「読書館」は,毎日読んだ本について手当たり次第書こうという計画です。すぐいっぱい貯まっちゃうと思うので,デザインは軽くいこうと思います。
 ★10個でオススメの満点です。

401番以降へ


400●魔界水滸伝17 栗本薫 角川書店 700円
  01/6/5 SF 
★★★★★★

惑星ルイイエで,気の狂った多一郎と雄介が激突した!超エネルギー体とブラックホールが。その宇宙的なエネルギーの爆発で魔界と人界は遊離し始める。そしてみづちの祖母・礼津は・・・。いやった〜!400冊読破である。ずいぶん時間がかかったのう。

399●魔界水滸伝16 栗本薫 角川書店 700円
  01/6/5 SF 
★★★★★★

次元回廊を通ってたどり着いた世界。それは惑星カダス,意志も知性も奪われて黒メノウの城の中に閉じこめられているアザトートの世界だった・・・。

398●魔界水滸伝15 栗本薫 角川書店 680円
  01/6/2 SF 
★★★★★★

次元回廊を探して魔都・破里(パリ)に向かった安西雄介たち。ダーク・サイドの跋扈する破里を支配していたのは,謎の魔界王と名乗る人物だった・・・。魔界水滸伝もずいぶん読みまくっているなぁ。後,5冊。

397●魔界水滸伝14 栗本薫 角川書店 700円
  01/6/2 SF 
★★★★★★

クトクルーの罠にはまった多一郎。それを救うべく,知将・加賀四郎は,先住者の一方の雄・火の民のいる高千穂の宮へ。一度もダーク・サイドと戦うことなく,内部抗争で戦闘力を失ってしまったアーク。安西雄介は,地球軍を解散し,人間としてのやり方から決別することを決意す・・・。

396●魔界水滸伝13 栗本薫 角川書店 680円
  01/6/2 SF 
★★★★★★

アーク号を恫喝する月面のエリート人類達。同盟を組んだ地球軍のメンバーと北斗多一郎は,月面の敵基地へ飛んだ。一方,アーク号は,白人乗組員達がクーデターを・・・。この巻の冒頭部分は,実に見事!栗本薫の才能がいかんなく発揮された部分である。これを書きたかったんだなと,本当に分かるのだ。

395●魔界水滸伝12 栗本薫 角川書店 640円
  01/6/1 SF 
★★★★★★

大壊滅の日より,1年の時が流れた。しかし,オーストラリアには「人類戦線」が。月面には人類のエリート達が。太平洋上の潜水空母アークには,”地球軍”があった。ダークパワーに進行されつつある旧大陸に向かった多一郎は,サタンに出会った・・・。ヒヨー長いなぁ。でも,面白いです。いつまでも,続い欲しいと思えるシリーズである。

394●魔界水滸伝11 栗本薫 角川書店 640円
  01/6/1 SF 
★★★★★★

米大統領によるX−プロジェクト始動。それは,日本への最終核攻撃だった!北斗多一郎は,成層圏外で敵の首魁クトゥルーとの壮絶な一騎打ちを行い,壮絶な断末魔の悲鳴を上げた。そして,神州を守るべく,ICBMの全エネルギーを自らの身体で受けとめたた多一郎の祖母・礼津。魔界水滸伝・第一部巻!

393●魔界水滸伝10 栗本薫 角川書店 640円
  01/6/1 SF 
★★★★★★

ランド・シンドロームの特効薬を求めて,暴徒と化す群衆は,北斗科学を襲った。それが人類の首を自らしめることになると言うのに。北斗科学を脱出した伊吹涼は,暴徒に虐殺される。人類の世界は狂いだした・・・。

392●魔界水滸伝9 栗本薫 角川書店 640円
  01/6/1 SF 
★★★★★★

みずちの若長・北斗多一郎と,地這いの姫・藤原華子とのおぞましい婚姻。現実界と魔界とか同一化する”会”の時,先住種族の面々は葛城山に集まっていた。その時!・・・。

391●魔界水滸伝8 栗本薫 角川書店 640円
  01/6/1 SF 
★★★★★

禍津神一族,安西雄介を中心とした人類軍団は,巨大原子力潜水艦”アーク”に搭乗し,一方の勢力となる。東京は既にインスマウス達に,全市汚染され,クトゥルーの勢力は日本各地に拡大しつつあった・・・。

390●魔界水滸伝7 栗本薫 角川書店 640円
  01/5/27 SF 
★★★★★

不二の山,大噴火を起こす!東京は火の海となり,来日中の米大統領死す。先住者の中でも,みずちの長・北斗多一郎の一統と,火の民の若長・風太の一統の対立が明確になり,禍津神としての安西雄介の正体が明らかにされる・・・。

389●魔界水滸伝6 栗本薫 角川書店 640円
  01/5/27 SF 
★★★★★

人間が人間でなくなる!ランド・シンドロームを調べていたジャーナリスト・生島耕平は,北斗科学の研究所に潜入したが・・・。魔界水滸伝シリーズも,5・6巻と少し低調になっているような気がする。

388●魔界水滸伝5 栗本薫 角川書店 640円
  01/5/25 SF 
★★★★★

中国の遺跡発掘団は,アジアの西域で,謎の発掘作業をしていた。超能力者呉秀英は,怖ろしい予感を感じていた。何か怖ろしいことが起こる!そして,掘り出された宇宙船のようなものに入った発掘団のメンバーは・・・。

387●星界の紋章U ささやかな戦い 森岡浩之 ハヤカワ文庫 540円
  01/5/24 SF 
★★★★★★

フェブダーシュ男爵領を脱出したジントとラフィール。次に向かったスファグノーフ侯爵領は,既に<人類統合体>に占領されていたのだった。必死で身を隠す二人。そして,アーヴと人類統合体との銀河を二分する戦いは始まった・・・。いいっ。なかなかいいっ。古本屋を探し回った挙げ句,なんと新本で買っちゃったくらいですもの。これ。

386●魔界水滸伝4 栗本薫 角川文庫 460円
  01/5/21 SF 
★★★★★★

エジプトに旅立った雄介達だったが,古き者どもに乗っていた航空機を破壊され,からくも先住者の助けにより砂漠に降り立ったのであった。雄介達を待っていたのは,多一郎の魔の手。そして,砂漠の夜空には無数の翼あるものグングゾア。そしてその中にひときわ大きな怪物,ナイアルラトホテップが・・・。えーど。えーど!面白れーど。

385●魔界水滸伝3 栗本薫 角川書店 600円
  01/5/20 SF 
★★★★★★

葛城一族,北斗多一郎,双方の誘いを蹴った安西雄介は,古き者どもと戦うための自分自身の軍団を作ることを決意する。それもつかの間,軍師加賀四郎の強硬な忠告により,雄介は動くミイラを調べにエジプトへと・・・。だんだんと役者が揃ってきた。実はこの,魔界水滸伝。ずいぶんずいぶん昔(十年以上前)に読んだことがあるのだ。再読であるが,忘れた頃に読む傑作って,初回と同じくらい楽しめる。

384●魔界水滸伝2 栗本薫 角川書店 600円
  01/5/19 SF 
★★★★★★

安西と涼の元に転がり込んできた涼の弟,風太。家族の様子がおかしいと言う。東京近郊のその団地に向かった彼らが見たものは,住人がもはや人間ではない恐怖の街だった・・・。クトゥルー神話に題材を取ったものだが,お見事だ。古本屋で,ようやく3・4巻(ただし4巻は文庫版)をゲットしてきた。

383●魔界水滸伝1 栗本薫 角川書店 600円
  01/5/17 SF 
★★★★★★

「目覚めよ,古の者の裔よ」平凡な大学生伊吹涼にそう囁く美女。日本古来の妖怪たちが現代に蘇りつつあった。涼は,元革命の闘士安西雄介と出会う。そして,謎の一方の勢力ツァトゥグァが・・・。古本屋で,20巻(但し,3・4巻が欠)を900円でゲット。文句なし栗本薫の最高傑作。これから,楽しみだなァ。

382●星界の紋章T 帝国の王女 森岡浩之 ハヤカワ文庫 500円
  01/5/13 SF 
★★★★★★

惑星マーティンは,突如出現した強大な星間宇宙帝国アーヴに屈服した。政府主席の息子ジントは,アーヴの貴族であるハイド伯爵公子となる。彼は,帝国軍人を養成する修技館に入学するため,帝国巡察艦に乗艦するが・・・。うーん。久しぶりに文句なしの高評価。銀河帝国ものらしい深みのある壮大な物語。まさにセンス・オブ・ワンダーである。

381●霊柩車に乗った狙撃手 辻真先 光風社出版 720円
  01/5/12 推理 
★★★★

徳島の小さな新聞社の主幹が,妻殺しの濡れ衣を着せられ,そして殺された。そして,その町にやってきた謎の青年・・・。おお〜。良作だ。辻真先氏って,本当にいい小説を書いてくれる。複雑なプロットのスリルとサスペンス溢れる作品だと思う。ちょっと強引かもしれないけど。

380●カラワンギ・サーガラ 2虜囚の惑星 津守時生 角川スニーカー文庫 470円
  01/5/11 SF 
★★★★

神なる大樹(カラワンギ)に呼ばれるスーリヤ。そして,カラワンギと惑星マサラの秘密を知った時,彼女は・・・。うーん。なんだか書きづらいなぁ。あまり動きが少ない作品なのだが,なんとなく複雑である。さて,古本屋で手に入れたこのシリーズは,これでまたもタネ切れ。津守氏のシリーズって,いつも最終巻だけ手に入らないのである。

379●カラワンギ・サーガラ 1密林の戦士 津守時生 角川スニーカー文庫 500円
  01/5/10 SF 
★★★★

惑星マサラを訪れたスーリヤは,マサラ人保守派にさらわれてしまう。そう・・・マサラは,不思議な密林の未開世界。マサラ人進歩派と共に,彼女を救い出すべく,叔母アスカのチームは密林に踏み入れる・・・。この世界設定,かなり魅力がある。謎だらけのストーリーも良い。前作「喪神の碑」の宇宙を使っているが,まったくの別物。

378●白夜の弔鐘 田中芳樹 幻冬舎文庫 533円
  01/5/10 冒険 
★★★★★

傭兵組織の仲介で,ベーリング海峡ダムを過激派から守ることを依頼された古郷聖司。そして,過激派に妻を射殺されたKGBのマリノフ。二人の戦いが始まる・・・。良質の冒険スパイ小説である。田中氏初期の作品だが,非常に良し。スリリングでユーモアに溢れ,意外性がある。最近の作品より,ずっと力が溢れているような気がする。

377●真田太平記(七)家康東下 池波正太郎 朝日新聞社 1100円
  01/5/6 歴史 
★★★★★

上杉を倒すべく東下しようとする家康。その時,石田三成は・・・。この単行本版は,文庫版よりページ数が少ないのがやっと分かった。文庫版の8巻は関ヶ原の後からであるから,1巻分は違うみたいだ。5・6・7と続けて読んだが,ここらへんは低調である。

376●真田太平記(六)風雲 池波正太郎 朝日新聞社 1100円
  01/5/4 歴史 
★★★★★

秀吉没す!後を託した前田利家が死に,家康の策動が始まる。上田の真田本家と沼田の分家の道は分かれはじめる・・・。

375●真田太平記(五)秀頼誕生 池波正太郎 朝日新聞社 1100円
  01/5/4 歴史 
★★★★★

甲賀との戦いで傷ついたお江は,上田に向かって決死の脱出を図る。一方,秀吉は,朝鮮を討たんと全国の大名に発令し,自ら肥前名護屋へ向かった。そして,異国の地で日本の武士達は絶望的な戦いを繰り広げる・・・。物語は,暗い暗雲に包まれつつある。秀吉の死が見え隠れする編。

