い時間に,この浮き世のイヤなウサを瞬間でも,忘れるには,いい本ではないだろうか。

560●てめぇら、とっとと金返せ! 魔術師オーフェン無謀編1 秋田禎信 富士見ファンタジア文庫 500円
  02/5/24 ファンタジー 
★★

金貸し魔術師オーフェンの短編集。本編はまだ読めるのだが,短編集となると,実にキツイ・・・つまり,つまらない。月刊ドラゴンマガジンに連載されていたんですって。みけねこが,毎月愛読していた頃より後ですね。

559●逆転・信長軍記 天下統一編 佐藤大輔 大陸書房 780円
  02/5/19 歴史シュミレーション 
★★★★★

本能寺の変からからくも脱出し,山崎の合戦にてその姿を現した信長。関東の北条氏をも倒し,天下統一目前となるが,徳川家康の陰謀により,家老・柴田勝家の突然の反乱が起こり,関ヶ原の合戦が・・・。これ,面白いよ。なかなか,もっともらしいのだ。この後,どうなるのかが非常に興味が持たれる。

558●続・中国任侠伝 陳舜臣 文春文庫 380円
  02/5/12 歴史 
★★★★★

古代中国の英雄達の物語。題材は,市井の英雄からとったものが多いが,それだけに,新鮮な気持ちで読めた。中国モノは,相当読んじゃっているので,(日本の戦国時代ものもそうですけど)みんな先が見えちゃうのだが,これは面白かった。寂しい結末の作品が多いかなぁ。

557●混沌の夜明け U 清松みゆき塚 富士見ファンタジア文庫 470円
  02/5/12 ファンタジー 
★★★

ついに”混沌の地”ケイオスランドにたどり着いた一行。そこは不思議で危険な地であった。ケイオスランドの種族に襲われたプライアたちは,謎の森の中の砦に逃げ込んだ・・・。なかなか評価が難しい作品だ。まずまず良作さとは思うのだが,今ひとつ力が足りない。

556●混沌の夜明け I 清松みゆき塚 富士見ファンタジア文庫 470円
  02/5/12 ファンタジー 
★★★

アレクラスト大陸の遙か西に存在する大陸”混沌の地”を探索するよう命じられた騎士プライアは,一癖も二癖もある仲間と共に船出する・・・。なつかしのソード・ワールド・ノベルだ。昔,月間ドラゴンマガジンとか,熱心に読んだ頃があったんだよなぁ。

555●日本剣鬼伝 塚原ト伝 峰隆一郎 祥伝社 533円
  02/5/10 時代 
★★

日本最初の剣聖と言われる塚原ト伝。若き日の武者修行の旅・・・。残念ながら駄作だ。峰氏は,信じられないような傑作を書くのであるが,こういう駄作も多い。剣豪の中でもあまり書かれることのないト伝とこの時代は,非常に魅力的な素材だと思うのだが,なんと魅力もなく,生き生きしていないこと。

554●黒竜戦史2 闇の密議 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  02/5/3 ファンタジー 
★★★★★

アル=ソアの軍は,闇セダーイのサマエルの支配するイレイアンめざし進撃しつつある。闇セダーイの間でも,副闇王の地位を狙って密やかな争いが続く。一方,サリダールの異能者達に対し,<白い塔>は・・・。相変わらす,いつくものストーリーが展開する作品だ。毎月,この時の車輪シリーズが一冊づつ出るのが楽しみである。

553●海軍大将ボライソー 海の勇士/ボライソー・シリーズ22 アレグザンダー・ケント(高橋泰邦訳) ハヤカワ文庫 840円
  02/5/2 海洋冒険 
★★★★★

1811年。海軍大将に昇進したボライソーは,大型改造フリゲート艦に乗り,アメリカへ哨戒任務に出発する。そしてついに,カナダ領有をめぐり,英米の間で開戦が・・・。もう22巻か。海軍士官候補生だったボライソーも,海軍大将になっちゃうんですものね。ホーンブロワーシリーズを初めとする海洋冒険ものは,さまざまな主人公が連なるが,ボライソーが一番真面目かなぁ。その分,ちょっと物足りないような気もするんですけど,これだけ長くつきあっているということは,やっぱり傑作なんだ。

552●タローの乙女 クラスターサーガ2 ビアズ・アンソニイ(浅羽莢子訳) ハヤカワ文庫 680円
  02/5/1 SF 
★★★★★★

前作から千年後。アンドロメダ銀河の侵攻がまた始まった。現存するキルリアン光度223という最高オーラの持ち主は,フリントの子孫・ミンタカ星のメロディだった。中年の異星人の女性であった彼女は,若いソル人美女の肉体に転移し,宇宙艦隊へ送り込まれる・・・。やっぱりいい作品だなぁ。前作よりちょっぴり落ちるけど,良いもんは良い。第三巻が最終巻なのだが,新本でも買って損はないと思う。

551●ドリトル先生航海記 ヒュー・ロフティング(井伏鱒二訳) 岩波少年少女文庫 700円
  02/4/29 ジュナイブル 
★★★★★★

南太平洋の浮島クモサル島で,インディアンの大博物学者が行方不明になったと,ゴクラクチョウの知らせがあった。ドリトル先生は,小さな船で動物たちと共に捜索の旅に出る・・・。今読んでも,やっぱり傑作だ。ボクが小学生の頃かなぁ。いとこの家で,ドリトル先生シリーズを何度も何度も読んでいたのは。もう何十年も前のことだから,全然覚えていないかと思ったら,結構覚えていた。それだけ心に届いたということなのだろう。この岩波少年少女文庫の初版は,1960年。永遠に残したいシリーズである。

550●獅子王の宝冠 グウィネド王国年代記1 キャサリン・カーツ(岩原明子訳) ハヤカワ文庫 560円
  02/4/28 SF 
★★★★★

王が暗殺さる。グウィネド王国の王子ケルソンは,さっそく,宮廷闘争の渦へ・・・。正統派の大河ファンタジーの味わいがある。魔法の味わいはやや薄めだが,なかなかの作とは思う。”ケド戦記”を書いたル・グインが,この作をケチョンケチョンにけなしたというが,どこがまずいのやら,見当もつかないや。

549●キルリアンの戦士 クラスターサーガ1 ビアズ・アンソニイ(浅羽莢子訳) ハヤカワ文庫 600円
  02/4/28 SF 
★★★★★★

アンドロメダ銀河が,天の川のエネルギーを狙って侵攻しようとしていた24世紀。ソル星圏で200を越えるという最高度のオーラの持ち主が,原始の惑星である”さいはて”のフリントだった。ソル星圏に徴発されたフリントは,オーラ転移によって,天の川の各星圏キルリアン転移の秘密を伝えに出発した・・・。傑作!見事な異国情緒(つまり,センス・オブ・ワンダー)を描き出した感動の傑作ではあるまいか。異星人の性の問題をずいぶんと熱心に描写しているけれど,これまたいい。さいはてに帰ったフリント。そして,悲劇と終わるラスト。久々の傑作だ。

548●魔獣召還の門 六門世界1 安田均 富士見ファンタジア文庫 520円
  02/4/27 ファンタジー 
★★★

召還術士リコルと女戦士ファラータは,エルフと人間の調和の街タシエルへ。しかし,そこでは(やっぱり)ちょうど偶然にも種族間の戦争が始まっていた・・・。安田氏のファンタジーって,実に王道だと思うんだけど,なんだか,もの足りないんです。ヒネリがちょっとね。ボクみたいな海千山千からしちゃうと。

547●魔物をたずねて超次元!(マジカルランド) ロバート・アスプリン(矢口悟訳) ハヤカワ文庫 600円
  02/4/27 ファンタジー 
★★★★★

行方不明のオッズを追って,異次元の(名にしおう)パーヴにやってきたスキーヴ。やっぱりドタバタが・・・。たぶん,この作がマジカルランドシリーズの中でも,最高傑作ではあるまいか。ユーモアと異国情緒溢れるスキーヴの海外?旅行記のような情緒がある。ずいぶん,読書館の更新をさぼってしまった。本を読んでいなかったわけじゃないんです。時間が足りないと,ここにしわ寄せがきちゃうんですよね。たまった分をどんどん書いていかなくちゃ。

546●魔法使いの困惑(魔法の国ザンスXIV) ビアズ・アンソニイ(山田順子訳) ハヤカワ文庫 900円
  02/4/13 ファンタジー 
★★★★

長年行方不明だった良き魔法使いハンフリーの半生記だ。今までのシリーズの粗筋をくどくど書いているのはともかく,まあまあの出来だが・・・やっぱり,もの足りない。マンネリに過ぎるのだ。ザンスシリーズの最初の頃は,それはそれは面白かったものだ。確かに長年つきあってきたシリーズだから,楽しく読めたけど,初めてこの巻を読もうとする人には,とうていお勧めできない。

545●新たなる誕生 スターチャイルド3 フレデリック・ポール&ジャック・ウィリアムスン(矢野徹訳) ハヤカワ文庫 520円
  02/4/6 SF 
★★★★★★

さらに100年度。知性のある星達と強制する宇宙にあって,人類は大きな存在ではなかった。星のコンパニオンのモニターであるアンドレアス・クァモディアンは,昔愛していた女性のために地球へ向かう。しかし,そこでは災厄の星ローグ・スターが生み出されようとしていた・・・。1・2巻と比べて,ずいぶん筆のタッチが異なる。小説世界に違和感を感じるのだ。いや。これはこれで傑作だ。しかし,第1巻があまりに優れていたので・・・。

544●スターチャイルド スターチャイルド2 フレデリック・ポール&ジャック・ウィリアムスン(矢野徹訳) ハヤカワ文庫 480円
  02/4/6 SF 
★★★★★★

前作から50年後。<計画機械>に忠実な機械少佐ボイジャー・ガンは,密命を受けて宇宙の珊瑚礁へ・・・。これまたサスペンスSF。前作より難解かなぁ。大傑作には相違ないが,前作の完成度があまりに高すぎたために,蛇足となってしまった感がある。ファンとしては嬉しいが,複雑な心境だ。

543●宇宙の珊瑚礁へ スターチャイルド1 フレデリック・ポール&ジャック・ウィリアムスン(矢野徹訳) ハヤカワ文庫 520円
  02/3/31 SF 
★★★★★★★

<計画機械>によって,すべてが定められている世界。三年もの間,危険分子として北極の強制収容所に送られていた天才数学者ライランドは,プロジェクトチームの一員として,ジェットレス推進を命じられたが,原因不明の事故と,恐るべき裏切りにより,肉体銀行のパーツの提供者として<天国>と呼ばれる収容所に送られてしまう・・・。三年前の過去の記憶とは?自分自身の正体とは?宇宙の珊瑚礁とは?サスペンスの香り高いセンス・オブ・ワンダーの傑作である。久しぶりに,本当のSFを読んだなぁ。

542●黒竜戦史1 偽の竜王 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  02/3/29 ファンタジー 
★★★★★

いよいよ第6部突入。32巻目だ。オレサマこと,エロ=ソアの元にペコペコしながらやってきたのは,偽の竜王アツリム・ティムだった。なんかたくらんでおるに違いない。オレの心は,竜王テラモンに乗っ取られかけてるし,異能者どもは,分裂して,オレを利用しようとしてるし,白マントはオレを憎んでいるし,メチャクチャだよ・・・。だんだんと時の車輪の世界は,複雑を増しているようだ。登場人物の動きも,予断を許さぬ。また,だんだんと作品として伸びているのではないだろうか。

541●嵐の獅子たち グインサーガ83 栗本薫 ハヤカワ文庫 540円
  02/3/28 ファンタジー 
★★★★

俺はグイン。ようやくリンダをつれて,クリスタル・パレスを脱出したけど,パロの状況は混沌としてる。あのバカイシュトが,来なくていいのにゴーラ兵をつれてくるんだもんなァ。案の定,イシュトのやつ。ヤンダル・ゾックの魔力にあっさり魅入られやがった。どうせ,そんなこったろうと思ったよ・・・。またまだ最新刊を古本屋で250円でゲットだ。

540●伝説は永遠に 3 ロバート・シルヴァーバーグ編(斉藤伯好・他訳) ハヤカワ文庫 860円
  02/3/27 ファンタジー 
★★★★★★

時の車輪シリーズ番外編は,若き日のモイレインと護衛士ランとの出会いを描く。長編並の大作だ。ゲド戦記番外編は,難物。ゲド戦記って,子供向けだと思っていたのだが,とんでもないことが分かる。オステン・アード・サーガ番外編。これは始めてだったが,実は,粒ぞろいのこの本の作品中でベストではないかと思う。ディスクワールド番外編は,角川文庫のディスクワールドシリーズと異なり,どうも違和感を感じる。それぞれ,読み終えるのに,ずいぶん時間がかかってしまった。

539●遙かなる星の流れに 下 デルフィニア戦記18 茅田砂胡 中央公論社 800円
  02/3/26 ファンタジー 
★★★★★★

ついに,オレの栄光の物語はここで終わる。リィのやつは帰っちまったし。あーあ。オレって,最後までいい格好をしちまったよ。カー。つい,出来のいい王様で,物語の主人公ともなると,こうなっちまうんだ。最後のチャンスだったのにさ。ウォル王,ひどく後悔しつつ,この物語の幕を閉じるとするか・・・。さて,全18巻。楽しませてもらった。ほぼ,一日一冊の割合で軽く読める作品。楽しませてもらった。

538●遙かなる星の流れに 上 デルフィニア戦記17 茅田砂胡 中央公論社 800円
  02/3/24 ファンタジー 
★★★★★★

オレの王妃を捕虜にしたタンガ国め。王子ナジェックの妻にすると言いだしやがった。そこで,オレは考えたね。オレは,従姉妹のパオロに王の座をゆずり,一戦士として王妃リィを救いに行くことに決めたんだ。どうだ?名案だろ。オレが王じゃなければ,王妃の人質としての価値はなくなるからな。え?それならそれで,ナジェックが王妃を妻にするだけのことで,意味がないって?ウム。確かに,我ながら,あんまり意味がない行動だったような気がしてきたぞ・・・。

537●伝説の終焉 デルフィニア戦記16 茅田砂胡 中央公論社 850円
  02/3/23 ファンタジー 
★★★★★★

ゲタをならしてとんでもないやつがやってきた。ラー一族の美青年ルゥだ。つまり,オレにとっては,王妃の間男みたいなモンだ。おにょれ〜。それにしても美青年だのう。じゅるる〜。オレって,美青年でも,全然オーケーなんです。・・・。この巻は,シェラの活躍の巻といえる。でも,あの怖ろしいファロット一族が,こうもアッサリやられるのも,ちょっと拍子抜けの感だ。ここ,もうちょっと書き込んでもいいんじゃないかなぁ。

536●勝利への誘い デルフィニア戦記15 茅田砂胡 中央公論社 800円
  02/3/22 ファンタジー 
★★★★★★

タンガが,スケニアの北方蛮族を味方につけて,海戦を挑んできた。そしたら,蛮族の強いこと強いこと。しかしながら,我が盟友イブンの活躍により,善良なる蛮族は我が敵に騙されていたことを知り,さっそく味方につけることに成功す。結果,我が軍の大勝利となったのである。デルフィニア万歳!名君ウォル(つまりオレのこと)陛下バンザーイなのだ・・・。

535●紅の喪章 デルフィニア戦記14 茅田砂胡 中央公論社 800円
  02/3/21 ファンタジー 
★★★★★★

ちょいと,タンガの元領主どもめ。オレサマに反乱を起こしやがった。いつものように王妃を派遣して,ちょいとひとひねりしてやろうと思ったら,リィのやつ,毒矢に倒れちゃうんだ。あんまり無敵過ぎるのも,物語の構成上良くないっていうわけだろう。でも,さすがのオレもあせったね。もちろん,お約束ですぐ治っちゃったけどね・・・。

534●ファロットの誘惑 デルフィニア戦記13 茅田砂胡 中央公論社 900円
  02/3/20 ファンタジー 
★★★★★★

驚異のデル戦結婚ラッシュだ。なんだこりゃと,オレもさすがに思ったね。このデル戦って,宮廷恋愛小説だったのかって。まっ。メカケを囲うことになったオレも,人のことは言えないけどさ・・・。いよいよ13巻。このシリーズもあと5巻で完結なのだ。第一部8巻までに比べると,第二部はちょっと単調のような気がしてきた。

533●ファロットの誘惑 デルフィニア戦記12 茅田砂胡 中央公論社 900円
  02/3/19 ファンタジー 
★★★★★★

リィの手引きで,オレ。メカケをかこうことに決めた。つくづく,オレって幸せものだなぁ。 え?肝心の王妃リィとはどうなってるのかって?グフフ。オレは,ウマイもんは,最後に食う主義なのさ。本書の中では,「そういう間柄ではない」なんてカッコつけてるけどね。ホントはムハムハなんだよ。そうそう,リィは,暗殺集団ファロットに狙われてるんだ って。まったく,最近,オレを初めとするデルフィニアの登場人物が,リィ以外は,かすんでるんだよ。あ〜あ。困っちゃう。

532●妖雲の舞曲 デルフィニア戦記11 茅田砂胡 中央公論社 900円
  02/3/18 ファンタジー 
★★★★★★

王妃のおかげで,オレは死地から助けられ,ついでにバラスト国とタンガ国をやっつけて,有利な講和を結んでやったぜ。まったく,オレって幸せものさ。戦力勝負や外交よりも,全部王妃のリィのやつ一人のお陰なんだよなァ。ファンタジーの世界って,話が単純だからいいねェ。ホントホント。でも,まてよ。あんまり,リィのやつが活躍すると,オレの存在感が,人気が落ちちゃうじゃないか。うぬぬ。許すまじ・・・。

531●憂愁の姫将軍 デルフィニア戦記10 茅田砂胡 中央公論社 806円
  02/3/17 ファンタジー 
★★★★★★

バラストのやつらめ。お約束の拷問なんかしやがって。でも,オレって幸せすぎるから,ちょっと可哀想なところを読者に見せて,人気アップにつなげようという作者の計画なんだよね。それから,お約束の闘技場での,ライオンとの素手の戦い。ウォル最大の危機だ!ギャ〜ァァァ!と叫ぶと思うでしょう?ムフフ。読者の嘆きが聞こえてくるワイ。オレの人気急上昇間違いナシ・・・。

530●動乱の序章 デルフィニア戦記9 茅田砂胡 中央公論社 800円
  02/3/16 ファンタジー 
★★★★★★

タウの金銀パールを狙って,タンガ国とパラスト国が手を結びやがって,オレは裏切りにより捕まっちまった。ア〜レ〜!オレの妻(モッタイナイんで,まだ手をつけてないけど)のリィは,なかなか助けに来てくれないし,ウォル,困っちゃうぜ・・・。突如,デルフィニア動乱編となった。ようやく,長年の念願かない,古本屋にて,9・10,14〜18巻までゲット。しかし,1冊400円もしちゃったけど,このシリーズなら,しょうがないのです。

529●くたばれスネイクス! ホーカーシリーズ  ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン(稲葉明雄・他訳) ハヤカワ文庫 460円
  02/3/14 SF 
★★★★★

前作「地球人のお荷物」にもれた作品をまとめたもの。やっぱり,レベルが全体的に落ちるのはやむを得ないところだ。ポール・アンダースンとディスクンのコンビ。また書いてくれないかなぁ。

528●百億の昼と千億の夜 光瀬龍 ハヤカワ文庫 680円
  02/3/12 SF 
★★★★★★★

世界の創世から滅亡へと向かう長い長い時。アトランティス,古代インド・ギリシャ・エルサレム,遙かな未来。文明が栄え,そして滅びる永久の流れの中で,プラトン,悉達多,阿修羅王は,宇宙を滅亡に導く『シ』を追い求める・・・。これ,何回読んでもラストがよく分からないんだけれども,その度に「傑作だー」という読後感に襲われる。『シ』や弥勒,天輪王の正体は?シッタータとおりおなえは,死んだのか?あしゅらおうの行く末は?くー。でも,やっぱり傑作だ。

527●地球人のお荷物 ホーカーシリーズ  ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン(稲葉明雄・伊藤典夫訳) ハヤカワ文庫 520円
  02/3/9 SF 
★★★★★★★

アレックスが不時着した惑星トーカには,テディ・ベアそっくりのホーカ人が住んでいた。想像力豊かなホーカたちは,地球の書物に夢中になり,さまざまな文化をマネしだした。ドン・フアン,宇宙パトロール,シャーロック・ホームズ,外人部隊などが,全権大使となったアレックスを悩ませる・・・。すばらしい傑作である。連作短編はどれも傑作だが,白眉は,「バスカヴィル家の宇宙犬」だろうか。こういうすぐれたユーモアSFを読めることは,人生の欣快事というべきであろう。

526●宇宙塵版/派遣軍還る 光瀬龍 ハヤカワ文庫 320円
  02/3/7 SF 
★★★★

対アルテア星派遣軍は,ダリア0に帰還した時4千人の将兵は消えた。そして,ダリア0を狙う列強諸星団。若き情報局長ケイ・リーミンは・・・。光瀬龍氏の力溢れる処女作。いわば超人を主人公においた作は,この作者にしていかにも珍しい。作者本人は習作のつもりだったと述べられているが,秀作の方であろう。

525●必死の逃亡者 ジュール・ヴェルヌ(石川湧訳) 創元SF文庫 450円
  02/3/6 冒険 
★★★★★★

上海の若き富豪・金龍は,全財産を失い,広東から万里の長城に至る大冒険の旅に出る・・・。1879年,ヴェルヌ51歳の時の作。中国に行ったことのないヴェルヌの筆力には脱帽である。「海底二万里」「十五少年漂流記」「地底旅行」などの傑作群に比すれば,やや落ちるとはいえ,お見事。お見事だ。

524●宇宙年代記1 宇宙救助隊2180年 光瀬龍 ハヤカワ文庫 340円
  02/2/28 SF 
★★★★★

命をかけて,宇宙を開拓していったスペースマンたち・・・実は,ボクはこういう連作短編集の設定って大好きなんです。これは,本当に真面目な作品だ。真面目すぎて,遊びがないから,ちょっとつらいところもありますけど,やっぱり良作は良作。殆どは悲劇で終わる。こういうのをじっくり読むのもいいね。

523●無の障壁 光瀬龍 ハヤカワ文庫 340円
  02/2/25 SF 
★★★★

数十年前のジャパニーズSFは,こうだった。暗くて,今ひとつよく分からない。私小説に近いような。なにか怖ろしいことが底辺で進行しているような感じ。この作品は,そういうSFの典型であろう。この作は傑作ではないが,どうにも懐かしい色だ・・・光瀬氏のSF。ずいぶん読んだものだ。

522●赤い靴探偵団 恋人の謎 田中雅美 集英社文庫 280円
  02/2/23 学園ミステリー 
★★

如月高校一年の奈々は,親友の陽子といっしょにミステリー研究会に所属している。同級生の瑞穂ちゃんが突然髪を切った直後に死んでしまった謎を追って,奈々達の調査は始まったんだ・・・。点数は辛いが,前のガラスの天使よりは遙かにマシ。しかし,高校のオンナノコの世界ってええのう。こんなに,楽しくワクワクでウハウハで単純なのでしょうか?男なんか,つまりませぬなぁ。