374●テングリ大戦 巻二 安彦良和 KADOKAWA FANTASY 760円
  01/5/3 ファンタジー 
★★★

悪のテングリによりさらわれた妹カチャルを救うため,ホロルは秦の末裔と殷の末裔の国との戦いに巻き込まれる・・・。半端に史実と関係してくるね。この小説。B級小説とすれば,できはいいのではないだろうか。

373●テングリ大戦 巻一 安彦良和 KADOKAWA FANTASY 760円
  01/5/3 ファンタジー 
★★★

中国なら漢の時代。天界を二分する戦いにより東西の天空神(テングリ)達は反目し合っていた。テングリの血を引くホロルは,タタル人により滅ぼされた部族の復讐に立ち上がる・・・。と言っても,結構軽い小説。それより,イラストの方に興味があるなあ。ガンダムファンとしてはね。

372●はだかの探偵 辻真先 双葉社 710円
  01/4/30 推理 
★★★

サウナにいつもいる布袋さまのような老人の名推理・・・。これはバロネス・オルツィの隅の老人のオマージュだろうか。どちらも基本的に安楽椅子探偵だが,最後に老人自身が事件に関わるってこととかね。思ったより説得力がないラストだった。

371●富獄要塞1 荒巻義雄 C・NOVELS 857円
  01/4/30 SF 
★★★★

要塞シリーズ第U期ついに開始!・・・と期待していたが,がっかり。荒巻氏は紺碧の艦隊シリーズ中盤あたりから,ちょっとヘンになっちゃって,こつまんない理屈をダラダラこねるようになったのである。まるで,ページ数をただ水増しするだかのように。それまでが血湧き肉躍る作品を生みだしていただけに,ファンとしてはガッカリし,また要塞シリーズ再開においても心配なところだったのだが,案の定,駄作と化していた。第T期は,本当に良かったんですヨ。ホント。

370●夢幻戦記8 総司西征譜 下 栗本薫 ハルキノベルズ 619円
  01/4/30 ファンタジー 
★★★★

200人もの浪士達と共に京都に向かう総司。しかし,スケベで男色の芹沢鴨は,総司の白いナヨナヨした身体を我がものにせんと執拗に狙う・・・。これにて手に入った夢幻戦記はオシマイ。まあ,面白いですけど,やっぱりいまひとつかなぁ。このシリーズ。ちょっとかったるいです。

369●超弩級空母ヤマト4 奥田誠治・三木原彗一 歴史群像新書 780円
  01/4/28 歴史シュミレーション 
★★★★

ちょっと前に電車で読んだ本の滞貨一掃セール。本は,カバーを残して,電車のゴミバコに捨てちゃっていたのである。これで,片づいたゾ。

368●超弩級空母ヤマト3 奥田誠治・三木原彗一 歴史群像新書 780円
  01/4/28 歴史シュミレーション 
★★★★

ヨーロッパ戦線じゃ〜・・・。

367●超弩級空母ヤマト2 奥田誠治・三木原彗一 歴史群像新書 780円
  01/4/28 歴史シュミレーション 
★★★★

フィリッピンでマッカーサーをケチョンケチョン・・・。

366●超弩級空母ヤマト1 奥田誠治・三木原彗一 歴史群像新書 780円
  01/4/28 歴史シュミレーション 
★★★★

大和が戦艦ではなく,空母だったら・・・。一時期ドサタリ出たIf戦記物だが,結構出来がいい方だ。

365●夢幻戦記7 総司西征譜 上 栗本薫 ハルキノベルズ 619円
  01/4/28 ファンタジー 
★★★★

総司と試衛館の一行は,浪士隊に取り立てられ,公儀の警護のため京都に向かうことになる。しかし,総司の白くてショタコン系の身体を狙う芹沢鴨(ホントはガマガエル系化物)の魔の手が心配されるのだ・・・。

364●夢幻戦記6 総司夢幻行 下 栗本薫 ハルキノベルズ 619円
  01/4/26 ファンタジー 
★★★★

強敵サキ・ローランドを退けた総司は,自らの正体をちょっぴり知っちゃう・・・。なんだか思ったよりはすごくないなぁ。期待させたほどには。魔界水滸伝あたりと比べると,どうにも単調である。面白くないってわけじゃ決してないんだけど。

363●夢幻戦記5 総司夢幻行 上 栗本薫 ハルキノベルズ 619円
  01/4/26 ファンタジー 
★★★★

井伊大老が暗殺され,激動の幕末が始まる。身体の具合が思わしくない総司は,斎藤一に連れられお祓いに高尾山へ向かう・・・。

362●夢幻戦記4 総司斬月剣 下 栗本薫 ハルキノベルズ 619円
  01/4/24 ファンタジー 
★★★★

これ以上,美少年になりようもないと思われた総司だったが,今度は胸を病んでいたのが判明した。美少年として,もはや完璧である・・・。栗本薫の最近の小説の悪いところが出てきている。独白が長い。セリフが長い。とにかく薄く引き延ばしている。

361●夢幻戦記3 総司斬月剣 上 栗本薫 ハルキノベルズ 619円
  01/4/24 ファンタジー 
★★★★

17歳になった総司は,ますます美少年になった。試衛館道場にやってきた道場破り,斎藤一。ネバネバした清河八郎・・・。なんとなく,栗本薫の美少年趣味の業の深さを感じ入った。

360●夢幻戦記2 総司地獄変 下 栗本薫 ハルキノベルズ 619円
  01/4/24 ファンタジー 
★★★★

9歳だった総司は,16歳の臭うような美少年剣士に成長していた。ムフフ・・・。って,ムフフって何よ?総司を襲う悪夢。地震。伝染病。そして,土方歳三との出会い。なんだか物語の動きがニブいのう。

359●夢幻戦記1 総司地獄変 上 栗本薫 ハルキノベルズ 619円
  01/4/23 ファンタジー 
★★★★

沖田総司は,自分が他の子供とは違うことをなんとなく感じていた。9歳の彼は,身体を丈夫にするために天然理心流試衛館道場に入門することとなった・・・。ふむ。これはやよい小説に違いないゾ。それにしても,このハルキノベルズ。あの部下を麻薬運び人にした容疑て逮捕された角川春樹氏のだ。もう出版界に復帰したんですね。なんだかちょっとイヤだなぁ。

358●かもめのジョナサン リチャード・バック(五木寛之訳) 新潮社 600円
  01/4/23 小説 
★★★★

その時〜一羽のかもめ〜が〜飛んだ!・・・1974年発刊。もう27年も前だ。爆発的に売れたんですよね。明るく積極的。未来を信じるかもめのジョナサン。かもめはパンのみで生きるのあらず。あの頃,この本が売れた原因がなんとなく分かる。でも今は・・・そんな時代じゃないのだ。

357●美しき黄昏のパバーヌ(戦国魔神ゴーショーグン番外編2) 首藤剛志 アニメージュ文庫 390円
  01/4/22 SF 
★★★

時空をさまよう真悟たちゴーショーグン・チームの6人が現れたのは,15世紀はイタリアのフィレンツェ。そこは豪華王ロレンツィオ・デ・メディチ治めるルネッサンス絶頂期のフィレンツェだった。しかし,そのルネッサンスも既に翳りが・・・。昔むか〜し。戦国魔神ゴーショーグンというロボットアニメを見ていたのは,遠い昔だった。そして,小説化され,これが第8巻・・・最初の1巻でゴーショーグンがサバラスと共に消えて以来,哀れな真悟たちは,時空を彷徨いっぱなし。この8巻で,小説版ゴーショーグンシリーズは,静かに(知られることなく)幕を閉じることになる。だって,これ,もう10年前に発刊されて,その後は出てないですもの。

356●フィラルの戒厳令 喪神の碑4 津守時生 角川スニーカー文庫 470円
  01/4/21 SF 
★★★★

ウロボロスの暗躍で新銀河連邦創設−銀河は分裂し,そしてまた,ウロボロス内部もまた。あと数ヶ月の命となったマリリンの進むべき道は・・・。ふ〜。良作であった。実は,第5巻最終話となるのだが,古本屋になかったので,ここまでなのだ。最終巻を見つけるまでまた長いことかかりそうです。

355●カイユの封印 喪神の碑3 津守時生 角川スニーカー文庫 470円
  01/4/21 SF 
★★★★

ウロボロスの特攻に,もはや死を待つばかりとなった黄金のイルカ号。マリリンは,自分の死を賭して,超能力を発動し,先史人類の遺産を目覚めさす・・・。

354●ウロボロスの影 喪神の碑2 津守時生 角川スニーカー文庫 470円
  01/4/19 SF 
★★★★

傷ついたマリリンの治療のために向かった学都惑星「那藜」。黄金のイルカ号の中の内通者。そして,ロヴの上司である情報部員O2。那藜の自治警察に逮捕された彼らは・・・。流れるようなストーリー。うんうん。えーど。えーど。キャラクターが見事に動き出した。

353●ラフェールの末裔 喪神の碑1 津守時生 角川スニーカー文庫 470円
  01/4/19 SF 
★★★★

失業中のロヴが乗り込んだ宇宙船「黄金のイルカ号」。船長のマリリンは,天使のように美しい超能力者の一族ラフェール人の生き残りだった。そして,ラフェール文明再興のために飛び立つ彼らをつけねらう謎の組織ウロボロス・・・。船長の性格のすごさはさておき,これは傑作かも知れない。意外なるストーリーテラーに,期待が高まる。

352●怪盗フラクタル最初の挨拶 辻真先 講談社NOVELS 740円
  01/4/17 推理 
★★★★★

行方不明の映画監督縁のものを頂く−謎の怪盗の予告状につられ,探偵・安西英作は,娘と共に瀬戸内海の孤島に赴いた。しかし,島では不思議な事件が次々を起こり,ついに殺人が・・・。謎だらけの先が読めない優れた構成。事件は解決してもフラクタルの正体は?驚愕のラストは,タブーに近いものの,すがすがしい読後感を与えてくれた。

351●セレンティアの憎悪(スレイヤーズ14) 神坂一 富士見ファンタジア文庫 480円
  01/4/16 ファンタジー 
★★★

その街は,東西南北の神官達がお互いを疑って相争う街と化していた。ミリーナを失ったルークは,暴走し・・・。このシリーズにしては,ちょっとしんみりする作品。しかし,軽いのう。ものの30分で読み終わっちゃう。こういうのも悪くないけど,もっと,重量感あふれる名作が読みた〜い。

350●時の竜と水の指輪(後編) 樹川さとみ コバルト文庫 420円
  01/4/16 ファンタジー 
★★★★

かくして,メデタシメデタシ・・・え?これじゃ分からないって?そうそう。自分を取り戻したローグは,森へ帰り,ヘンな魔法使いは出てきたし,ク・オルティスは,ムフフと含み笑いをしながら,森の番人になっちゃったのでした。

349●時の竜と水の指輪(前編) 樹川さとみ コバルト文庫 420円
  01/4/15 ファンタジー 
★★★★

薬師ローグとして,ノーマ・カーの森にひとり住むアイリ。男と偽って暮らしていた彼女だったが,騎士ク・オルティスに無理矢理,森から連れ出された彼女は,王都まで同行させられることになった・・・。まずまず面白い作品。これを読んで苦労することもないし,イヤな思いをすることもないし。ただ,あまりすんなりすぎる気はする。

348●殿下とパリの美女 ビーター・ラヴゼイ(中村保男訳) ハヤカワ文庫 640円
  01/4/7 歴史推理 
★★★★

1891年のパリ。英国皇太子バーディー(エドワード7世)は,友人の娘の婚約者がムーラン・ルージュの衆人環境の中,射殺された事件を解決しようと,旧知の女優サラ・ベルナールと共に調査を開始した・・・。19世紀バリが生き生きと描かれた佳品。探偵役のバーディーとサラは,50を目前にした年代だ。二人のロマンスもなかなか楽しい。

347●大わらんじの男(四) 八代将軍 徳川吉宗 津本陽 文春文庫 476円
  01/3/29 歴史 
★★★

吉宗の一代記。と,紹介が手抜きしすぎですね。実はこの作品。しばらく前に電車の中で読み捨てちゃったので,表紙しか取ってないんです。なかなか苦労をしていますが,吉宗はやっぱり平和な時代の施政者。物語としては,血湧き肉躍るとはいかないんです。たぶん,相当美化しているなって感じました。

346●大わらんじの男(三) 八代将軍 徳川吉宗 津本陽 文春文庫 476円
  01/3/29 歴史 
★★★

吉宗の一代記。ふなふな?