521●垂直世界の戦士 K・W・ジーター(冬川亘訳) ハヤカワ文庫 700円
  02/2/20 SF 
★★★★★

遙かな未来。人々はシリンダーと呼ばれる巨大なビルディングの中の水平な床や外側の垂直な壁に暮らし,垂直世界では,いくつかの軍事部族が戦争を繰り返していた。その軍事部族に意匠を施す意匠師アクセクターは,あるものを目撃したために,ある軍事部族から追われる身となる・・・。なかなか魅力的な世界設定である。未来のネット世界が見事に描かれているのだが,ちょっと異質なので感情移入がかえって難しい。なかなかの意欲作だと思うのだが。

520●アイソトープ・マン チャールズ・エリック・メイン(斎藤伯好訳) ハヤカワ文庫 400円
  02/2/19 SF 
★★★★★

新聞記者のデラニーは,編集長の産院の開所式の取材に行けという命令を無視して,美人カメラマンのフライデーと共にある原子力物理学者を巡る事件に首をつっこむ・・・。1957年の, そう。あの頃の活気あるSFだ。一流の作品じゃないけれど,こういうのを読むと,ほっとするなぁ。

519●ガラスの天使 田中雅美 集英社文庫 300円
  02/2/17 学園ミステリー 
★★

名門白鳥女学院に入学した真紀は,学園内に次々とおこる暴力,脅迫,事故に,あるつながりを見いだす・・・。駄作じゃ!なかなかの駄作。女の園って,おそろしいよねっていうのがテーマかなぁ。でも,怖くもなんともないし,ラストも単調極まりなし。 眠くなっちゃうよ。

518●神々の血脈NU VOL2アーリアの貴人 西谷史 小学館スーパークエスト文庫 562円
  02/2/16 SF 
★★★

ようやく京子を助け出した数磨だったが,またまた京子を誘拐されちゃった。そして,ナチの亡霊ゲッペルス登場す。こっちも負けてられないと,卑の一族和彦の登場なのだ・・・。粗筋を書いても,どうも燃えないなぁ。なんだか,ピンとこないや。

517●神々の血脈NU VOL1マヤの記憶 西谷史 小学館スーパークエスト文庫 562円
  02/2/15 SF 
★★★

マヤの古文書のCG。数磨の恋人・京子は,それを見て恐竜に変化する。そして,倭の血を引くヤツラにアッサリ誘拐。倭の血と卑の血を受け継ぐ神々の末裔の闘争が始まる・・・。この手の作品って,あんまり好きじゃないのだが,まあ,読める。ユダヤのフリーメーソンが登場したり,話は広がるけど,どうにも半端な感じがしちゃうんだよなぁ。

516●玄武、燃える 時代の巫子4 麻城ゆう 角川スニーカー文庫 500円
  02/2/12 ファンタジー 
★★★★★

大人達による子供狩りが横行する世代断絶の東京。決戦!ついに,聖王シュレーディンガーの正体が明らかになる!・・・。なだれ込むようなラスト。でも,ちょっぴり不満。いまひとつ消化不良なのだ。たぶんこのシリーズ。あと数巻は続いても良かったはずなのに。でも,面白かったヨ。 少年少女が良く書けた。良作だね。

515●白虎、暗躍 時代の巫子3 麻城ゆう 角川スニーカー文庫 480円
  02/2/11 ファンタジー 
★★★★★

東京にある廃ビルには,1607名もの獣格化を待つ少年少女が眠っていた。白竜達と土の巫女との決戦が始まる。秘められた戦いは,いよいよ日の元に明らか,日本は震撼する・・・。うん。ええ作品や。よう出けとる。ほのぼのとして,それでいて,スリリング。味がなかなかいいね。著者の「月光界シリーズ」より,上だ。

514●朱雀、消滅 時代の巫子2 麻城ゆう 角川スニーカー文庫 536円
  02/2/10 ファンタジー 
★★★★★

戦いの中,白竜の同級生の浩子の身体にも変化が訪れる。そして,崇・亨にも。そして,戦士達は揃ったのだった。1999年に完結した人気女流漫画家の『朱雀翔ぶ』。獣格化現象と,その漫画との暗示性は・・・。これ,結構おもしろいヨ。ホント。ファンタジーに分類しちゃったけど,SFとすべきかなぁ。キャラクターが生き生きと動き回っている。

513●青竜、目覚める 時代の巫子1 麻城ゆう 角川スニーカー文庫 500円
  02/2/9 ファンタジー 
★★★★★

20××年。中学生の宮坂白竜が通う私立竜神学園では,怪物が出るという怪談話が有名だった。うさぎ小屋のうさぎが殺され,そして,教室の十二人の生徒は身体を引き裂かれ惨殺されていた。ところがなぜか,公式発表はガス爆発による惨劇。そして,同じクラスの女子が獣化する・・・。たぶん,学園生活はこうなるかも知れないというリアリティと先が読めないストーリーの謎が不思議な味をかもしだす優れた作品。良作だ。

512●マーフィの呪い(魔法の国ザンスXII) ビアズ・アンソニイ(山田順子訳) ハヤカワ文庫 880円
  02/2/8 ファンタジー 
★★★★

ザンスシリーズともずいぶん長いつきあいとなった。最初の頃の世界の不思議さは,もはや既にあきちゃって,繰り返し小道具を使い回しているような気がするなぁ。このシリーズ,もう寿命が尽きていると思うのだが。主人公をいろいろ変えてみたり,努力はしてるんでしょうけど。

511●カスピアン王子のつのぶえ ナルニア国ものがたり2 C.S.ルイス(瀬田貞二訳) 岩波少年文庫 700円
  02/2/3 ファンタジー 
★★★★★★

汽車旅行中に,突然ナルニア国に引き戻された四人のこどもたち。そこで見つけたのは,ケア・パラベルの居城の廃墟だった。そう。ナルニア国では,数百年を経ていたのである。そこは,テルマールの人間がナルニア国を治めている世界だったのだ・・・。この書にて,四人の王と王女のうち,一の王ピーターと,角笛の女王スーザンはナルニアに戻ることあたわずとなった。

510●ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり1 C.S.ルイス(瀬田貞二訳) 岩波少年文庫 650円
  02/1/31 ファンタジー 
★★★★★★

ピーター,スージィ,エドマンド,ルーシィが片田舎のお屋敷に疎開に行った時のものがたり。衣装だんすの中に入っていったルーシィは,雪のつもる別世界,ナルニア国にいたのでした。そして,四人のこどもたちのナルニア国での冒険が始まります。ナルニア国の創世主ライオンのアスランと白い魔女の戦い。そして,四人は偉大な王と女王になったのでした・・・。最初の衣装だんすのシーン。分かるなぁ。昔,受験勉強のつもりで原書で(無理矢理)読んでみたことがあったんだけど,うん。このシーンだけはよく覚えている。結局,四人は元の世界に子供の姿でもどってくるんだけど,まことに良質なるファンタジーでありますまいか。かたがた?

509●ドラゴンクエストIV 4天空夢幻 久美沙織 エニックス文庫 480円
  02/1/31 ファンタジー 
★★★

うーん。やっぱりつまらなかったー。ゲームと小説とどっちつかずで。ドラクエらしさがもう少しあってもいいなぁ。もし,時間があれば,RPGをじっくりとやってみたくなってきた。あの一世を風靡したドラゴンクエスト。第一作からやってみたいや。

508●ドラゴンクエストIV 3双華流浪 久美沙織 エニックス文庫 480円
  02/1/29 ファンタジー 
★★★★

踊り子と占い師の姉妹の物語。そして,勇者の仲間達がついに集う編の構成だ。ゲームと言えば,ボクはやっぱりRPGが好きだった。ファミコンよりもパソコンで熱心に遊んでいることが多かったなぁ。ブラックオニキス,無幻の心臓,ファイアークリスタル,ウィザードリィ,ウルティマ,英雄伝説・・・またやってみたいんだけど,時間がないし。やっぱり,学生時代は,人生の貴重な一時であった。

507●ドラゴンクエストIV 2闘武群雄 久美沙織 エニックス文庫 460円
  02/1/27 ファンタジー 
★★★★

サントハイムの王女兼武道家であるアリーナの冒険,そして,武器商人トルネコの冒険の二作。前巻より大分ドラクエ色が強くなったかなぁ。みけねこは,ドラクエは,IIIまでやったっけ。これがまた,面白かったのだ。

506●ドラゴンクエストIV 1魔起黎明 久美沙織 エニックス文庫 460円
  02/1/26 ファンタジー 
★★★★

バトランド王に仕える王宮戦士ライアンは,途中であったホイミスライムのホイミンと共に,行方不明の子供達の探索に出た・・・。意外な良作。ただ,ドラゴンクエストの小説化を図ったのが,ストーリーの流れが中途半端になってしまった要因か。カバー&登場人物紹介と本の中のイラストが,全然違うのにも悩んじゃいましたけど,うむむ。魔王の跡継ぎピサロの役割がどうにも分からないなぁ。

505●王女グリンダ 茅田砂胡 中央公論新社 1200円
  02/1/25 ファンタジー 
★★★★★

あのデルフィニア戦記の元となった作品。この分厚い新書版の本を読んで,茅田氏の筆力の向上を思い知る。こりゃあ,似てるけど,と言うか,そのまんまだけど,やっぱりだめです。キャラが生きてない。並のジャパニーズファンタジーと比べれば,その良質さは際だつのだが,デル戦に比べるべくもない作と思われた。古本屋で600円も出して買ったけど,これ。読まない方が良かったなぁ。

504●アウラの選択 グインサーガ82 栗本薫 ハヤカワ文庫 540円
  02/1/23 ファンタジー 
★★★★

俺はグイン。豹面の冷たいニャンコ。ヤンダル・ゾックに憑依されたレムスのやつ。話しているうちに,チョッピリ自分を取り戻して「助けてくれ〜」とか言い出したが,もちろん俺は,クールに突き放した。ネコ科の俺としては,当然のことさ。話は変わるが,リンダも可愛くなくなったなぁ。ありゃあ,結構,おっかないぜ。ガオー・・・。やった。奇跡だ。途中,抜かした冊があるとはいえ,ついに,グインサーガ最新刊に追いついたのである。ふるる。

503●東亰異聞 小野不由美 新潮文庫 590円
  02/1/22 ホラー 
★★★★★★

明治末期の帝都。文明開化の影で,未だ魑魅魍魎が跋扈する闇の世界があった。人魂売り・読売り・闇御前・火炎魔人が帝都を徘徊する。それを追った新聞記者の新太郎は・・・。不気味な幕開けと共に,どうなっちゃの?と読み進めていくと,突然推理小説へ。そして,また闇の中にラストは戻る。異色だ。こういう作品,好き嫌いが分かれそうだが,ボクは単純に感心してしまった。

502●仮面の男 アレクサンドル・デュマ(石川登志夫訳) 角川文庫クラシックス 1000円
  02/1/20 歴史 
★★★★★★★★

時は流れ,ルイ14世の時代へ。鬢に霜を置いた武人となったダルタニャンと,アトス・ポルトス・アラミスの三銃士は,別々な道を歩んでいた。しかし,フランス宮廷を揺るがす事件によって,また4人の道は交差し,ポルトスは,ロクマリヤの洞窟で,国王側の兵からアラミスを逃がそうと,大岩の下敷きになって壮烈な死を遂げ,アトスは,子息ブラジュロンヌ子爵の戦死の報により,(駆けつけたダルタニャンは間に合わず)悲嘆のうちに亡くなり,そしてダルタニャンは,オランダで元帥杖を握りしめながら「アトスよ,ポストスよ,天国でまた逢おう。アラミスよ,永遠にさらば」とつぶやいて倒れる・・・。講談社文庫版ダルタニャン物語全11巻と,筋立てがずいぶん違うので,いささか驚いた。あの名訳である講談社文庫版に,(短いのが残念としても)いささかも劣らぬ版ではないだろうか。感動の名作である。

501●魔界の刻印 グインサーガ81 栗本薫 ハヤカワ文庫 540円
  02/1/18 ファンタジー 
★★★★

俺は,豹面のグインだ。レムスのやつと会ったら,やっぱりレムスはヤンダル・ゾックめだった。ガオー。俺は,ヤンダルめに,俺はケイロニアの安寧しか興味はないと言ってやったぞ。ガオー。ヤンダルめ。口をアングリ開けておった。俺って,豹だから冷たいんだよね。根っから・・・。よし。ようやくこのシリーズ,ここまで追いつきましたぞ。途中,とばしちゃったけど。ガオー(おっと,間違えた)。

500●ヤーンの翼 グインサーガ80 栗本薫 ハヤカワ文庫 540円
  02/1/17 ファンタジー 
★★★★

また一巻飛ばして80巻。グインの世界で,一番の悪党イシュトバーンがこの巻の主人公。若い頃の悪戯っぽい妖精的雰囲気はもはやなく,残虐・冷酷・狂気がイシュトの特徴。これに比べれば,ヤンダル・ゾックの方がまだずっとマシに思われちゃう。戦(の指揮)は強いと本人はのたまわっているが,グインサーガの歴戦の主人公達の中でも,一番ヘタクソそうだし。下級魔導師にさえ,やられちゃいそうだ。さっさと,雑兵の流れ矢にでも当たって,あえなくおっ死んでくれた方が,中原のためにベスト。淫魔のユリウスに犯されちゃえばいいのに。(ひどい言われようですネ)
これで,記念すべき500巻目となりました。

499●ルノリアの奇跡 グインサーガ78 栗本薫 ハヤカワ文庫 540円
  02/1/16 ファンタジー 
★★★★★

75巻の次は78巻。だって,古本屋になかったんですもの。いつの間にか,ナリスは死んだフリをして,ヘビ男のヤンダル・ゾックをだまくらかしたらしい。 よくあるよくある〜。ふ〜ん。だまされる方もだまされる方ですなぁ。ヴァレリウス帰還す。なんだか動きのない巻。あるHPにグインサーガのことが書いてあったけど,ハワード(キンメリアのコナンの作者)なら,グインサーガ一巻分を5行で終わらしちゃうだろうって。うーん。言い得て妙だ。(だから,グインが悪いってわけじゃありませんぞ)

498●ノービットの冒険−ゆきて帰りし物語− パット・マーフィー(浅倉久志訳) ハヤカワ文庫 800円
  02/1/14 SF

アステロイドベルトに住むノービット族のベイリー。ある日尋ねてきたクローンのファール一族と冒険の旅に・・・。クソー。だまされた。トールキンの名作「ホビットの冒険」を下書きにしたSF版だと聞いて,ふらふら買っちゃったんですけど,あの名作に比べるもおこがましい大駄作。宇宙貨物船の船倉で,半ロボットの”ゴトリ”と謎かけするんですぞ! 信じられます?ああ〜。呆れちゃう。ホビットの冒険と違って,なんの必然性も感じられないシーンだ。まあ,みけねこが指輪物語ファンでなかったら,星二つから三つレベルだったと思うけど,指輪を汚した罪で,星ゼロの最低評価といたす。

497●大導師アグリッパ グインサーガ75 栗本薫 ハヤカワ文庫 540円
  02/1/13 ファンタジー 
★★★★★

立派なアグリッパにようやく会えたヴァレリウス。しかし,思ったよりアグリッパは立派になっちゃっていて,パロ世界の神様より偉くなっちゃっていたのである。最初は人間離れしていたアグリッパは,途中から急に人間ぽくなっちゃった。へんなの〜・・・。さて,困ったわい。ボクが古本屋で見つけたのは,残念ながらここまでだ。こうも長大なシリーズとなると,最初の頃の巻は,古本屋にゴロゴロしてるんだけど,後の方のってないんですよね。

496●試練のルノリア グインサーガ74 栗本薫 ハヤカワ文庫 540円
  02/1/13 ファンタジー 
★★★★

親切グラチウスにルードの森に送られたヴァレリウスは,さっそくアグリッパ探し。しかし,出てきたのは,<ドールに追われる者>イェライシャだった。なつかし〜・・・。ますます面白くなって来たような。もう一個,星をやるべきかなぁ。ケチケチせんと。

495●地上最大の魔導師 グインサーガ73 栗本薫 ハヤカワ文庫 540円
  02/1/11 ファンタジー 
★★★★

拷問をコッテリ受けたヴァレリウスを助けにノコノコやって来たのは,闇の司祭・親切グラチウスだった。そして,黒魔術師と白魔術師は強力連携しようと提案する。友情にめざめ,しっかりと抱き合ったヴァレリウスとグラチウス。美しい・・・なんか,だんだん面白くなってきたなぁ。グインサーガって。やっぱ,こうじゃなくちゃ。

494●パロの苦悶 グインサーガ72 栗本薫 ハヤカワ文庫 520円
  02/1/10 ファンタジー 
★★★★

オレは,恐怖のヘビ男こと,ヤンダル・ゾックだヘビヘビ。可愛いナリスちゃんの夢枕に立って,「オレのモノにならんか?なんでも買ってやるど」と誘ったのだが,あっさりふられてしまったヘビヘビ。くやしいヘビ・・・よくもまあ,巻の1/3も,ヤンダル・ゾックとナリスの会話にしちゃったものですなぁ。ああ。かったるいのじゃ。

493●嵐のルノリア グインサーガ71 栗本薫 ハヤカワ文庫 520円
  02/1/9 ファンタジー 
★★★★

なんと,パロの聖王レムスの正体は,恐怖のヘビ男ヤンダル・ゾックであった。反乱を起こそうとしていたナリスは,結果として,いい人になっちゃったのである。よかったね〜。リンダは,ヘビ男にとっつかり,それを助けにいったヴァレリウスは,グインサーガ恒例の拷問にかけられようとする・・・。なんだか,ちょいと面白くなってきました。ウジウジ長いこと反乱の計画を練っていて,全然話しが進まなかったナリスもようやく活躍しそうだし。

492●修羅 グインサーガ69 栗本薫 ハヤカワ文庫 520円
  02/1/8 ファンタジー 
★★★★

いいか。俺はイシュトバーン様だ。神様だ。アムネリアのやつ,なまいきに俺をトーラスへ召還しやがって,俺のささいな昔の旧悪をネタに審問ときたもんだ。畜生。俺の道具のひとつカメロンが必死に俺様を弁護しやがったが,役立たずめ。結局,アリ公の亡霊にハメられてちまったぜ。しかし,俺は天才イシュト様だ。こんなこともあろうかと,密かに潜入させておいたゴーラ兵共を使って,金蠍宮は俺の手に落ちた。ケッケッケ。俺の前にひれ伏しやがれ・・・。納得いかないなぁ。一千のゴーラ兵がこんなに簡単に潜入できて,トーラスを制圧出来るものなのかなぁ。イシュトの性格の悪さ,ますます冴え渡る。さすがのカメロンも,イシュトに呆れ気味だ。

491●豹頭将軍の帰還 グインサーガ68 栗本薫 ハヤカワ文庫 520円
  02/1/6 ファンタジー 
★★★★

俺はグイン。半分豹の男。ケイロニアの王女シルヴィアを見事捕まえて,堂々の凱旋である。ガオー!小娘のシルヴィアを娶って,俺は,ケイロニア王になるんだ。ガオー!フフフ。俺は,頭こそ豹だが,首から下は人間だし,もちろんアソコもだよ。グフフ。シルヴィアには,豹頭の息子をいっぱい生んでもらおっと。ガオー!・・・。ようやく,グインサーガに復帰した。グインがようやく本編に帰還したってのに,今ひとつ燃え上がらないなぁ。

490●銀星眼の魔神〜陽〜 チキチキ美少女神仙伝 嬉野秋彦 角川スニーカー文庫 500円
  02/1/5 ファンタジー 
★★★★

嬉野氏の作品って,結構しっかりとしているのだが,前巻とこの巻でようやく本領発揮であろう。天界のキャラも,深みを増し,物語として見事に完結している。これを読むと,1巻2巻(3巻は手に入らなかった)は,駄作という部類だ。

490●銀星眼の魔神〜陰〜 チキチキ美少女神仙伝 嬉野秋彦 角川スニーカー文庫 500円
  02/1/5 ファンタジー 
★★★★

下界は南宗の都・臨安に降りた二人。しかし,太古に黄帝に倒された魔神が,今まさに復活しようとしていた・・・。このチキチキ。4巻目にして良くなった。キャラクターの性格付与も大変よろしい。読んで吉ですぞ。

489●二千年目の魔女 チキチキ美少女神仙伝 嬉野秋彦 角川スニーカー文庫 560円
  02/1/3 ファンタジー 
★★★

太上老君の命により,突如浮き上がったナゾの島の探索に赴いた双子の美少女姉妹。そこで見つけたのは,小さな少女だった・・・。まあ,面白いですけど,こんなモンでしょう。ちょっとの短い時間を楽しむのに良し。

488●ゴクドーくん漫遊記13 中村うさぎ 角川スニーカー文庫 457円
  02/1/2 ファンタジー 
★★★★★

オレ,ゴクドー。寝てる間にクエクエバエがオレの腹に卵を産みつけやがった。クエクエバエの女王をぶっ殺してやろうと思ったオレだったが,女王の夫になると悪魔の中の悪魔「蝿の王」になれると聞いたオレは,ゆっくりと産卵にいそしむことにしたのだが・・・。ゴクドーくんシリーズ最終巻。結構,このシリーズ好きで,長くつきあってきたのだが,これでお仕舞いなのがいささか残念。中村うさぎ氏は,「人気シリーズのゴクドーくんで一生食べてくと思われるのがイヤ」との話。うーん。なるほど〜

487●八十日間世界一周 ジュール・ヴェルヌ(江口清訳) 角川文庫 180円
  02/1/1 冒険 
★★★★★★★

かのジュール・ヴェルヌの傑作。八十日で世界一周することを賭けた英国紳士が,さまざまな冒険をしながらやり遂げるって作品。もう,古典の部類に入っているだろうか。十五少年漂流記,地底旅行など名作群を生んだウェルヌのこの作品。決して古びてはいない。SFの父とも言われ,ヴェルヌとよく引き合いに出されるH・G・ヴェルズが,歴史的価値はともかくとして,もはや文学としては古びてしまっているのを考えると,まさに好一対である。

486●蒼の伝説 夕咲の姫 麻城ゆう 角川スニーカー文庫 480円
  01/12/30 ファンタジー 
★★★★

精霊族の姫シルヴィアの聖花樹は,夕に咲いた。シルヴィアを信じる人々は,彼女を死んだことにして,魔族の住む地へ新しい国を造りに出発する・・・。うーん。傑作じゃないけど,地味な感じの小品かな。麻城氏にしては,なんだか,やけに普通のファンタジーを書いたって感じだ。