345●大わらんじの男(二) 八代将軍 徳川吉宗 津本陽 文春文庫 476円
  01/3/29 歴史 
★★★

吉宗の一代記。わーい。

344●ゲットレディ! それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ 富士見ファンタジア文庫 530円
  01/3/28 SF 
★★★

女子高生山本洋子は,千年後の未来で,地球側のエースパイロットとして,時々戦っていた・・・。いま一つ粗筋を書く気がしないなあ。まあまあ,すらりと面白くは読んだけど,すぐ忘れそうな予感。

343●竜魔大戦8 聖都炎上! ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/3/27 ファンタジー 
★★★★★★

圧倒的なトロロークの軍団に対して,村人を率いて戦うペリン。ルイディーンで,闇セダーイを力でねじふせるアル=ソア。タンチコの総督の宮殿に忍び込み,総督を連れだしたナイニーヴ達・・・。これにて,23巻目を読破した。毎月1冊づつ刊行されているこのシリーズ。楽しみなのです。

342●降魔への道標(スレイヤーズ13) 神坂一 富士見ファンタジア文庫 480円
  01/3/25 歴史 
★★★★

リナ=インバースは・・・。おおっ。なぜか筋を書く気が起こらない。覇王グラウシェラーとの戦いがメイン。でも,面白くないってワケじゃなくて,なかなか面白いんですヨ。戦闘シーンも迫力あるし。

341●真田太平記(八)紀州九度山 池波正太郎 新潮文庫 600円
  01/3/24 歴史 
★★★★★

上田城を家康に接収された真田昌幸・幸村親子は,わずかな供回りを従えて九度山に蟄居させられる。一方,真田の草の者達は活動を続けるが,十数年もの長い長い蟄居に飽み疲れた真田昌幸はついに死病に取り憑かれる・・・。四・五・六・七巻が手に入らなかったので,ついに八巻を読んでしまった。動きの静かな巻。昌幸の気持ちが痛いほど伝わる。

340●竜魔大戦7 白い塔の叛乱 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/3/23 ファンタジー 
★★★★★★

街への使いから戻ってきたミンを待っていたのは,赤アジャのエライダ達による叛乱であった。アミルリン位のシウアン・サンチェは絶対力を剥奪され,監禁されてしまう。ミンは彼女を助け,タール・ヴァロンから脱出する・・・。うっ。すごい勢いで物語が動いている。

339●さすらいのスターウルフ エドモンド・ハミルトン(野田昌宏訳) ハヤカワ文庫 500円
  01/3/21 SF 
★★★★

宇宙の凶悪な略奪を生業とする”スターウルフ”。モーガン・ケインは,仲間だったスターウルフに追われて外人部隊に身を投じる・・・。ハミルトンと言えば,キャプテン・フューチャーがあまりに有名である。このスターウルフシリーズは,ハミルトン後期のスペース・オベラだけに今風の複雑さを持っているが,やっぱり天衣無縫の奔放さをもつキャプテン・フューチャーシリーズの感動には遠く及ばない。

338●盗品つき魔法旅行(マジカルランド) ロバート・アスプリン(矢口悟訳) ハヤカワ文庫 640円
  01/3/20 ファンタジー 
★★★★

妖婦タンダから次元旅行に誘われたスキーヴは,偏人の世界のトロフィーを盗んで,師匠のオゥズにプレゼントすることにする。ところが案の定,失敗。捕まったタンダを救うため,スキーヴとオォズ達は,チームを組んで,スタジアムで偏人達のチームと激突する・・・。こういうユーモア作品っていいなァ。

337●宇宙戦艦ヤマトIII 下 若桜木虔 コバルト文庫 280円
  01/3/18 SF 
★★★

やっぱり,ガルマン帝国は,デスラーの帝国でした。大宇宙では,ボラー連邦とガルマン帝国が必死で戦っていたのです。そこにノコノコと現れる宇宙戦艦ヤマト。普通なら,ヤマトなんて小舟は,あっという間にやられっちゃうところですが,そこはそれ。主人公(艦)ですからね。古代のマブダチのデスラーは,ヤマトを援助し,地球の危機を救おうとします。最後にヤマトは大活躍。ボラー連邦はやっつけるは,デスラーの危機は救っちゃうは。ついでに,地球も救いました。

336●宇宙戦艦ヤマトIII 上 若桜木虔 コバルト文庫 280円
  01/3/18 SF 
★★★

ガルマン帝国のミサイルが誤って太陽に命中し,核異常反応を起こしてしまう。地球の生命は(またまた)あと1年。ヤマトは,地球人類移民のための星を探して,(またまた)旅立つ。さらば〜地球よ〜・・・。如何にヤマトファンのボクでも,こりゃシツコイわいと思います。もうちょいマシなストーリーはないのかなあ?例えば,謎の宇宙海賊に頻々と襲われる地球貨物宇宙船。ヤマトは海賊船に波動砲の照準を定める。ドクロマークの旗が,海賊船の船尾で宇宙空間なのにピラピラはためいている。そこに突然軌道を外れてつっこんでくる宇宙鉄道列車。ヤマトの司令室では,サルマタケが生えてくる・・・とかね。

335●地獄使い 3 再生編 麻城ゆう 角川スニーカー文庫 430円
  01/3/12 ファンタジー 
★★★★

亡鬼達は,皇居の隣に脱輪廻今日の聖堂を築き始める。織田信長,九十九神の暗躍。そして,桃子は死んだ時の記憶を完全に取り戻す・・・。あれれ?もう終わり?もっと読みたいものだのう。ページも薄いし,お風呂入っている時間で読み終えちゃうよ。

334●地獄使い 2 覚醒編 麻城ゆう 角川スニーカー文庫 430円
  01/3/12 ファンタジー 
★★★★

亡鬼達の手で東京が破壊されて二年の歳月が経った。東京は封鎖され,亡者達や各国の軍が駐屯する地となっていた。そして十六になった桃子は,人鬼の力に覚醒し,亡鬼である母との対決を・・・。魅力的な世界設定である。しかし,物語の進行が早い。なんだかもったいない気がするのだが。

333●真田太平記(三)上田攻め 池波正太郎 新潮文庫 640円
  01/3/11 歴史 
★★★★★

出来たばかりの上田城は,徳川軍に包囲される。しかし真田勢は,数倍の徳川勢を完膚無きまでに撃退し,上田城攻略をあきらめた家康は,真田昌幸の長男信幸に養女を嫁がせることにより,真田を自らの陣営に引き入れる方針に変更した。そして,日本の国は,秀吉による小田原北条攻め,長曽我部攻めにより統一がなされるが,老いたる天下人秀吉の精神は,朝鮮出兵を機に蝕まれていく...

332●地獄使い 1 封印編 麻城ゆう 角川スニーカー文庫 430円
  01/3/10 ファンタジー 
★★★★

中学2年生だった桃子。小学生の時,交通事故で父を失い,自分も生死の境をさまよった少女だったが,懸衣翁と言う青年と出会った日から彼女の髪は緋色に染まる。そして東京が亡者のすみかとなっており,自らの使命が彼らを地獄に送る人鬼だと知る・・・。良作だ。麻城ゆうの作品って,不思議な味があって心地良い。

331●ドラゴンはだめよ 下 G・コスティキアン(安田均・石田聖子訳) 電撃文庫 690円
  01/3/9 ファンタジー 
★★★★

ハムステルブルグ市をめぐる陰謀・・・。なんだか物語がずいぶん脱線してるような気がするんだが。あの彫像の秘密は未だ全然分からず。結局,物語は「続く」なのだが,はて?この後の巻って出てるのかなあ?もう3年も前に訳されたやつだけど,その後出てる気配はない。

330●ドラゴンはだめよ 上 G・コスティキアン(安田均・石田聖子訳) 電撃文庫 640円
  01/3/7 ファンタジー 
★★★★

アテノールで出来た彫像に込められた王の霊魂を解き放すため,<暗黒の国>に向かった一行だったが,案の定,途中・・・。明るく楽しい作品だ。しかし,この先が全然読めないね。

329●真田太平記(二)秘密 池波正太郎 新潮文庫 590円
  01/3/6 歴史 
★★★★★

信長死後の混乱の中,真田昌幸は,関東の北条・東海の徳川・越後の上杉と対峙しつつ,己の運命を切り開くべく,上田城築城に着工する。そして,徳川と戦うことを決した昌幸は,死を覚悟の上で,昨日まで敵だった上杉景勝と同盟を結ぶべく春日城に出発した・・・。実は,この第二巻まで,昔読んだことがあるのだ。年齢がいってまた読んでみると,この作品の良さが心に落ちた。

328●ある日、どこかのダンジョンで 下 G・コスティキアン(安田均・石田聖子訳) 電撃文庫 640円
  01/3/3 ファンタジー 
★★★★

ダンジョンのオーク達から奪ってきた戦利品の彫像は,アテノールという魔法の金属で出来た計り知れない価値のあるもの。アーフ・ダーファルの町の暗黒の各勢力は,それを狙って大騒ぎとなる・・・。あ〜。面白かった。先が読めない展開は,この作品がよくある凡庸なパロディ作品じゃないってことを示している。

327●ある日、どこかのダンジョンで 上 G・コスティキアン(安田均・石田聖子訳) 電撃文庫 640円
  01/3/2 ファンタジー 
★★★★

大学院を卒業した青年貴族ティメイアスは,貴族の若者が名声と富を得る昔ながらのやり方として,冒険に出かけることになった。そして,パーティを組んで,ダンジョン探検に出かけたが・・・。うん。楽しい。RPGのパロディであり,謎とユーモアの佳品である。こういうのって,好きなんだよなぁ。

326●MASK スティーブ・ペリー(飛田野裕子訳) 角川文庫 560円
  01/2/28 コメディー 
★★★★

古代バイキングの仮面を拾ったさえない銀行マンのスタンリー。それを被ったとき,彼は陽気でパワフルな”マスク”に変身する・・・。映画で見て非常に面白かったやつのノヴェライゼーションだ。でも,結構良作。これで映画という原作がなければ,星5コにしたかも知れないくらい。もう一回,映画版を見たくなっちゃった。

325●真田太平記(一)天魔の夏 池波正太郎 新潮文庫 590円
  01/2/26 歴史 
★★★★★

1582年,織田・徳川連合軍の追撃に武田勝頼は自刃し,武田氏の配下にあった豪族真田氏は,上・信二州に孤立することとなる。そして,当主真田昌幸は,織田氏への臣従を余儀なくされるが,本能寺の変が勃発する・・・。歴史でもある真田氏の真と,忍びの虚が交互に描写される。忍びに関しては,この作品から除いた方が良かったんじゃないかと思うのだが。

324●アポロンの剣闘士 若桜木虔 コバルト文庫 260円
  01/2/24 SF 
★★★★

紀元2021年。消えた宇宙植民船シリウス号を追って帰らぬ旅に出たアラン。着いた惑星は,植民者達が到着して数十年の異性世界。剣闘士として大競技会に出ることになったアランは・・・。なんだか,如何にもつまらなそうな筋だが,実は意外に面白い。若桜木虔氏の作品って,アニメの小説化が殆どだが,オリジナル作品もなかなか味がある。

324●大空の死 アガサ・クリスティ(松元寛訳) 創元推理文庫 280円
  01/2/22 本格推理 
★★★★★

フランスからロンドンに飛び立った旅客機の中に,一匹の蜂がぶんぶん飛び回り始めた。そして,乗客の一人が首に毒針の後をつけて死んでいたのである・・・。いかにも魅力的な物語の発端。そしてエルキュール・ポアロの活躍。あまりこの作品はクリスティの作品にしては評価されていないけど,この雰囲気の良さを大いに評価したい。

323●砂のなかの扉 ロジャー・ゼラズニイ(黒丸尚訳) ハヤカワ文庫 360円
  01/2/20 SF 
★★★★

大学で悠々自適の生活を送っていたロバートは,銀河連邦に加盟した際に異星人から送られた謎のスターストーンをめぐる争いに巻き込まれた・・・。キャラクターもいいし,謎がラストまで続く構成もなかなか。でも,印象が極端に薄いんだよな〜。ゼラズニイにしては駄作の部類に入ると思う。

322●ヴァンパイアの塔 カー短編全集6 ディクスン・カー(宇野利泰訳) 創元推理文庫 640円
  01/2/19 本格推理 
★★★★

カーが執筆したラジオ・ドラマの短編集。第二次世界大戦時を中心にBBCなどのために書き上げたもの。ドラマとはいえ,さすがはカーであり,時代の流れの中で泡のように消えゆくような作品ではない。

321●カー短編集3 ディクスン・カー(宇野利泰訳) 創元推理文庫 340円
  01/2/5 本格推理 
★★★★★★

困窮している実の娘に老婦人の遺産を譲らせるために,わざわざ説得にパリから新大陸にやって来た紳士。折しも老婦人は遺言状の書き換えを行ったにもかかわらず,その遺言状をどこかに隠したまま卒中に倒れてしまう。ただ彼女の目の動きで遺言状の在処を探ろうとする紳士だったが,彼を助け,謎を解いたのは,貧困に苦しみ,死の半年前のあのオーギュスト・デュパンを創造したかの人物・・・。やっぱり,カーはすばらしい本格推理の旗手だと思う。このような本格派の推理小説がなくなってしまったのは,どうしたことだろうか。

320●1000年女王(新竹取物語)PART1 若桜木虔 文化出版局 340円
  01/2/4 SF 
★★★★

何者かに両親を殺された雨森始は,筑波山天文台所長の叔父に引き取られる。しかし,1000年盗賊が執拗に始をつけねらい,また叔父の助手の雪野弥生も謎の行動をとる。そして,地球には遠く大楕円を描いて接近する惑星ラーメタルが迫ってきていた・・・。松本零士原作の小説化だ。アニメ化されたけど,あんまり人気出なかったやつ。PART1は,ほんの導入編といったところだが,古本屋でPART2を見つけるのは難易度が高そうだなあ。

319●俺の足には鰓がある 富永浩史 富士見ファンタジア文庫 560円
  01/1/29 SF 
★★★★

悪の組織に改造人間に改造された彼女の誘われて,三葉虫の怪人に改造されてしまった主人公。ある基地の拠点防衛任務についた彼だったが,正義のヒーローが悪の組織を潰そうと・・・。うん。結構楽しい作品。ショッカー側から見るような感じで,単純でない作品だ。

318●ロビン・フッドのゆかいな冒険2 ハワード・パイル(村山知義・村山亜土訳) 岩波少年文庫 650円
  01/1/28 冒険 
★★★★

弓の大試合,リチャード獅子心王との酒盛り,そしてロンドンにてハンチングトン侯となったロビン・フッド。しかし,獅子心王の死後,懐かしいシャーウッドの森に帰った彼は昔の思い絶ちがたく野武士ロビン・フッドに戻り,王の軍勢との戦いの中,ロビンの角笛の音は緑の森の果てに消える・・・。

317●ロビン・フッドのゆかいな冒険1 ハワード・パイル(村山知義・村山亜土訳) 岩波少年文庫 650円
  01/1/27 冒険 
★★★★

十二世紀のイングランドで活躍したシャーウッドの森の義賊ロビン・フッドの物語。今の時代で面白い話ではないけれど,でも,このせちがらい時代に,こういう本を読むのもいいなあと思う。

316●煌の輪舞曲(道士リジィオ3) 冴木忍 富士見ファンタジア文庫 480円
  01/1/26 ファンタジー 
★★★★

古い屋敷で,声高らかに歌いまくる幽霊。幽霊退治を請け負ったリジィオだったが,その幽霊は元道士であり,なかなかやっかいな相手。依頼人の人のいい老夫婦は,リジィオを養子にしたがるし・・・。楽しく読める短編集。それに,この鶴田氏のイラストって好きなんだなあ。

315●カー短編集2 ディクスン・カー(宇野利泰訳) 創元推理文庫 320円
  01/1/23 本格推理 
★★★★★

ヘンリー・メリヴェール卿をピクニックに誘って,神隠しの事件があった古い別荘に向かった若いカップル。しかし,また。それは子供の頃神隠しにあった同じ女性が消失したのである。そしてH・Mは,怖ろしい真相を知る・・・。いかにも本格推理らしい見事な本格物である。

314●竜魔大戦6 闇が巣くう街 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  01/1/21 ファンタジー 
★★★★★★

タンチコに到着したナイニーヴとエレイン一行は,黒アジャの行方を探索する。一方,エモンズ・フィールドのペリンは,思わぬ指導力を発揮し,住民と共にトロローク狩りを始める・・・。今月から毎月発刊になった「時の車輪」シリーズ。数パターンの物語が交互に続く。一気に続けて読めないからイライラしちゃうのだ。

313●燃えつきた橋 ロジャー・ゼラズニイ(深町真理子訳) ハヤカワ文庫 340円
  01/1/17 SF 
★★★★

人類を創造し,歴史を導いていた異星生物。しかし,それに対抗する永遠の命を持つ男がいた・・・。とゼラズニイらしい魅惑的な設定かと思いきや,実はそうでもない。異星生物は,ドーシテ?というくらいアッサリと地球をあきらめちゃうし,謎の男は最後にチョッピリ端役で出るだけ。ゼラズニイにしては,駄作の部類。(最近,厳しい評価が続くなぁ)

312●白銀の聖域 マイケル・ムアコック(中村融訳) 創元推理文庫 630円
  01/1/16 SF 
★★★★★

氷河期の世界。数少ない都市に住む人々は氷上帆船を走らせて,陸鯨を狩って生活していた。しかしこの世界は衰退しつつあった。陸鯨の群が減り,南から氷が溶けだしているという噂が。コンラッドは,真実を確かめるために伝説の<氷の母>の住まう都市「ニューヨーク」へ巨大帆船を率いて旅に出た・・・。なかなか魅力的な舞台設定だが,登場人物の心の動きがトテモ純文学風。うーん。ここのところ,なんと評価していいものやら。

311●銀河大戦(星間パトロール) エドモンド・ハミルトン(深町眞理子訳) ハヤカワ文庫 500円
  01/1/13 SF 
★★★★

ヘビに似た侵略船団と戦った銀河連合艦隊は壊滅し,生き残りのハル・カー以下星間パトロールの隊員は遙かアンドロメダ銀河へ同盟を求めに派遣された。そして三つの銀河を巻き込む宇宙戦争が幕を開けた・・・。まあ,1929年の作だから仕方ないでしょう。こんなところで。しかし,この後,ハミルトンはスペース・オペラの最高峰であるキャプテン・フューチャーシリーズを執筆するのだから,その習作といったところか。

310●再生の時 クリフォード・D・シマック(宇野輝雄訳) ハヤカワSFシリーズ 340円
  01/1/13 SF 
★★★★

銀河系宇宙調査局員のアッシャーは,20年ぶりに地球に帰還した。飛行不可能な宇宙船で呼吸もせずに。そして彼が将来書くべき思想を巡って彼を狙う3つのグループたち。そして彼自身の秘密は・・・。SFの最高峰「都市」や「中継ステーション」を書いたシマックは大好きな作家なのだが,ちょっと難解と言うか,分かりづらいと言うか。

309●槍作りのラン クリス・ネヴィル(矢野徹訳) ハヤカワ文庫 330円
  01/1/8 SF 
★★★★

原始時代。部族の男達は狩人の生活を送り,女達とはさかりの季節を除いてまじわることはなかった。狩りの出来ないフォルウが森から帰っていて森の命令”女を愛せ”を伝えた時・・・。ちょっと読むのがつらかった。教訓なのか,ただ人間のあり方を描いただけなのか,悩んでしまったのだ。もしかして,名作なのかも知れないんだけど。

308●大魔術師も楽じゃない(マジカルランド) ロバート・アスプリン(矢口悟訳) ハヤカワ文庫 600円
  01/1/7 ファンタジー 
★★★★

ディーヴァの市場で魔術師稼業を始めたスキーヴとオゥズ。しかし,お尋ね者を追って,異次元の世界に出かけるハメになったそこは,吸血鬼の世界だった・・・。

307●宮廷魔術師は大忙し!(マジカルランド) ロバート・アスプリン(矢口悟訳) ハヤカワ文庫 560円
  01/1/6 ファンタジー 
★★★★

怪物の師匠が留守の間,一人で宮廷付魔術師の仕事をすることになった見習魔術師のスキーヴ。国王に頼まれて1日だけ身代わりになったつもりのスキーヴだったが,やっぱりそれには裏があった・・・。結構軽く読めて,好きなシリーズ。ただ欠点がひとつ。なにせ軽いもんで,1時間もかからず読み終えてしまうのである。古本屋で100円で買ったからいいようなものの。ね?