485●暗黒の夜明け 逆宇宙ハンターズ5 朝松健 ソノラマ文庫 400円
  01/12/28 ホラーアクション 
★★★★★

邪神「GLZYT」誕生す。そして,現実界を支配せんとする邪神。しかし,黒富士に入山したハンターたちは・・・。これにて,逆宇宙ハンターズ全5巻の完。もっと読みたいのう。こういうのって,実はボクは好きなのである。この後,逆宇宙レイザース(でしたっけ?)シリーズが後に控える。

484●虚空聖山 逆宇宙ハンターズ4 朝松健 ソノラマ文庫 420円
  01/12/26 ホラーアクション 
★★★★★

白鳳坊一派と盟主・威明一派との<苦止縷得宗>内部の分裂。そして,戦いは,吉永・春夫・比良坂のグループと入り乱れ,そしてついに黒富士は姿を現した・・・。良作・良作だ。一気に読みたくなる本って,こういうのをいうのだろう。

483●黄金鬼の城 逆宇宙ハンターズ3 朝松健 ソノラマ文庫 400円
  01/12/25 ホラーアクション 
★★★★★

<苦止縷得宗>の法具”三角金字塔”を守るため,吉永親子は弘前に向かった。逆宇宙の侵攻により,血の涙を流す黄金仏。そして,魍古の復活・・・。残念ながら,逆宇宙ハンターズ第2巻は手に入らず。古本ですから,よくあることですけど。第1巻のなんとも言えないエロティックな恐怖はやや薄れる。ちょっと残念かなぁ。

482●魔教の幻影 逆宇宙ハンターズ1 朝松健 ソノラマ文庫 420円
  01/12/24 ホラーアクション 
★★★★★

高校生の淡島春男の家族が奇妙な変貌を遂げる。男が女の皮を,女が男の皮をかぶる赤白二H歓喜即仏の教義を唱える魔教<苦止縷得宗>の狙いとは。そして,東の空に現れた黒富士・・・。ソノラマ文庫って,こういう傑作が埋もれているから嬉しいなぁ。朝松氏は,有名どころではあるけど。現代の出版界において,こういう怪作を発表する場が少なくなっているのは,本当に残念である。

481●フクロウが多すぎる シャーロット・マクラウド(高田恵子訳) 創元推理文庫 630円
  01/12/23 推理 
★★★★

フクロウ数えの夜。謎のシロフクロウを追う一行の一人が死んだ・・・。シャンディ教授ものとしては,なかなか読みづらい作品。ちょっと無理があるかなぁ。敵が強大だと思ったら,捕まえてみるとそうでもなかったりで。

480●オオブタクサの呪い シャーロット・マクラウド(高田恵子訳) 創元推理文庫 500円
  01/12/17 推理 
★★★★★

オオブタクサが異常繁殖したイギリスを訪れたシャンディ教授。しかし,突然中世ウェールズにタイムスリップ。吟遊詩人になりすませた教授が巻き込まれたのは,グリフィン失踪,王家の後継争い,殺人事件。さて,剣の魔法の世界で教授達は・・・。面白いんだけど,たぶん,中世ファンタジーのパロディなんでしょうね。ユーモア色あるこのシリーズだが,この設定にはさすがにビックリした〜

479●赤い月のひみつ 矢島きら 富士見文庫 430円
  01/12/15 ユーモア 
★★★★

豆腐の懸賞で旅行券5万円をゲットしたくるみは,親友の加奈といっしょに羽十メロンが美味しいとされる羽十温泉へ旅行に出かけることにした。しかし泊まった旅館の女将さんはぽっくり死んじゃうし,出会った神主の娘小夜は,殺人の疑いをかけられる・・・。ややエッチな温泉湯煙美女ものといったところだろうか。なんとなく,面白かった。

478●竜王戴冠8 竜王の旗のもとに ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/12/11 ファンタジー 
★★★★★

オレ,エロ・ソア。竜王サマだ。頭が高〜い!この竜王の印籠が目にはいらぬか〜!オレの将来のニョーボー候補の一人・エレインのお袋さんが国をおん出されたことを怒ったオレサマは,6千人のアイール人どもといっしょにシームリンへテレポート。オレサマにさからう闇セダーイのラヴィンめをケチョンケチョンにして,ついでに国を乗っ取ってやるのだ。グッフッフ。さすれば,エレインも,オレサマの愛に応えて,服だろうがなんだろうが脱いじゃうだろうというのが,オレの計画さ。いつものことだが,オレサマの頭の良さには,我ながら寒気がするようだぜ。ブルブル。

477●女神の誓い マーセデス・ラッキー(山口みどり訳) 創元推理文庫 840円
  01/12/10 ファンタジー 
★★★★★

山賊に皆殺しにされた一族の最後の生き残りタルマと,女魔法使いケスリー。姉妹の契りをして傭兵となった二人の冒険が始まる・・・。女性作家によるファンタジー。今までとちょっと違う。男性だと,恥ずかしげに書くだろうけど,結構赤裸々な表現の仕方をしている。

476●失われた雷霆鞭 チキチキ美少女神仙伝 嬉野秋彦 角川スニーカー文庫 560円
  01/12/7 ファンタジー 
★★★

双子の美少女仙人は,太上老君の命により,下界に赴き,お風呂のシーンとか・・・。ああ〜。軽いのう。軽い軽い!軽すぎ〜。よくあるよくある。まあ,面白いとは思うんだけど,絶対記憶に残りませんなぁ。ただ,一瞬,浮き世の苦労を手軽に忘れられるという意味で,なかなかいい作品かもしれません。でも,あっという間に読み終わっちゃった。

475●三銃士 下 アレクサンドル・デュマ(竹村猛訳) 角川文庫 660円
  01/12/5 歴史ロマン 
★★★★★★★

ラ・ロシュの包囲戦。枢機卿リシュリューの命を受け,イギリスに潜入したミレディー。そして,バッキンガム公爵の暗殺。ダルタニャンは,コンスタンスの復讐に,そしてアトスは。そして,怖ろしいミレディーへの裁きの後の三銃士は・・・。ポルトスは,代書人の未亡人と結婚し軍職を退き,アラミスは,ロレーヌ地方に旅行した後杳として姿を消す。噂ではナンシーの僧院に入ったとのことだ。アトスは,5年間,ダルタニャンと共にいたが,ルシヨンで遺産を継いで軍を離れた。そうして,4人は別れ,次に出会うのは二十年後となる。

474●エイリアン・チャイルド パメラ・サージェント(森のぞみ訳) ハヤカワ文庫 520円
  01/12/4 SF 
★★★★★

最終戦争で絶滅した人類。地球に残された研究所で,猫型エイリアンのリベルに育てられたニタは,同じ年頃の男の子と出会う。そして,二人は研究所の外へ,仲間を探しに冒険の旅に出た・・・。なかなか魅惑的な設定だと思う。のんびりとした作品であるのは,ジュナイブルSFであるせいだろうか。物語はいつの間にか終わってしまうが,もう少し物足りないところだ。

473●三銃士 上 アレクサンドル・デュマ(竹村猛訳) 角川文庫 660円
  01/12/3 歴史ロマン 
★★★★★★★

懐かしい・・・学生の頃,苦労して講談社文庫版ダルタニャン物語全11巻を買ったことを思い出した。時はフランス・ルイ十三世の時代。ガスコーニュの田舎から珍妙な馬にのってバリのトレヴィル殿のところにやってきたダルタニャン。そして,生涯の友,アトス・ポルトス・アラミスと出会う。名宰相リシュリュー。マザラン。ミレディー・・・ダルタニャンは老い,三人の親友は別れ,或いは敵対し,物語は続く・・・。三銃士・鉄仮面・ブラジュロンヌ子爵・・・まだ,苦悩のない青年時代のダルタニャンと三銃士の物語。楽しもうではないか。

472●竜王戴冠7 旅路の果て ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/12/2 ファンタジー 
★★★★★

サマラの町から脱出したナイニーヴ達は,ついに青アジャ達の集結地サリダールへ・・・。このシリーズには珍しく,ず〜とナイニーヴ一行だけを追いかけた作。あのエッチなアル=ソアも出てこないし,珍しいのじゃ。

471●大江戸ロマネスク 恋姫たちは振り向かない 山浦弘靖 コバルト文庫 520円
  01/12/1 ロマンチック 
★★★

大奥に奉公する町娘のなな。親友の将軍側室の八重は,将軍の長男の子をはらんじゃうし,将軍の次男の竹千代は,ななを我が物にしようと企んでるし,大奥も結構大変なのだ。ついに,(なぜしか)妖術大合戦が・・・。ムチャクチャなんですけど,なぜか楽しく読めちゃう作品。ちょっと思ったよりエッチっぽいのも,今風のコバルト読者に合わせたものなのかなぁ?

470●ディスクワールド騒動記1 デリー・プラチェット(安田均訳) 角川文庫 600円
  01/11/30 SF 
★★★★

アガディーン帝国からやってきた観光客ツーフラワー 。その時から究極の魔法ひとつしか知らない魔術師リンスウィンドの不幸は始まった・・・。なんとも,難しい。批評が。メチャクチャなんだけど,なんとなく面白いスラップスティック(言い過ぎかな?)作品。

469●戦国幻想曲 池波正太郎 新潮文庫 781円
  01/11/29 歴史 
★★★★★

「槍の勘兵衛」こと。渡辺勘兵衛の生涯。おれが主人には不足も不足と,主人を選びながら戦国の世を駆け抜けたいくさ人・・・。やっぱり,池波正太郎はいい。猪武者と思われていた勘兵衛を掘り下げた傑作である。ただ,星が少ないのは,真田太平記などでの記述を結構使い回ししてるがため。多作家たる欠点である。

468●ヴァイキング・ヴァイキング シャーロット・マクラウド(高田恵子訳) 創元推理文庫 480円
  01/11/22 推理 
★★★★★

ホースフォール農場で起きた事故死。そこから物語は始まった。茨に囲まれた冴えない石碑がヴァイキングの遺跡となり,次々と起こる事件がヴァイキングの呪いのせいにせれ,押し寄せる野次馬の群れ・・・。ふと思ったが,この作品は,カーの味わいがある。どたばた喜劇というか,ファースの味わいが。シャンティ教授自身は,つまらないほど常識人であるが,回りの人間の多様なこと。シャンティ教授シリーズ第3弾。

467●風塵の群雄 デルフィニア戦記8 茅田砂胡 中央公論社 857円
  01/11/24 ファンタジー 
★★★★★★

タンガめ。オレがリィと結婚したからって,攻めてくることないじゃん。チキショー。でも,アッサリやっつけちゃったもんね。オレって,ノリは軽いけど,天才的な戦略家なんだよね。実は。しかし,問題は,隣国バラストに現れた妙な魔導師みっちょなやつら。企んどるなぁ。物語って,どうせハッピーエンドになるに決まってんだけど,それまでに一波乱ありそうじゃ。それはともかく,オレの女房のリィのやつ,早く少年に戻らないものか。グヒヒ・・・。

466●コーラルの嵐 デルフィニア戦記7 茅田砂胡 中央公論社 857円
  01/11/24 ファンタジー 
★★★★★★

オレ,メカケを囲ったんだ。国王ってのも,悪くないような気がしてきたよ。ところが,びっくりしたことに,タンガから,王女リィを嫁にしたいとの縁談が。リィはオレの養女だけど,実はオレ,ロリコンなんだよね。しかも,重度のショタコン。リィのやつ,そのうち,少年に戻ると思うんだよなぁ。しょうがないから,リィと結婚することに決めたっと。オレ。ムッフッフ。国王が法律じゃ〜・・・。