306●どろばう熊の惑星 R・A・ラファティ(浅倉久志訳) ハヤカワ文庫 680円
  01/1/6 SF 
★★★★★

調査隊が着陸した惑星には”くすくす笑いの化物”とも呼ばれるどろぼう熊たちが住んでいた。彼らは隊員のフランス語のホラー小説も金の嗅ぎ煙草入れも,ごちそうの味も盗んでしまうのだ・・・。多彩なイマジネーションに溢れたラファティの短編集。

305●魔界伝説 ルイス・ラムーア(中野圭二訳) 二見文庫 690円
  00/12/30 冒険 
★★★★★

アメリカ西部の荒野で行方を絶った友人の探索に乗り出したマイクは,今は存在しないインディアンの伝説の地を知る。そこは三番目の世界であり,悪の地でもあった・・・。異世界のシーンはごくわずかなので,冒険物とした。巻前半の不気味さは特筆ものである。が,ラストへのシーンが消化不足と言うか,なんだかもったいない出来。

304●ウィンター・ワールド 4 氷原の彼方へ マイケル・スコット・ローハン(木村由利子訳) 角川文庫 520円
  00/12/29 ファンタジー 
★★★★★★

夏の殿堂を脱出した一行は,遙かな氷原を越え,氷に閉ざされた古のケルモルバンの都の地下へ。そして,メネス・レダンネンの山脈を越えたそこは,意外にも氷の力のまだ及ばない地域だった。そしてそこには・・・。第二部「甲の書」の完。魔鍛冶の技で神をも凌駕したエロフ。モルバンの王統を復活させたケリン・ケイモルバン。彼らの行く末は?第三部「腕輪の書」があるはずなのだが,角川文庫訳はこれでお仕舞いらしい・・・ひど〜い。こんな傑作を宙ぶらりんにして。角川文庫はこの時期,海外翻訳を急速にやめちゃったんだよね。

303●ウィンター・ワールド 3 氷結都市 マイケル・スコット・ローハン(木村由利子訳) 角川文庫 600円
  00/12/28 ファンタジー 
★★★★★★

失われた遙か東の古代王国モルバンを目指して怖ろしい大森林タピアウに足を踏み入れたエロフとケルモルバン達。途中立ち寄ることになったリュス・アルバーレン<夏の殿堂>には信じられぬことに,千年前,氷に陥落させられたモルバン国を脱出した英雄達が生きていたのだ。そしてエロフ達は,タピアウ神の恐るべき真実を知る・・・。

302●ウィンター・ワールド 2 氷龍の復活 マイケル・スコット・ローハン(木村由利子訳) 角川文庫 390円
  00/12/27 ファンタジー 
★★★★★★

地中深く,大地の民ドウェルガーの元で鍛冶の技の修行を積んだエロフは,海賊で剣士のケルモルバン,ドウェルガー族の娘イルスと共に,氷の尖兵エクウィッシュ族に包囲される南方の街ケルブリハインへ潜入する。そして師匠との戦いは・・・。「冬年代記」の剣の書はこれにて完結する。巻末の補遺は,この世界の地勢・人種・言語・文化などを詳細に書いてあり,物語の広さをかいま見させている。

301●ウィンター・ワールド 1 氷の魔導師 マイケル・スコット・ローハン(木村由利子訳) 角川文庫 500円
  00/12/26 ファンタジー 
★★★★★★★

アセンビーの町の奴隷の少年アルブは,魔鍛冶の<師匠>に拾われて,氷の塔で徒弟時代を過ごすことになる。そして長い研鑽生活の後,彼は徒弟明けの作品を作ることとなった。腕輪・鎧甲・剣。それらは怖ろしい魔力を秘めたものだった。彼を殺そうとする師匠の魔の手から逃れたアルブは,大公道の塩沢に鍛冶場に身を潜め,エロフという名を得るが,神である大ガラスにより時代の荒波に放り込まれる・・・。遙かな氷河時代。詳細に渡る書き込みによって,空間の広がりと年代記とも言うべき悠久の時代の広がりを見事にあらわした傑作。特にこの第1巻は圧巻だろう。「

300●ホビットの冒険 下 J・R・R・トールキン(瀬田貞二訳) 岩波少年文庫 550円
  00/12/21 ファンタジー 
★★★★★★★

森のエルフ王の岩窟,エスガロスの町,たての湖を通り,ようやくビルボと13人のドワーフは,スマウグのいるはなれ山の穴に隠れていた。そして,スマウグの死,五軍の戦いが始まった・・・。指輪物語では元気ないビルボだが,大人じみたフロドと比べるといたずらっけいっぱいのホビットだったんだ。これにてビルボの「ゆきて帰りし物語」の終わりである。そして,指輪物語が始まる。

299●纐纈城綺譚 田中芳樹 ソノラマ文庫ネクスト 476円
  00/12/23 伝奇 
★★★★

大唐帝国末期,長安の市に人の血で染め上げられた布が売られていた。その正体を知った3人の好漢達は,囚われの人を助けるため,怪異の纐纈城へ向かう・・・。中国歴史伝奇物であろうか。ボクの好きなジャンルなのだが,田中氏の作にしては少し消化不足の感がある。

298●竜魔大戦5 狼の帰郷 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  00/12/22 ファンタジー 
★★★★★★

ペリン一行がエモンズフィールドで出会ったのは,二人の異能者と,アル=ソアとマットの父だった。彼らは協力して白マントの人質となった人々の救出を図る。一方,アル=ソアは,アイール人達を率いてアルケア・ダルへ向かうことを決意する。アイールの首長達に両の腕のルイディーンの印を示すために・・・。

297●ホビットの冒険 上 J・R・R・トールキン(瀬田貞二訳) 岩波少年文庫 550円
  00/12/21 ファンタジー 
★★★★★★★

居心地のいいビルボの家に突然やって来たのは,13人のドワーフと魔法使いガンダルフだった。そして,彼らに半ば強制的に誘われたビルボは共に旅立つこととなった。遙かなやみの森のはなれ山にあるドワーフの宝を取り戻すために・・・。あの指輪物語の前編というべき作品。子供向けに書かれた作品だが,ページをめくると,やはり指輪物語の世界がそこにあった。星7つとは,ちょっと点数が甘いかなぁ。でも,だって仕方ないんだ。昔,学生の頃,これを読みたくて,原書で手に入れてずいぶん苦労して読んだことがあったっけ。まだ学生の頃だったから出来たことだけど。それが今,古本屋で百円で手に入れることが出来ただなんて不思議だなあ。

296●囚われの世界 ハリイ・ハリスン(島岡潤平訳) サンリオSF文庫 340円
  00/12/17 SF 
★★★★

外部世界から遮断されてしまっていたアステカ人の集落。ある日,迷信と死の掟の支配する部落の青年チマルは,掟を破った罪で仲間から逃げまどっていた。そして,死の女神コアトリクェの消えた岩壁の中で発見した真実とは・・・。大変貴重な今は無きサンリオSF文庫である。この文庫を古本屋で見つけたら,小躍りしながら必ず買わなくちゃイケマセン。

295●竜魔大戦4 聖都ルイディーン ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  00/12/17 ファンタジー 
★★★★★★

ティアの門石からアイール荒地に転移したアル=ソア一行を待っていたのは,アイール戦士団と賢者たちであった。そして,アル=ソアとマットはルイディーンに足を踏み入れる。一方,エモンズフィールドに向かったペリンは,故郷が白マント達に占領され,家族が惨殺されたことを知る・・・。

294●シベリアの孤狼 ルイス・ラムーア(中野圭二訳) 二見文庫 750円
  00/12/15 冒険 
★★★★★★

米空軍テストパイロットのマカトジ少佐は,ソ連の罠にかかりシベリアの秘密収容所に拉致された。しかし彼にはインディアンの野生の血が濃く流れていたのだ。からくも脱出した彼は,酷寒のシベリアで執拗に迫る追撃隊と戦いながらシベリアを横断する・・・。ボクは,冒険小説が大好きなのだ。実を言うと。この迫力と緊迫感は,さすが全米ナンバー1の国民的作家ラムーアである。あと1冊しか翻訳されていないのが,実に惜しいことだ。

293●黒の碑 ロバート・E・ハワード(夏来健次訳) 創元推理文庫 550円
  00/12/14 ホラー 
★★★★

ラグクラフトの創造したクトゥルー神話のハワード版。あのコナンシリーズの作者なのだ。ラグクラフトのオリジナルには及ばないにしても,なかなか楽しめた。ハワード若き日の習作といったところだろうか。

292●竜魔大戦3 それぞれの旅立ち ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 620円
  00/12/9 ファンタジー 
★★★★★

ペリンは,白マントに襲われたエモンズ・フィールドに,ナイニーヴとエレインはタンチコへ。そしてアル=ソアはアイールの地ルイディーンへ旅立つ・・・。なかなか物語が動かず,ただ今,静の状態である。

291●断絶への航海 ジェイムズ・P・ホーガン(小隅黎訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/12/7 SF 
★★★★★

第三次世界大戦直前にアルファ・ケンタウリに植民した移民が理想郷を建設したとの通信を受け,新天地を求めて地球を出発したメイフラワー二世号。20年の航海を経てたどり着いた世界を巡って,船内の対立が激化する・・・。ホーガンの作品って,本当に安心して読めるなぁ。常に安定した良作を書いてくれる。その分,びっくりするところもないのだが。

290●ペリペティアの福音 下 聖還編 秋山完 ソノラマ文庫 657円
  00/12/4 SF 
★★★★★★

三万隻の大帝艦隊は,今しもペリペティアを発進しようとしていた。そして多くの英雄達が立ち上がる。舳先舵手フレン。星海艦隊司令ケルゼン。花級コルベット船団網元赤玉レッド。死神船長。そして。自らを破門した大司教代理ティックは,ファンランを暗殺する・・・。物語は感動のラストへ。薄くてペラペラの日本SF界にあって,この作品の実に濃いことよ。読後感あざやかな作品。

289●ペリペティアの福音 中 聖誕編 秋山完 ソノラマ文庫 550円
  00/12/3 SF 
★★★★★★

ゲルブクロイツ社の三博士に拉致されたファンランは,大帝の継承者として四十九王国とトランクィル廃帝政体,銀河連邦,ヨミ・クーリエ社の闘争の中心となっていく。しかし,盗賊としての過去を思い出したファンランは・・・。すごい。日本SFにめったにつけない星6コをつけた。表面的な印象とまったく異なる深みのある作品である。

288●荒涼たる妖精の地 下(力の言葉2) デイヴ・ダンカン(関口幸男訳) ハヤカワ文庫 580円
  00/12/2 ファンタジー 
★★★★★★

西の魔導師ジニソーに捕らわれたラップは,北の魔女<澄んだ水>との取引により,嵐の踊り子号に奴隷として乗り込むことになる。乗組員のヨッツン族達と友情の絆で結ばれてしまったラップ・・・。やっぱりこれ,いい作品だなあ。傑作だよ。

288●荒涼たる妖精の地 上(力の言葉2) デイヴ・ダンカン(関口幸男訳) ハヤカワ文庫 580円
  00/11/30 ファンタジー 
★★★★★

イノスが飛ばされたのは,ジン族の住むザルク。皇帝アザクの宮廷で,不思議な体験を送る。そして,ラップとかわいい雛鳥達が飛ばされたのはフェアリー島だった・・・。次第に明かされる魔導師達の争いと魔法のこと。そしてインプ王国とフェアリー島の関係。とても深みのある作品である。

287●風雲のズダイ・ツァ3 ズダイ・ツァ決死行 高井信 ログアウト冒険文庫 690円
  00/11/25 ファンタジー 
★★★

エセルナートへ戻るテレポーターを探してズダイ・ツァのドルの高地を目指すランディー一行たち・・・。1巻2巻と読んで,長い間見つからなかった3巻を見つけることが出来た。ウィーザードリィ物としては,あまり,らしくなく,ウィザードリィである必要はない作品だ。

286●竜魔大戦2 石城は陥落せず! ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/11/23 ファンタジー 
★★★★★★

闇姫ランフィアが自分の正体をアル=ソアに打ち明けた時,ティアの石城はトロロークの軍勢に急襲されていた。不可触の剣で闇を追い払ったアル=ソア,マット,そしてモイレインは,進むべき道の答えを求めて大保管庫のテル=アングリアルへ入る・・・。長い雌伏の時が過ぎ,物語がまた動き出しそうな予感。エグウェーンの決断は残念〜。

285●死がかよう小道 ドロシイ・キャネル(浅羽英子訳) 教養文庫 880円
  00/11/23 推理 
★★★★★

出生の秘密を探るため,記憶喪失のふりをして僧坊館に忍び込んだ牧師の娘テッサ。そこには二人の老女が住んでおり,妙に謎めいた雰囲気。秘密を探るテッサの前に殺人事件が・・・。殺人事件が起こる前は特にユーモア溢れており傑作。こういう本を読むのも良いものだと思う。テッサが実に生き生きとしている。ラストは,テッサの出生が半分だけしか分からないが,実に感動的である。

284●ペリペティアの福音 上 聖墓編 秋山完 ソノラマ文庫 490円
  00/11/19 SF 
★★★★★

銀河最大の葬祭社団ヨミ・クーリエ社の新米葬祭司補のティックが命じられたのは,893年前銀河を統一した謎のフォークト大帝の葬儀であった。さまざまな思惑を秘めた回廊星域49カ国の慰問艦隊,銀河連邦,医療法人ゲルプクロイツ社が大帝の遺産を巡り虚々実々の駆け引きを行う・・・。ジャパニーズSFも捨てたモンじゃないな〜。ちゃんと育っていたのだ。オリジナリティ溢れる世界設定に繰り広げられるハードな粗筋。これは期待出来そう。

283●帝王の絆(月光界シリーズ6) 麻城ゆう 大陸書房 720円
  00/11/19 ファンタジー 
★★★★

大学を中退した秀子に,次々と人外の生き物が「我らの帝王になってくれ」と襲いかかる。彼女を守ろうとするのが弓香の息子の太郎だった・・・。たぶん,人の指輪を持つ秀子の物語はこの1巻でお仕舞いかなぁ。なんだかやけに早い物語の展開だったけど。

282●魔法の窓 下(力の言葉1) デイヴ・ダンカン(関口幸男訳) ハヤカワ文庫 560円
  00/11/17 ファンタジー 
★★★★★★

アンドルが狙っていたのは,ラップの力の言葉だった。ゴブリン族の中に置き去りにされたラップは,ゴブリンの青年「かわいい雛鳥」を不思議な力で奴隷にし,イノスの元へ向かう。一方,イノスは父の危篤を知り,クラスネガルへ戻るが,この機に乗じたインプとヨッツンは,クラネガルと,イノスの力の言葉を狙って・・・。力の言葉とは,ひとつの魔法の能力であり,この言葉を知っている人が多くなるほど,その力は分散されて弱くなる。普通は親から子にいまわの際に伝えられることが多い。力の言葉を2つ知っていると達人。3つか4つ知っていると,魔法使いになれる。なかなか斬新な世界設定ではないかと思う。

281●魔法の窓 上(力の言葉1) デイヴ・ダンカン(関口幸男訳) ハヤカワ文庫 560円
  00/11/17 ファンタジー 
★★★★★

小さくて平和な北の王国クラスネガル。王女イノスは,花嫁修業に大国インプ王国のキンヴィイルに出かけることとなった。イノスの幼なじみの廐番見習いのラップは,自分がある力を持っていることに気づく。クラスネガル王の死病を知ったラップは,それをイノスに知らせようと,謎の男アンドルと旅に出たが・・・。むむ!良作のケハイだ。インプやヨッツン,ゴブリンなど多くの種族が交わりながら暮らす世界観。新鮮である。

280●楽園の魔女たち〜薔薇の棺に眠れ〜 樹川さとみ コバルト文庫 495円
  00/11/15 ファンタジー 
★★★★

楽園に着払いで送られてきた荷物。その棺桶の中にいたのは吸血鬼だった。そして彼を追ってきた吸血鬼ハンターの神法師の戦いが始まった・・・。このシリーズって,ホント,軽い気持ちで読めていいのじゃ。ただ,この本に関しては,なんとなく後に残らないような気がするなあ。

279●アシスタント魔女 加納一朗 ソノラマ文庫 440円
  00/11/14 SF 
★★★★

地上げ屋に狙われた北川南天博士宅。横浜の骨董屋で見つけたバリアーで撃退した是馬達であったが,地上げ屋は今度は助っ人魔女を呼び寄せたのであった。危機の度に頼るは横浜の骨董屋で掘り出すヘンな品ばっかり・・・。ちょっと安易なのが気に掛かる作品。面白いケドね。

278●竜魔大戦1 忍び寄る闇 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/11/13 ファンタジー 
★★★★★★

ティアを支配下においた<竜王の再来>アル=ソア。彼は死に物狂いで自分の進むべき道を見つけようとしていた。そして,ペリンが,マットが,自らの生きる道を模索する。しかし,ティアの石城にも闇王の魔の手は忍び寄っていた・・・。久しぶりにまた第4部を読み出した。この巻は,プロローグのような位置づけだろうか。これからの展開を予感させるような感じだった。

277●ガリア戦記 村上恭介 学研 780円
  00/11/11 歴史小説 
★★★

紀元前52年,軍神マルスの化身と呼ばれるユリウス・カエサルに立ち向かうガリアの若き盟主ウェルキンゲトリクスの物語・・・。期待して読み始めた本だが,小説としてはいささかつまらなく,がっかり。ただし,舞台としては大変魅力的である。

276●大地の守護者(月光界シリーズ5) 麻城ゆう 大陸書房 700円
  00/11/10 ファンタジー 
★★★★

なぜかザレの帝王になってしまった弓香。そして,タピール帝の前へ・・・。残念だったのは,最後の最後になって,アリガチな結末になったこと。やっぱりなァと思うのは,ちょっと期待しすぎてしまったため。これにて,月光界シリーズ第1部完。

275●新月闇の結晶(月光界シリーズ4) 麻城ゆう 大陸書房 700円
  00/11/9 ファンタジー 
★★★★

弓香は,女性の肉体に魂替した戦士ミズールと共に五国川に着く。そこでは,タガーがネンゲの帝王タピールに対し,復讐(楽しい企画)を思いついていた・・・。このシリーズ最高のキャラクター,タガーの死。うーん。もったいないぞ。

274●結界の墓碑銘(月光界シリーズ3) 麻城ゆう 大陸書房 700円
  00/11/8 ファンタジー 
★★★★

ひとり旅をすることとなった弓香は,どじな尾行者パルロと行動を共にすることとなる。封じられた村に迷い込んだ二人を待つものは・・・。物語には,想像される展開ってのがある。ピタッと想像通りになるのも面白い場合も稀にあるが,普通はワンパターンでつまらないことが多い。しかし,このシリーズは,少しづつ想像から外れるのである。お見事!

273●霊獣ムフゾの王(月光界シリーズ2) 麻城ゆう 大陸書房 700円
  00/11/7 ファンタジー 
★★★★

元の世界に戻るためには,風霊の術が必要である。そこで風霊の溜まり場に出向いた弓香たちは,そこでネンゲ帝国のムフゾ狩りに怒りを爆発させる・・・。なんだか,このシリーズいいですね。プワプワした感じがして。それにしても,筋だけ書くと,えらくつまらなそうに見えるなァ。

272●界渡りの魔道者(月光界シリーズ1) 麻城ゆう 大陸書房 700円
  00/11/6 ファンタジー 
★★★★

高校生の弓香は,屋根から落こって月光界に渡ってしまった。ザレ国を追い出されたティッチとミズールといっしょに誘拐されたザレ国のレイラ姫を探す旅に出る・・・。筋を書くとツマラナソウなのだが,主人公の性格と想像を裏切る展開がトテモ心地よい不思議な逸品だ。

271●ブラック・クリスマス 加納一朗 ソノラマ文庫 440円
  00/11/5 SF 
★★★★★

サンタクロースのバイトをしている不思議な青年の水晶玉を覗くと,二通りの未来が見える。是馬と荒馬は,ヒドイ夢と,もっとヒドイ夢だった。ヒロミは,いい夢と,悪くない夢だった。そして,その未来はどちらか一方を選択することが出来るのだ・・・。うーん。面白かった。あと加納氏の本は何冊かあるんだけど,モッタイナイから,読むのを少しガマンしよっと。

270●楽園の魔女たち〜ハッピー・アイランド〜 樹川さとみ コバルト文庫 533円
  00/11/4 ファンタジー 
★★★★

ドクター・カプラの悪行を調べるため,施療院に潜入した探偵ルーファスと楽園の面々。そこでは,怖ろしい青と赤のサボテンの実験が進められていた・・・。銀髪の美少女の秘密がアレだったなんて・・・なんの意味があったんだ〜

269●タイム・エスケープ1945 加納一朗 ソノラマ文庫 420円
  00/11/3 SF 
★★★★★

空襲の最中,子供と生き別れになった大沼老人。是馬達は老人に誘われて戦時中の映画「燃ゆる大空」を見る。それは子供と生き別れになる直前に見た映画だったのだ。そして,世界は1945年に。息子を思う大沼老人の気持ちが時間の壁を越えたのである・・・。これも良作。なかなかの感動作(是馬・荒馬シリーズにしては)ではないかと思う。

268●妖気の森の物語 加納一朗 ソノラマ文庫 400円
  00/11/2 SF 
★★★★★★

謎の人間消失事件の謎を追って,鬼首湖に出かけた是馬たち。山奥の集落は,食事もそのままで人っ子一人いなくなっていた・・・。シリーズ屈指のユーモアに溢れながらも,まったく手を抜かないシリアスな傑作。最後まで姿を見せなかった少女の描写が,とても悲しいような気がした。こういう隠れた傑作があるから,ソノラマ文庫ってやめられないんだよなァ。

267●踊るエレベータの謎 加納一朗 ソノラマ文庫 400円
  00/11/1 SF 
★★★★

新発明のガステレビ(ガスでタービンを回し,電気を起こす機構を組み込んだ画期的なテレビ)の検証をしている最中,南天博士が狙撃さる。そして,また石炭ロケットの実験の最中にも,恐るべき破壊工作が。いったい誰が・・・。

266●一九八五年,異次元の旅 加納一朗 ソノラマ文庫 400円
  00/10/31 SF 
★★★★

是馬・荒馬兄弟の天文学的食費の足しにしようと,青井家では下宿人を置くことにした。「当方教養ある実直な家庭。二階の静かな環境と優雅な展望の美麗なる一室を,それにふさわしい紳士淑女どちらか一名に提供す。希望者は下記に一報せられたし。面談の上,決定す」広告に応じて現れた中年男が凶悪なる異世界人であったとは・・・。

265●ピーマン特攻指令 加納一朗 ソノラマ文庫 530円
  00/10/30 SF 
★★★★

是馬と荒馬の二人は地獄の日々を送っていた。洗脳クリーン塾というスパルタ塾に無理矢理行かされていたのである。そこで,二人は悪魔を呼び出して,塾に行かなくてすむように魂を売り払ってしまった・・・。あいかわらずオモシロイなあ。古本屋で未読の加納氏の本を5冊また見つけたのである。いやったーっ!