465●獅子の胎動 デルフィニア戦記6 茅田砂胡 中央公論社 857円
  01/11/24 ファンタジー 
★★★★★★

パオロの親戚は,隣国タンガと結託してたったワケ。ふーん。インド人もびっくりだね。国王も大変だわい(いつもこれ)・・・。

464●異郷の煌姫 デルフィニア戦記5 茅田砂胡 中央公論社 857円
  01/11/24 ファンタジー 
★★★★★★

あれから3年経ちました。パオロのやつ,親戚と戦争を起こそうとするし,国王でいるってのも大変だなぁ。そうそう。リィは養女にして,王女になったんだが,少年暗殺者が,侍女にバケてつけねらってるらしいよ。リィのやつ,遊んでいるけどね・・・。第二部開始なのじゃ。

463●ソーサリアン創世記 松枝蔵人 角川スニーカー文庫 560円
  01/11/23 ファンタジー 
★★★★

魔法使いフロニアスの予言のもと,人間,エルフ,ドワーフの三人がソーサリアンの世界を救えることが出来るノイラの宝玉を求めて冒険に旅立った・・・。ゲームの小説化にしては悪くないけど,まあ,それなり。それより,昔,日本ファルコムのゲーム”ソーサリアン”を熱心にやっていた頃のコトを思い出してしまった。いろんな原料?を組み合わせて,強力な魔法を作るんですよね。これが実に難しいのだ。あの頃は,パソコンゲームが面白くてたまらなかったっけ。今,やらないのは,ゲームを始めちゃったら,夢中になるのが怖いのだ。

462●蹄鉄ころんだ シャーロット・マクラウド(高田恵子訳) 創元推理文庫 550円
  01/11/22 推理 
★★★★★

バラクラヴァ農業大学の応用土壌学教授のシャンティと妻のヘレンが金銀強奪事件に巻き込まれ,馬の蹄鉄が逆につけられ,美しい雌豚のベリンダが誘拐され,そして殺人が起こる・・・。ユーモアミステリーといったところであり,ほのぼのとした雰囲気が楽しめる作品だ。シャンティ教授シリーズの二冊目。

461●空漠の玉座 デルフィニア戦記4 茅田砂胡 中央公論社 857円
  01/11/16 ファンタジー 
★★★★★★

「なんてこった。オレ様は,王の血筋を引いてなかったのか。ガッカリ。あ〜あ〜あ。やんなっちゃうよ」とは考えない人格者ウォル。復讐に燃えて王都に乗り込んだウォルが知ったのは,やっぱりオレ様は王のムスコじゃ〜んってコト・・・。これにて,第一部「コーラル奪回編」は完結なり。

460●ゆらぎの森のシエラ 菅浩江 ソノラマ文庫 460円
  01/11/15 ファンタジー 
★★★

怖ろしい霧に覆われるキヌーヌの森。記憶の失われた鎧の怪物・金目は,少女シエラに出会う。その時から,金目は自らの主人に対して戦いを挑む・・・。イメージは,なかなか良いと思う。ただ,物語の筋立てに面白みがなく,後味として,結局単調感が残ってしまう。どう評価すべきか,少し迷ったが,少し厳しめかもしれない。

459●ファイアーエムブレム 紋章の謎4 高屋敷英夫 スーパークエスト文庫 550円
  01/11/10 SF 
★★

帝国皇帝ハーディンをやっつけた・・・。なんだか,ハーディンが可哀想になってしまった。

458●ファイアーエムブレム 紋章の謎3 高屋敷英夫 スーパークエスト文庫 550円
  01/11/10 SF 
★★

氷竜神殿で光のオーブを授けられたアルス。そして,帝国皇帝ハーディンの変貌の秘密を知る。次はグラへ・・・。登場人物は,めちゃくちゃ多い。正直,良く分からないくらいだ。ゲームには出てきたんだろうけど。

457●ファイアーエムブレム 紋章の謎2 高屋敷英夫 スーパークエスト文庫 550円
  01/11/10 SF 
★★

グルニア国をアカネイア帝国から解放したアルス達遠征軍。帝国打倒のための軍を編成しようと聖都カダインに向かう・・・。モンスターを倒して経験値を上げるゲームとしては,きっと面白いんだろうけど,小説として,軍記物としてはちょっとなぁ。なんだか,粗筋を読んでいるようだ。

456●ファイアーエムブレム 紋章の謎1 高屋敷英夫 スーパークエスト文庫 550円
  01/11/10 SF 
★★

かのドルーア戦争,そしてその千年後の暗黒戦争。その暗黒戦争で大活躍したアリティア王国の王子アルスに,アカネイア帝国皇帝ハーディンから命が下った。グルニア国反乱を討伐せよと。しかしそれは(誰しも予測がつくように),アカネイア帝国のワナだったのだ・・・。わ〜い。つまらないなぁ。すっごくつまらない。このファイアーエムブレムは,ゲームが元となっているのだが,小説として最低レベルに近し。と,言いつつも,RPG好きのボクは,読んじゃうんですよね。

455●星界の戦旗V 家族の食卓 森岡浩之 ハヤカワ文庫 560円
  01/11/9 SF 
★★★★★★

そして,ジントはハイド星系へ還る。ハイド伯爵として。そして,ジントが選んだ道は。<アーヴによる人類帝国>と<三カ国連合>との戦いは小康状態を迎えていた・・・。イイッ!いい作品。森岡氏が寡作家であるのもむべなるかな。こんないい作品はそんなに,ポンポン書けるもんじゃない。でも,このシリーズ,驚くべき人気である。不思議であるような,嬉しいような。

454●星界の戦旗U 守るべきもの 森岡浩之 ハヤカワ文庫 540円
  01/11/9 SF 
★★★★★★

受刑惑星ロブナスの領主代行を命じられたラフェール。しかし,管理者と受刑者の間の戦いが始まる。そして,ジントは受刑者側の捕虜となり・・・。良作ですね。この<星界シリーズ>って。 このような優れたスペース・オペラを読めることは本当に幸せだ。

453●白亜宮の陰影 デルフィニア戦記3 茅田砂胡 中央公論社 857円
  01/11/4 ファンタジー 
★★★★★★

養父フェルナン伯を救うため,コーラルに潜入するリィ。しかし,フェルナン伯は死に,ウォルは国王の血を引いていないことを知る・・・。なんか暗くなってきた。でも,リーはちゃんとお約束の水浴びをしたので良しとしておこう。

452●黄金の戦女神 デルフィニア戦記2 茅田砂胡 中央公論社 857円
  01/11/2 ファンタジー 
★★★★★★

国を追われたデルフィニア国王ウォルは,少女?リーと共に,奪われた王座を奪回するため,同士を集めつつ首都コーラルへ・・・。ずいぶん,久しぶりである。第1巻を読んでから。思い出すために,また第1巻から再読してしまった。この巻では,リーの怪しい美少女ぶりがちょっと影を潜めた感じなのが残念。物語は単純明快に進む。理屈っぽいところが,この本の良質さを表す。

451●竜王戴冠6 ケーリエン攻防戦 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/10/30 ファンタジー 
★★★★★

ケーリエンで,ついにシャイドー・アイールと,アル=ソア率いるアイールの軍団が激突する。アル=ソアとエグウェーン,アビエンダは,櫓の上で稲妻を敵陣に投げつける。偽の<夜明けとともに訪れる男>クーラディンを倒したのは,マットであった・・・。

450●竜王戴冠5 勇者ビルギッテ ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/10/30 ファンタジー 
★★★★★

スケベ心でいっぱいの竜王アル=ソア。まずは,アビエンダを己の欲望の毒牙にかけ,さらに,三人を妻とするという予言を思い出し,ウシシと笑うのであった。夢の世界で,闇セダーイのモゲディーンに襲われるナイニーヴ。彼女を救ったのは勇者ビルギッテであった。しかし・・・。ついに,この巻で,アル=ソアは,エロ=ソアと改名する。

449●美貌戦記 青木弓高 集英社スーパーファンタジー文庫 450円
  01/10/28 ファンタジー 
★★★

美貌を食す魔族ディラン。そして,ディランの魔に食欲をそそられたエリスの戦いが始まった・・・。青木弓高氏の処女作。あのなんともいえないエロティックな雰囲気は,殆どまだ見られない。残念。駄作の部類なり。

448●覇竜の神座VOL2(BURAI外伝) 飯島健男 スーパークエスト文庫 550円
  01/10/25 ファンタジー 
★★★★

そして,左京は,精神的呪縛を断ち切って,見事,暗黒世界の下っ端をやっつけたのであった・・・。ホントは,もっと続く予定だったんだろうなぁ。この作品。そうそう,BURAI正伝は,まさしく本物。全10巻。隠れたる傑作だと思う。スーパークエスト文庫なんて,マイナーな文庫で,しかも,全10巻のわりに,古本屋でのゲット率は高い。結構,知る人ぞ知る作品なのだ。

447●覇竜の神座VOL.1(BURAI外伝) 飯島健男 スーパークエスト文庫 550円
  01/10/25 ファンタジー 
★★★★

惑星ミュールの圧政に苦しむ少女の願いで,降臨した竜神・幻左京。しかし,それは暗黒世界の罠であった。左京は暗黒世界の捕らわれの身となり,彼を追って,天界十六神の獣神(獅子王)と女神(蓮花姫)が少年少女となって暗黒世界へ・・・。昔,ボクがゲームが大好きだった頃のお話。BURAIというロールプレイングゲームがあった。戦国時代の妙なゲームだったのだが,ボクが夜も寝ないで昼寝しながら,これをプレイしていたのであった。マスを前後左右に動いて,「忍者が現れた!」って,戦いになるやつ。すごく,面白かったんだよ〜

446●冥界の門 エルフの星(下) M.ワイス&T.ヒックマン(嶋田洋一訳) 角川文庫 600円
  01/10/21 ファンタジー 
★★★★★

超魔法を操るサータン族は破れたパトリン族を迷宮に追放し,さらに,サータン族は世界を4つに分けたのである。空(第一部・アリアヌス)・火(第二部・プリアン)・水・石の世界に。何千年もの死闘の末,冥界の門から脱出したパトリン族は,サータン族に復讐するため,一人の斥候パブロを送り出した。謎の巨人タイタンに壊滅させられた世界を脱出した一行は,魔法使いズィフナブの導き?で空へ向かう・・・。

445●冥界の門 エルフの星(上) M.ワイス&T.ヒックマン(嶋田洋一訳) 角川文庫 600円
  01/10/18 ファンタジー 
★★★★★

ハブロが次に派遣されたのは,炎の世界プリアン。エルフの青年で武器商人のパイザンは,人間のローランド,レガの兄妹と出会い,気まぐれに共にドワーフの地に赴くことになったが,それで知ったことは世界の破滅の足音であった・・・。前作とは,うってかわって明るい雰囲気の作品だ。なんか,別な小説みたい。

444●冥界の門 ドラゴンの翼(下) M.ワイス&T.ヒックマン(嶋田洋一訳) 角川文庫 520円
  01/10/13 ファンタジー 
★★★★★

エルフの水船を乗っ取った彼らは,<神秘の支配者>の地へ向かう・・・。うーん。主人公と思われた人物が死んで,最後にハブロが表に出てくるとは。それにしても,よく分からない複雑な作品だなぁ。まだ第一部完だから,先は長い。