264●楽園の魔女たち〜課外授業のその後で〜 樹川さとみ コバルト文庫 530円
  00/10/29 ファンタジー 
★★★★

荒れまくるリトラド学園で,学長が何者かに襲われて負傷する。事件の調査を依頼されたエイザードは,サラを教師として学園に赴任させることにする・・・。フムフム。このシリーズって,やっぱり楽しく読めるなあ。ユーモア・ファンタジーの佳品である。ただ,今までの同シリーズと比べて少し印象が薄かった。

263●アンタレスの夜明け マイクル・マッコーラム(小隅黎訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/10/29 SF 
★★★★

爆発したアンタレスの影響で1世紀の間,人類宇宙から孤立してしまったヴァレリア星系。しかし,漂流する破壊された船籍不明の超怒級戦艦が。1世紀ぶりにフィールド・ポイントが復活したのだ。調査に向かったドレイク上級大差の艦隊だったが,外の人類世界では異星人との戦争の気配が・・・。雄大な正当派スペースオペラだ。前半の勢いに比べて,後半が弱いので星が下がってしまった。

262●ハリダンの紋章 下 ジャック・マクデヴィット(増田まもる訳) ハヤカワ文庫 480円
  00/10/23 SF 
★★★★★★

見えざる敵の妨害に悩みつつ,200年前の謎を解きほぐすアレックス。彼がたどり着いた結末とは・・・。やられた!センス・オブ・ワンダーだ。クリストファー・シムとその仲間たちの運命は,読者を深く感動させずにはおれないだろう。この本,ずっと昔に新刊で出たとき,裏表紙の粗筋を読んで傑作の予感がしていたのだが,裏切られなかった。

261●ハリダンの紋章 上 ジャック・マクデヴィット(増田まもる訳) ハヤカワ文庫 480円
  00/10/22 SF 
★★★★★

アレックスの唯一の肉親である叔父が死んだ。しかし,叔父の残した謎の「タナー・ファイル」は誰かに奪われていた。調査を進めていくうちに,アレックスは,アシュール人と人類の戦いの歴史に燦然と輝く英雄クリストファー・シムの謎に出会い,歴史をたどる銀河の旅に出発する・・・。歴史推理小説の味わいがある逸品。多くの謎が絡み合って,それを解きほぐしていく複雑なる傑作だ。

260●クルーズチェイサー ブラスティー 後編 堀口滋 ソノラマ文庫 510円
  00/10/20 SF 
★★★★

惑星エディプスに取り残されたフレディと異星人カツラウとのふれあい。そして異星人基地ケンタウルとの戦い。窮地に陥った二人に地球の救援が・・・。うん。まずまずって感じになってきた。カツラウの秘密。チャートのナゾ。バイアス・ドライブの欠陥。なかなかじゃん。

259●クルーズチェイサー ブラスティー 前編 堀口滋 ソノラマ文庫 460円
  00/10/19 SF 
★★★★

50年前に地球を飛び立った開拓団の救援に,超光速推進器バイアス・ドライブを搭載したブラスティーは5.9光年の距離を飛んだ。しかし,そこには異星人同士の戦闘が行われていたのである・・・。ブラスティーと聞くと,なぜかウットリしてしまう。昔昔のこと。みけねこじいさんは夜なべして,PC-88のゲームをやっていたのである。当時画期的なる変形ロボットのアニメーションが見られるRGGのゲームを。その名は「ブラスティー」!宇宙空間の一舛一舛のマップを方眼紙に書き込んだっけなぁ。そのゲームの小説版なのだが,ゲームの方が遙かに面白かったように思う。純粋な小説としては,並かなあ。

258●エイリアン蒼血魔城 菊地秀行 ソノラマ文庫 571円
  00/10/12 SF 
★★★★

神隠しが頻発する山間の蒼木村のコンビニで買い物をしていた八頭大が目にしたものは,一週間の間行方不明だった少女が人食いになって戻ってきた姿だった・・・。このシリーズもずいぶん長いつきあいなのだ。もう,いいかげんパターン化しちゃっているんだけど,このシリーズを最初読んだときの衝撃は今でも忘れてはいない。

257●新版 指輪物語1 旅の仲間 上1 J・R・R・トールキン(瀬田貞二・田中明子訳) 評論社 650円
  00/10/10 ファンタジー 
★★★★★★★★★★

旧訳は何度も何度も読んだが,新訳を古本屋で1冊だけ見つけたので買って(またまた読んで)みた。指輪物語は,ファンタジーの頂点。フロドが指輪を持ってホビット床を旅立つまでがこの巻だが,すばらしい空間の広がりと悠久の歴史を感じさせてくれる。旧訳1冊分が新訳2冊分となっているが,旧訳の格調高さも捨てがたい思いである。でも,新訳の方が長いこと読めるから,いいかな?文句なしの星10コ。躊躇いはまったくない評価だ。

256●悪霊だってヘイキ! 下 小野不由美 講談社X文庫 400円
  00/10/3 ホラー 
★★★★★★

ダムの底に沈んでいたのは,ナルの双子の兄弟ジーンだった。そして日本に来た目的を達成したナルは渋谷サイキック・リサーチを解散しようとする。そしていよいよ明かされるナルの秘密・・・。今までの伏線の結果がこの最終巻に集約された。手持ちの悪霊シリーズはこれでお仕舞い。もっと読みたいぜい。

255●悪霊だってヘイキ! 上 小野不由美 講談社X文庫 400円
  00/10/3 ホラー 
★★★★★★

北陸のある湖を見て,ナルが言った。「・・・やっと,見つけた・・・」それは渋谷サイキック・リサーチの解散を意味することになろうとは。時が止まったような朽ち果てた校舎の中で,リンが消え,綾子が消え,ナルが消えた。そして,麻衣の前にあのやさしいナルの幻が現れる・・・。すばらしい。是非読んでいただきたいと思う。シリーズ最後の下巻を読むのがつらい。

254●悪霊になりたくない! 小野不由美 講談社X文庫 450円
  00/10/2 ホラー 
★★★★★★

渋谷サイキック・リサーチをはじめ,有名な霊能力者達が集まったのは,不思議な古い幽霊屋敷。ここで何人も行方不明になっているというのだ。調査を開始した彼らだったが,仲間たちが消え,ついに真砂子までもが・・・。お見事!小野不由美氏の筆の冴えよ。久しぶりに良いホラーを読んだ。結構怖かったけど。おそらく(まだ全部は読んでいないが),シリーズ最高傑作ではなかろうか。これ以上の作品が書けるとは思えない。

253●悪霊はひとりぼっち 小野不由美 講談社X文庫 420円
  00/10/1 ホラー 
★★★★★

奇怪な出来事が続く緑陵学園。調査に赴いた渋谷サイキック・リサーチが発見した事実は,学校を恨んで死んだ生徒の恐るべき呪術だった。そして危険な呪い返しを決意するナルだったが・・・。夢中で読み終えてしまった。ふーむ。良作良作。ずいぶん探しているのだが,この「悪霊」シリーズって,みごとに古本屋では手に入らないのだ。やっぱり傑作って,みんな手放さないんだろうなぁ。

252●闇 終わるとき(ロスト・ユニバース5) 神坂一 富士見ファンタジア文庫 520円
  00/10/1 SF 
★★★★★

ずいぶん前に第4巻までこのシリーズを見つけて読んでいたのだが,ようやく5巻を古本屋で発見した。ついに生体殲滅艦デユグラディグドゥと戦闘封印艦ヴォルフィードが永劫の時を経て対決す・・・。ジャパニーズスペースオペラとしては,みごとな構成と結末。ちょっと甘いかもしれないが,星5つをつける。

251●サイボーグ009 超銀河伝説PART2 若桜木虔 文化出版局 320円
  00/9/30 SF 
★★

ファンタリオン星で女王タマラと009のロマンス。そして009は単身ボルテックスへ。駄作である。サイボーグ戦士たちは全然生き生きしていない。若桜木氏は,結構高く評価しているのであるが,元々の原作の映画が非道かったから,これ以上どうしようもなかっただろう。

250●宇宙戦艦ヤマト 完結編 下 若桜木虔 コバルト文庫 280円
  00/9/30 SF 
★★★

どうも,今回の敵は大したことなさそうに思う。その割にヤマトは自沈し,島もデスラーも沖田もあっけなく死んじゃったけど。ヤマトは敵が強いほど真価があるというのに。やっぱりヤマトは,「さらば〜」で終わるべきだったと思う。心から。

249●クィン氏の事件簿 アガサ・クリスティ(一ノ瀬直治訳) 創元推理文庫 340円
  00/9/29 推理 
★★★★★★★

クリスティの作品群中,最も好きな作品。「死者の代弁者」であり「恋人たちの守護者」であるミステリアスなハーリ・クィン氏が現れると,人生の傍観者であるサタースウェイト氏は,突如舞台の中央に躍り出てさまざまな事件を解決する。推理小説というより,純文学と言うべき連作短編集だろう。ポワロもミス・マープル物も,この一冊に比べれば,価値は小さい。今,最終話「ハーリ・クィンの小径」の余韻がいつまでも漂っている・・・。

248●宇宙戦艦ヤマト 完結編 上 若桜木虔 コバルト文庫 280円
  00/9/28 SF 
★★★

大宇宙を回遊する水の惑星「アクエリアス」。銀河系と交差しようとするX星雲。そして母星を失って地球を狙うディンギル帝国。戦いで重傷を負った古代は,ヤマト艦長を辞職し,一乗組員としてヤマトに乗艦するが,そこで出会った人物は・・・。あ〜あ〜 あ〜あ〜あ〜 あ〜あ〜 あ〜あ〜あ あ〜あ〜 あ〜あ〜あ〜 あ〜 あ〜あ〜(これ分かります?)

247●銀河鉄道999−アンドロメダ終着駅− 若桜木虔 コバルト文庫 280円
  00/9/25 SF 
★★★

パルチザンとして機械化兵と絶望的な戦いに明け暮れる鉄郎。しかし,その時あるメッセージが!「私は,メーテル。鉄郎,999に乗りなさい」・・・。まとまりのいい作品だ。前作のエッチな鉄郎は姿を消し,真面目な鉄郎になっちゃった。でもひとつ許せないところが。黒騎士の正体が鉄郎の○○だなんて。うが〜。安易じゃ〜。

246●サイボーグ009 超銀河伝説PART1 若桜木虔 文化出版局 320円
  00/9/23 SF 
★★

バラバラになってそれぞれの生活を楽しんでいた戦士たちにギルモア博士からの招集がかかる。地球を目指す宇宙船の飛来が原因であった。そして彼らは40光年の彼方に飛び立った・・・。うーん。つまんな〜い。サイボーグ戦士達がスペースオペラだなんてね。これは,元々映画のやつなのだが,原作の味が全然ないや。

245●幻神惑星ナーガ(大魔界3) 田中文雄 ハヤカワ文庫 500円
  00/9/22 ファンタジー 
★★★

故郷地球へ宇宙船で向かうジュンが不時着したのはナゾの惑星。そこでは,女人国と男人国がいつ果てるとも知らず戦いつづける星だった。一方,ハンニバルの妹シリアは,霧の怪物に胸を刺され,昏々と眠っていた・・・。む?これはなかなか。このシリーズのベストではないか。全てはシリアの産んだ幻術だったなんて!