443●冥界の門 ドラゴンの翼(中) M.ワイス&T.ヒックマン(嶋田洋一訳) 角川文庫 520円
  01/10/13 ファンタジー 
★★★★★

殺し屋ヒューは,王子ベインが高領域の<神秘の支配者>の息子であったことを知る。そして,侍従長アルフレッドも謎めいた一面を見せる。低領域のドレヴリンでは,ゲグ(土ワーフ)の革命家リムベックが,不思議な神と犬を助けた。その神は,<冥界の門>を抜け出し,サターン族に対する復讐を誓うパトリンの尖兵ハプロであった。そして,ドレヴリンで,ヒューとハプロ,リムベックたち登場人物が集う・・・。なんだか複雑だなぁ。こんな粗筋の書き方じゃ,全然分からないですよね。でも,傑作のニオイがプンプンしてるのだ。

442●冥界の門 ドラゴンの翼(上) M.ワイス&T.ヒックマン(嶋田洋一訳) 角川文庫 500円
  01/10/11 ファンタジー 
★★★★★

このシリーズを揃えるのは ,ずいぶん長い時間がかかった。角川文庫の海外ミステリーシリーズ。今は存在しない。その中でも,冥界の門全7巻は,巻数が多いだけに入手難易度が高かった。物語は,アリアヌスの不思議な世界から始まる。ドラゴンランスシリーズを書いたM.ワイス&T.ヒックマンの作。あの超傑作”熱砂の大陸”を越えられるのか,実に楽しみである。

441●華胥の幽夢(十二国記) 小野不由美 ホワイトハート文庫 650円
  01/10/6 ファンタジー 
★★★★★

十二国記初の短編集。一側面を描いた小品揃いという印象だ。あんまり短編集には向かないのかな?やっぱり,十二国記は,大作で読みたいものだと思う。”図南の翼”以降,少々作品の濃さというか,質が落ちているような気がしてならない。

440●竜王戴冠4 青アジャの砦 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/9/9 ファンタジー 
★★★★★

元アルナミン位のシウアン・サンチェは,ついに青アジャの砦を発見する。そして,彼女達を追ってきた元アンドール王国軍の総大将ガレス・ブラインもまた。白い塔に反する勢力が生まれた・・・。毎月1冊の発刊日が,待ち遠しいのです。

439●竜王戴冠3 旅の大道芸人 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/9/9 ファンタジー 
★★★★★

白い塔から姿を消した青アジャ達の集結地を探して旅をするナイニーヴとエレイン。シャドーアイールを追うアル=ソア達は,全界の背骨を越えようとする。アンドール王国のモーゲイズ女王は,闇セダーイに対し,権力奪取を決意する・・・。

438●力の言葉3 荒れ狂う海 上 デイヴ・ダンカン(関口幸男訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/9/8 ファンタジー 
★★★★★★★

嵐の踊り子号の本拠地はガルクの領主カラコルに襲われ,ラップは,船長のガドモルと共に捕虜となる。カラコルの手から逃げ出すラップ達。皇帝アザクと共に逃げ出したイノスは,皇妃ラジャの手のものに捕らえられる・・・。久しぶりに見つけた力の言葉シリーズ。やっぱりいいですヨ。なんか,逃げたり捕まったりばかりのような気がします。これ。さて,ずいぶん久しぶりの読書館となる。書いてないの,ずいぶんたまっちゃった。少しづつでも書いていこっと。

437●新・魔界水滸伝 銀河聖戦編4 栗本薫 角川文庫 560円
  01/7/31 SF 
★★★★★

謎のキノコの怪生物<エネミア>によって,カンディングラスの銀河騎士団はほぼ全滅。竜二のマインドコントロールを解いた雄介は,驚愕する。セイヤが・・・。あれれ?もしかして,新魔界水滸伝ってここまでなのかなぁ。探しても,5巻以降が全然見あたらないのだ。グスン。早く続きを読みたいなァ。まだまだ銀河聖戦編は,本稼働していないハズだ。

436●新・魔界水滸伝 銀河聖戦編3 栗本薫 角川文庫 520円
  01/7/31 SF 
★★★★★

惑星カンディングラスに現れて原住民を第一帝国に反逆するように扇動する映像の人物。それを見た瞬間,雄介は叫んだ。東海竜王・弟の竜二だ・・・。

435●乱世、夢幻の如し 下 津本陽 講談社文庫 640円
  01/7/30 歴史 
★★★★★

三好長慶の下で勢力を増し,主殺し・将軍恣意逆により天下を窺う松永久秀だったが,織田信長という強大な敵が立ち塞がる・・・。ここらへんになると,結構分かる。上巻の方が好きだったなぁ。やっぱり結果(特にアンハッピーエンド)の分かった小説を読むのは,少しつらい。

434●新・魔界水滸伝 銀河聖戦編2 栗本薫 角川文庫 520円
  01/7/30 SF 
★★★★★

安西雄介の底知れぬ力に震撼した第1宇宙伯ライディンと観相者シルフィンは,雄介を密かに抹殺することを主張する。第一帝国内の銀河の各地で機械が異常な行動を取りだした・・・。

433●刻迷宮U 高橋克彦 徳間書店 838円
  01/7/28 SF 
★★★★

総司が今度赴いたのは,中国は殷の時代。しかーし。さらに未消化っぽいのじゃ。うーん。ギリシャ時代のやつで,もっと続けてくれれば良かったのに。この作品は,さらに続くようになっているが,残念ながらこれで,中止になっているようだ。あんまり出来が良くないからかなぁ。

432●刻迷宮 高橋克彦 徳間書店 857円
  01/7/28 SF 
★★★★★

ミケーネを発掘したシュリーマンは,そこにあってはならない金時計を発掘した。沖田総司は,歴史を正すために,アンネ・フランクとマタハリと共に,古代ギリシャに蘇る・・・。うん。ギリシャ神話に関しては,なかなか参考になる。でも,高橋克彦氏の作品にしては,どうも未完成のきらいがある。せっかく,舞台はすばらしいのに,もったいないのだ。

431●目ざめよ<能力者>! ダグラス・ヒル(安野玲訳) 教養文庫 640円
  01/7/28 ファンタジー 
★★★★★

少年ジャーラルは,自分の住んでいた小さな村をメフティク皇子に全滅させられ,皇子に戯れで毒の刃により,1ヶ月の命を宣告される。なぜか,魔法使いクリルは,能力者達に少年を救うことを命じ,そして,彼らは適地メフティク皇子が待つ街へ赴く・・・。ロールプレイングゲーム盛んなりし時代に出版された本の一冊。アドベンチャー&ファンタジーシリーズのひとつだ。もはや,入手難易度が高いです。

430●73光年の妖怪 フレドリック・ブラウン(井上一夫訳) 創元SF文庫 450円
  01/7/27 SF 
★★★★★★

73光年の彼方からアメリカの片田舎に追放された知性体。肉体は亀のように無力だが,恐るべきは自由に生物に乗り移り,支配することが出来る。そして,その地方では人間や動物が自殺するという現象が起こりだした。それに注目したのが,一人の天才的物理学者。知性体と科学者の虚々実々の知恵比べが始まる・・・。ボクは,こういう作品に弱いんだよなぁ。書かれた時代からして,古めかしい感じはするけれど,すばらしく面白く,胸がドキドキする作品だと思う。科学者と中年の女教師のペアでの戦いというのも,さすが。お見事だと思うんだ。ロマンスはないけど,なんかいい感じだ。

429●神界の異端者 エスパー・コネクション1 清水義範 ソノラマ文庫 370円
  01/7/25 SF 
★★★★★

高校を卒業した伸介は,暗い記憶しかない故郷の町を捨て東京へ。小さな印刷屋で働きだした彼は,白神党と黒光党というエスパーの集団が神話の昔から戦い続けていることを知る・・・。いいなぁ。こういう作品。いかにも昔ながらのジュナイブルSF風で,懐かしい感じがする。超能力の種類が「時渡り」とか「闇塗り」とか,異質な感じがすること,二つのエスパー集団の考え方の違いが,目新しい。

428●新・魔界水滸伝 銀河聖戦編1 栗本薫 角川文庫 520円
  01/7/24 SF 
★★★★★

銀河歴2501年。銀河は,<機械の王国>と呼ばれる第一帝国と,超能力を持つ非人間による第二帝国が覇を競っていた。第一帝国のパトロール船は,宇宙空間に漂うヒューマノイドを発見。それが遙かな時を越えた安西と加賀であったとは・・・。まさかの展開の第3部。期待できそう。

427●乱世、夢幻の如し 上 津本陽 講談社文庫 640円
  01/7/22 歴史 
★★★★★

室町幕府末期。公方御庭者の久四郎(後の松永久秀)は,混沌とした畿内の情勢をたくみに乗りつつ,阿波の三好長慶の懐に飛び込み,次第にのし上がっていく・・・。歴史小説物で,下克上の代表者のような松永久秀が主人公とは実にめずらしい。信長や信玄,正宗等と比べ,人気のない素材を取り上げたこの作品。実に興味ある。

426●家政婦は見たかもしんない スレイヤーズすぺしゃる12 神坂一 富士見ファンタジア文庫 480円
  01/7/21 ファンタジー 
★★★★

盗賊団の隠れ家の疑いのある豪邸に潜入捜査を依頼されたリナ。しかし,そこで出会ったのは,先輩メイドとして雇われていた仇敵・白蛇のナーガだった。そして,二人の料理・洗濯・ベッドメイキングの戦いが・・・あれ?違った・・・。

425●デモン・スレイヤーズ! 神坂一 富士見ファンタジア文庫 480円
  01/7/21 ファンタジー 
★★★★

魔物にサイラーグへ誘われるリナ&ガウリイ。そこには,赤眼の魔王シャブラニグドゥとの対決が待っていた・・・。シリーズ第二部完結。「すぺしゃる」版より,本編の方がいいなぁ。どっちかって言うと。

424●ホーンテッド・ナイト? スレイヤーズすぺしゃる14 神坂一 富士見ファンタジア文庫 480円
  01/7/20 ファンタジー 
★★★★

魔導士リナ・インバースの冒険・・・。あんまり粗筋を書く気がしないけど,道に迷って扉を叩いた一軒の屋敷。そこには怪談好きのメイドがいて・・・。まあ,月刊ドラゴンマガジンに連載していた短編集だ。昔,この雑誌。読んでいたことがあるんだよなぁ。RPG盛りの頃。今でもあるんだろうか。

423●黄昏の岸 暁の天 下 小野不由美 ホワイトハート文庫 530円
  01/7/18 ファンタジー 
★★★★★

戴国は,偽王により,日ごと荒れていった。陽子の呼びかけにより,雁国をはじめとする諸王と麒麟達が立ち上がり,泰麒を異界から救い出す。そして,泰麒と李斎は,二人戴国を目指す・・・。うん。この上下巻は,次の本編のプロローグに過ぎなかったと思う。続巻が待ち遠しい。

423●黄昏の岸 暁の天 上 小野不由美 ホワイトハート文庫 530円
  01/7/18 ファンタジー 
★★★★★

戴国乱れる。叛乱を鎮圧に赴いた泰王は,戻らず。そして,泰麒は虚海を越えてしまった。戴の将軍李斎から助けを求められた景王・陽子は・・・。新潮文庫の「魔性の子」と裏表の関係にある作。十二国記としては,ちょっと今までと違う感じを受ける。感動が・・・。もちろん,十二国記だからこそ,期待も大きすぎるのだが。それでも良作には違いなし。

422●新版 指輪物語 二つの塔 上1 J・R・R・トールキン(瀬田貞二・田中明子訳) 評論社 650円
  01/7/17 ファンタジー 
★★★★★★★★★★

ボロミアの死。オークにさらわれたメリーとピピンを助け出そうと,昼夜兼行で後を追いかけるアラゴルン達。オーク達は,ローハンの騎士に壊滅させられ,メリーとピピンは,ファンゴルンでエントと出あい,そして,大きな役割を担うこととなる。二人を追いかけていたアラゴルン達は,小さき人の代わりにガンダルフと再会する。折しも,ローハン谷で合戦の煙が上がった・・・。非常に勢いのある巻。主人公フロドとサムは出てこないが,物語の幅は,これから大きく広がっていく。

421●怪盗ジバコ 北杜夫 新潮文庫 360円
  01/7/16 ユーモア 
★★★★★★★

48を越える言葉を自由にあやつり,老若男女どんな姿にも変わることができ,その正体は誰も知らない怪盗ジバコ。女に凄腕で,弱きを助け強きをくじく,そんなジバコが一人の少女と出会った。そして,ジバコらしくあるために裸一貫やり直すことを決意したジバコ。ある夜,単身やすり一本でエッフェル塔を丸ごと盗もうとする怪盗の姿があった・・・。この連作短編集,大傑作だと思う。ボクが愛してやまない作品なのだ。北杜夫氏のベスト(さびしい王様よりも!)であり,日本ユーモア小説界のベストでもあるかも知れない。是非とも一読を勧めたい。

420●新版 指輪物語 旅の仲間 下2 J・R・R・トールキン(瀬田貞二・田中明子訳) 評論社 650円
  01/7/11 ファンタジー 
★★★★★★★★★★

モリアの闇で,ガンダルフを失った指輪の仲間たち。ようやく黄金の森ロスロリアンにたどり着いた一行は,エルフ達の暖かい歓迎を受ける。そして,ロリアンとの別れ,出発の時がやってくる。銀筋川から大河を下る一行。そして,西に向かいゴンドールを目指すか,東へ,指輪を滅ぼすために恐怖と影の地に行くか決める時がやってきた。フロドはひとり,自分の決意を決めようしたが・・・。指輪の仲間たちの別離。ようやく,新版を手に入れた。やっぱり,指輪物語は傑作である。文句なし。☆10個である。

419●ブラックホールの彼方で アポロンの剣闘士U 若桜木虔 コバルト文庫 320円
  01/7/11 SF 
★★★★

六つの天に向かって,新妻ノエラと共に宇宙空間に飛び立ったアランだったが,悪魔族の宇宙戦艦の追撃を受けて,ようやくの思いでとある惑星に不時着した。その惑星で,盗賊団に襲われたソビエトの移民団を助けようとしたアランは・・・。ちょっと強引な作品かなぁ。神を信じない移民団は,その罰として盗賊の略奪・暴行を受けるとか。アランの仲間が,どんどん結婚しちゃうとか。でも,若桜木虔氏のオリジナル作品って,妙にエロティックで,そこがなんとなく好きなのだ。

418●星界の戦旗T 絆のかたち ハヤカワ文庫 森岡浩之 540円
  01/6/17 SF 
★★★★★★

三年後。<人類統合体>に制圧された星々を奪い返すため,大規模な作戦行動が始まろうとしていた。その中に,小さな一隻の突撃艦があった。ラフィールが指揮し,ジントが乗り込む艦が・・・。いい。こういう作品を読むと,日本SFって,捨てたもんじゃないなぁと思う。海外に翻訳されても,十分人気が出るに違いないのだが,欧米じゃ,日本SFなんて,ウンコだと思っているからね〜

417●富嶽要塞ver1 2北陸戦線異状あり 荒巻義雄 中央公論社 857円
  01/6/27 SF 
★★★

コード2030の世界。ミズホ(旧列島軍)防衛会議議長の大和太郎は,グダグダと埒もないことを考えている・・・。で,おわり。このシュミレーション戦記ものにおいて,本来記憶があるべきではないコーヒーの歴史がどうの,風水がどうの。ただ単に筋が思いつかないため,余談に走っているような印象。最近の荒巻氏って,こうなっちゃったんですよね〜。し・か・も!解説が,本の三分の一ですぞ。やれやれ。

416●阿蘇要塞1995 5九重高原最終決戦編 荒巻義雄 中央公論社 750円
  01/6/25 SF 
★★★★

持てる極東兵力の全てをづぎこむスミノフ軍の猛攻。対する列島軍はシンガポールを攻略し,敵上陸軍の補給を絶つ・・・。阿蘇要塞全5巻お仕舞い。シュミレーション戦記としては,なかなか優れものだと思うのだ。最近の荒巻氏の作のひどさを考えると,この頃の作品の優れたさまが際だつ。

415●阿蘇要塞1995 4レイテ海戦編 荒巻義雄 中央公論社 750円
  01/6/25 SF 
★★★★

比島起きに進出した海中戦艦艦隊は,マニラ湾に集結するスミノフ艦隊に奇襲をかける・・・。なんだか,とても粗筋を書くのがおっくうだなぁ。読んでみると,まずまず面白いんですヨ。これマジ。

414●阿蘇要塞1995 3九州島侵攻編 荒巻義雄 中央公論社 730円
  01/6/25 SF 
★★★★

スミノフのヴェルヌ砲による砲撃が福岡の街を猛射する。そして,メカロイド軍団をはじめとする機甲師団が九州島を侵攻した・・・。

413●阿蘇要塞1995 2対馬要塞争奪編 荒巻義雄 中央公論社 750円
  01/6/25 SF 
★★★★

四国島徳島がスミノフ軍に空襲さる。無防備な太平洋側に現れた潜水空母。さらに,スミノフPSY作戦本部は・・・。

412●阿蘇要塞1995 1電脳要塞覚醒編 荒巻義雄 中央公論社 750円
  01/6/24 SF 
★★★★

虚無の世界に覚醒パルスが走り,またも不可解な戦場世界が広がる。今回のコードは,阿蘇要塞を中心に,韓半島のスミノフ軍と対峙している状況。そして,ゲームは開始され,敵装甲重爆撃機ウランバートルの侵攻が始まった・・・。ニセコ要塞1986,十和田要塞1991に続く要塞シリーズである。主人公は兵器。不思議な世界だ。

411●星界の紋章V 異郷への帰還 ハヤカワ文庫 森岡浩之 500円
  01/6/18 SF 
★★★★★★

惑星クラスビュールで,<人類統合体>に追われるラフィールとジント。いつの間には,ジントはラフィールを守る立場になっていく。そして,アーヴの艦隊の反攻が始まった・・・。決して,主人公達の行動が宇宙の未来を変えるようなことはない。アーヴの艦隊は勝つべくして勝ち,そして,ジントの故国ハイド伯国は<人類統合体>の手に落ちる。物語の前章といったところだろうか。いかにも,<アーブによる人類帝国>の魅力的なこと。おそらく,ローマ帝国を頭において創造したのではないだろうか。

410●魔性の子 小野不由美 新潮文庫 552円
  01/6/17 ホラー 
★★★★

母校で教育実習を行うことになった広瀬は,不思議な生徒に注目した。彼・高里をいじめた者は,不慮の事故に次々とあい,そして次第にエスカレートしていく・・・。十二国記につながる作品として,重要な位置づけを占める本。しかし,その分,未消化ぶりがどうにも気になってしまう。ホラーとしては,妙にリアリティが弱いし,ファンタジーとしては,どうにも中途半端。まあ,十二国記と考えなければいいのかも知れないが。

409●創竜伝12 竜王風雲録 田中芳樹 講談社 780円
  01/6/16 ファンタジー 
★★★★

中国は宋の時代に降り立った西海白竜王は,長兄を捜して五仙と共に,ウドン早食い競争をする・・・。だんだんと,創竜伝にパワーがなくなって来たような気がする。結構,好きなシリーズのハズなのだが。評価の低さは,下の”モンゴルの残光”を読んだすぐ後のせいもあるだろう。

408●モンゴルの残光 豊田有恒 ハヤカワ文庫 320円
  01/6/15 SF 
★★★★★★

成吉思汗紀元811年。世界は,蒙古帝国が支配する黄人達の天下だった。下層階級にあった白人のシグルトは,黒耶蘇の結社に身を投じ,タイムトラベルを決行する。蒙古帝国中興の時代へ。歴史を変えるために!そして,星ト剣と名乗った彼は,臣として,武宗・仁宗皇帝に仕えるうちに・・・。思わぬ名作。悠久の歴史を感じる日本SFの傑作である。ラストが実に美しい。

407●魔界水滸伝20 栗本薫 角川書店 700円
  01/6/10 SF 
★★★★★★

ユゴスの混沌の海に沈む多一郎。しかし,謎のタナトス生命体がユゴスを襲う。ハイドラが,ダゴンが次元蟻に食い尽くされ,そして,クトゥルーまでもがユゴスも守らんと消滅する。そして,ユゴスから生誕する108の光。襲いかかるタナトス生命体から光を守らんと,雄介達は虚無の海のもくずと消えていった・・・。なかなか希に見る傑作だった。この後,外伝(かなり落ちる),新魔界水滸伝と続いていく。次は新魔界を読むこととしようか。

406●魔界水滸伝19 栗本薫 角川書店 700円
  01/6/10 SF 
★★★★★★

全ての生命の発祥の地ユゴスで,雄介,竜二,加賀,風太,茨木,そして多一郎は出会う。人界と魔界の絆は跡切れ,時間流,次元流すべての摂理は無と化した。そして,ユゴスに多一郎が見たものは・・・。

405●旋風のカガリ 3 吉岡平 富士見ファンタジア文庫 520円
  01/6/10 ファンタジー 
★★★★

サキホの命運は。そしてカガリの命運は・・・。ああっ。ますます物語はグチャグチャに!なんだか,粗筋を書きづらいなァ。これはこれで,いいような気がしてきましたけど。ただ,惜しいことに,(古本屋で)手に入ったのはこの三巻目までなのです。第四巻を読めるのはいつのことだろうか?

404●旋風のカガリ 2 吉岡平 富士見ファンタジア文庫 520円
  01/6/10 ファンタジー 
★★★★

大王ヤガシラが暗殺される!激動のサキホをさらに,海を越えて征服にやってきたグラン・リタニア軍が襲う・・・。なんだか,物語が渾然としてきた。どうも,フェルディナンド一統が,せっかくのいい物語のジャマをしてるような気がするんだよな〜

403●旋風のカガリ 吉岡平 富士見ファンタジア文庫 560円
  01/6/10 ファンタジー 
★★★★

日本の古代世界にも似た場所。カガリは,大国サキホの13番目の皇子として,絶望的に小さな部隊を率いて隣国ヤイソを攻めていた。次の大王の継承権をめぐって,皇子達のさまざまな思惑が・・・。13人の皇子のかき分けがバツグンにうまい。さすがはあの”宇宙一の無責任男”シリーズの吉岡平である。続きが早く読みたい。

402●花の影 水の月(妖怪寺縁起1) 冴木忍 角川スニーカー文庫 480円
  01/6/10 ホラー 
★★★

妖怪供養を看板にする通称「妖怪寺」。その住職の長女綾乃が妖怪供養に赴いた先で行方不明になる。捜査に向かった弟の蔵人と仁巳達だったが・・・。まあ,まあの良作と言ったところ。リアリティがあるべき設定において,今ひとつリアリティが足りないのが,ホラーになりきれない理由だろう。

401●魔界水滸伝18 栗本薫 角川書店 700円
  01/6/5 SF 
★★★★★

魔界が消えて行く。不二の宮が。葛城の宮が。高千穂の宮が。雄介は,いくつもの次元を転移する。スサの王として。シッダールタ王子として。ジーザスとして。絶叫は常闇の虚空に彷徨し弾けた・・・。ボクの好きな魔界は消えちゃうし。これからこの物語はどうなっちゃうんだろう?多一郎が月で,クトゥルーにとっつかまったのが,いけないんだよな〜。ここが物語のターニングポイントになってしまった。


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