244●氷神女王アーシュラ(大魔界2) 田中文雄 ハヤカワ文庫 380円
  00/9/22 ファンタジー 
★★★

戦士ハンニバルと王女アラベラの婚礼の最中,海鷲がアラベラを誘拐した・・・。なんだかあまり筋を書く気力が出ないなぁ。このシリーズ。やけに書きづらい感じなのだ。この作品は筋立てより雰囲気を楽しむべきシロモノなんだろうね。

243●銀河鉄道999 若桜木虔 コバルト文庫 300円
  00/9/18 SF 
★★★★

これは映画版の方を小説化したやつで,鉄郎の顔がちょっとカッコイイ方のやつ。ゴダイゴが主題歌を歌ってるやつなのだ。テレビシリーズの鉄郎の顔はヒーローからはほど遠く,とにかく,メーテルから「しちゃダメ」と注意されたことは,ことごとくやっちゃうという,どうしようもない性格だったが,コチラは結構大人。マザコン度もやや落ち着いた感じだ。あの頃,この映画を見たくて見たくてしょうがなかったっけ。999の終着駅の機械化母星のナゾってなんだろうと興味津々だったのだ。この小説を読んでびっくりしたのは,鉄郎のメーテルに対する気持ち。突然,メーテルに激しい欲望を覚えたり,力ずくで自分のものにしとけば良かったと考えたり,生々しい感じだ。世の女性のみなさん。列車に乗るとき,ひとり旅の少年には気をつけましょう。特に機械の身体を欲しがっている少年には。

242●神竜光臨4 闇の妖犬 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/9/17 ファンタジー 
★★★★★★

イレイアンについたペリン,モイレイン一行は,この都市がすでに闇セダーイの手に落ちていたことを知り,逃亡を図るが,闇王配下の妖犬が彼らを襲う。アンドール王国のモーゲイズ女王に拝謁したマットは,王国が闇に犯されていることを知る。そして,エグウェーンたちは,槍の乙女の命を救う・・・。物語の展開が早い。これがどのようにまとまっていくのか楽しみなのだ。

241●ポストマン デイヴィット・プリン(大西憲訳) ハヤカワ文庫 640円
  00/9/17 SF 
★★★★★★

核戦争後16年。文明国家アメリカは,大混乱を必死に生き延びてきた人の小集落と弱肉強食の掟の支配する廃墟のジャングルと化していた。一人山中を旅するゴードンは,遺棄されていた郵便車を見つけ,郵便配達員の制服を身につけた時,彼の中に失われた夢の王国アメリカの幻影が蘇ってきた。そして彼は郵便業務を遂行する孤立無援の戦いを始める・・・。この粗筋を見たとき,これは傑作のニオイがすると思ったが,やっぱり傑作だった。世界観が広がり,ラストがあんなにほろずっぱいものになるとは思わなかったが。

240●神竜光臨3 夢幻世界へ ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/9/16 ファンタジー 
★★★★★★

三人の歴史の織り人。アル=ソアは,ひとりティアを目指し,ペリンはモイレイン達とともにアル=ソアを追い,マットはエレイン王女の手紙を携えてシームリンへ。そして,エグウェーン達は,黒アジャを探して白い塔を出る。いくつもの筋が物語りを走る・・・。

239●神竜光臨2 白き狩人 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/9/16 ファンタジー 
★★★★★★

異能者の都にマットを連れ帰ったエグウェーン,ナイニーヴ,エレインたち。三人がアルナミン位から命じられた仕事は,白い塔から忽然と姿を消した十三人の黒アジャの探索だった・・・。

238●神竜光臨1 魔人襲来! ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/9/9 ファンタジー 
★★★★★★

竜王の再来であることを自覚したアル=ソアは,仲間達と共に山中に隠れ潜んでいた。しかし竜王の復活は世界にさまざまな変動を及ぼし始め,何かを期したアル=ソアは仲間達を置いて,ひとり旅立ってしまう・・・。

237●聖竜戦記5 復活の角笛 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/9/7 ファンタジー 
★★★★★★

トーマン岬の都市ファルムは,謎のショーンチャン軍と光の子らが集結し,一触即発の状態にあった。ついに角笛が高らかに吹かれ,鷹羽王アートゥルら英雄達が蘇る。そして,アル=ソアと闇王の壮絶な戦いがまた始まる。

236●聖竜戦記4 大いなる勝負 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/9/2 ファンタジー 
★★★★★★

ケーリエンで角笛探索隊を待つアル=ソアたちだったが,闇の信徒に襲われた宿屋から,角笛は奪取されてしまった。仲間とようやく合流したアル=ソアたちは,闇の信徒を追って,トーマン岬に向かうべく,門石を使用する。そして,さまざまな可能性の人生が・・・。

235●介子推 宮城谷昌光 講談社文庫 700円
  00/8/29 歴史 
★★★★★★

重耳に随行して塗炭の苦しみを共にした介推。春秋時代,長期に渡る亡命生活を経て,ついに晋の文公となる重耳。そして,彼を影で守り続ける介推の物語は凛烈な終末を迎える・・・。宮城谷昌光の小説は,ずいぶんと読んだ。2000円もする単行本をためらわずに買う気になる日本の作家は,宮城谷昌光しかいないだろう。これは,彼の作品の中では,まあまあの程度だろうと思うんだけど,やっぱりさすがである。

234●聖竜戦記3 異能者の都 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/8/28 ファンタジー 
★★★★★★

タール・ヴァロンに到着したエグウェーンを待っていたのは,異能者になるための過酷な訓練だった。追跡隊と離ればなれとなったアル=ソア達は,トロロークを急襲し,角笛を奪取する・・・。

225●聖者の仮面(剣の聖刻年代記6) 日下部匡俊 ソノラマ文庫 530円
  00/8/26 SF 
★★★★

デ・ルカアナ国に入ったディルは,自由民たちと共に北に向かうが,やっぱり帝国の刺客が次々とシツコク・・・。ここしばらく,2部構成形式で,ディルの物語と剣の聖刻モノと交互に書いているみたい。いまだに,この作品,よく把握できないです。

234●聖竜戦記2 異世界への扉 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/8/25 ファンタジー 
★★★★★★

ファル・ダーラ城をトロロークが急襲し,英雄再生の角笛が奪われる。アル=ソアは,やむなく追跡隊に加わり,闇の信徒達を追うが,追う先々で奇怪な出来事に出会う。いったい闇の信徒達に何が起こったのか・・・。このシリーズって,全巻50巻もあるそうですゾ。でも,うれしいや。

233●聖竜戦記1 闇の予言 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/8/24 ファンタジー 
★★★★★★

闇王に汚された絶対力を使うことを恐れるアル=ソアは,ファル・ダーラから人知れず去ろうとするが,異能者の集団を引き連れたアルナミン位が到着する。そして,アル=ソアを呼び出した・・・。なんだか,このシリーズ,やっぱり傑作ですぞ。この本1冊読むのに2日はかかるのが,そのなによりの証拠。

232●竜神戦士ハンニバル(大魔界1) 田中文雄 ハヤカワ文庫 420円
  00/8/24 ファンタジー 
★★★

アガラスの戦士を引き連れてバスボアへ略奪のために攻め入ったハンニバルは,黒い魔船にバルボアの姫君が拉致されたことを知る。そして,魔船を追ったハンニバルは,白い魔船を出会う・・・。ううーん。雰囲気が妙に気になる。筋立ては不自然なのだが,雰囲気でごまかされているような気がする。約1ヶ月近く「読書館」の更新をさぼっちゃったので,すこしがんばらなくちゃ。

231●竜王伝説5 闇の追撃 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/7/26 ファンタジー 
★★★★★

冒頭で,離ればなれになっていた仲間がついに再会する。そして,秘密の通路を通って遙か北へ一気に走破したアル=ソア一行は,<全界の眼>へ向かう。しかし,そこには闇セダーイが現れ,ついに,アル=ソアは竜王としての力に目覚める・・・。やっぱり指輪物語に近い感じが戻ってきた。うーん。いいね。これにて,第一部完。しかし,このシリーズは先が長いのです。楽しみではありますけど。

230●竜王伝説4 闇の追撃 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/7/24 ファンタジー 
★★★★★

苦労の果て,ついにアンドール王国の都シームリンに着いたアル=ソアだったが,おりしも囚われの偽の竜王ロゲインがシームリンに到着した・・・。筋の動きが遅い。それに登場人物の無意味な隠し事の多さが気にかかるんだけど。

229●竜王伝説3 金の瞳の狼 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/7/23 ファンタジー 
★★★★★

三つのグループに分かれてしまったアル=ソアたち。それぞれのグループが合一しようとしつつも,三つの物語が交互に進展する。ずっと,訳も分からぬままに逃げ回って襲われてばっかりの感じだ。それぞれ立ち寄る町での旅情あゆれる描写は楽しい。

228●竜王伝説2 魔の城塞都市 ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/7/22 ファンタジー 
★★★★★

闇王に狙われる理由も知らぬまま,アル=ソアたちは,異能者の都タール・ヴァロンへ向かう。しかし,ベイロンの町でトロロークに襲われた一行はバラバラになってしまう・・・。うーん。やっぱり傑作風な予感だ。指輪物語とついつい比較してしまう作品だが,思ったより謎に深みがなさそうなので,星が1個減った。まだ,読み進めてみないと分からないけどね。

227●竜王伝説1 妖獣あらわる! ロバート・ジョーダン(斉藤伯好訳) ハヤカワ文庫 600円
  00/7/20 ファンタジー 
★★★★★★

平和なエモンズ・フィールドの村を闇王の眷属が襲いかかった。遠い戦乱がここにまで及ぼうとは。たまたま村を訪れていた異能者モイレインのお陰でなんとか撃退出来たが,農夫アル=ソアの父や村は,大きな痛手を受ける。そして,アル=ソアたちは,モイレインと生まれて初めての旅に出る・・・。久々の傑作の予感。まだ1巻目だが,指輪物語のような大きな世界の広がりを予感させる。さして厚くないこの本を読むのに,結構時間がかかったとは,めったにないことだ。スリスリスリ(手をすりあわせています)

226●熱き疾風 猛き思慕(真・聖刻) 神代創 ログアウト冒険文庫 630円
  00/7/20 SF 
★★★

盗賊団の首領タグマは,操兵に襲われていた逃亡の王子カファを救う。そして,カファの命を狙う刺客が次々と現れる・・・。うーん。読みやすさでは,剣の聖刻より上かなぁ。でも,出来としてはいまひとつ。ま,もうしばらく聖刻モノはいいや。

225●蒼き宿命の地(剣の聖刻年代記5) 日下部匡俊 ソノラマ文庫 530円
  00/7/17 SF 
★★★★

ロートとの死闘で背徳の騎士となったデイルは,賞金首となる。北へ向かうことを決意したデイル達は,ラ・ムクトの連峰越えという険しい道を選ぶ・・・。フー。やっと読んだわい。どの程度の傑作か図りがたい作品だけど,意外といいんじゃ?

224●楽園の魔女たち〜大泥棒になる方法〜 樹川さとみ コバルト文庫 560円
  00/7/16 ファンタジー 
★★★★

ヨンヴィル国騎士団のアシャ・ネビィは,楽園の見習い魔術師ファリスと馬術競技大会の旅に出るが,途中,ある街でスリに大会参加証を盗まれてしまう。しかも,ネビィは,怪盗「ウォルスの霧」に間違えられ,死刑の判決を受けてしまう・・・。なかなか人情味あふれる佳作だ。最近,楽園シリーズは,大変凝ってしまって,長いこと読んでいたが,残念,手持ちがなくなってしまった。古本屋にもう出てないかなぁ。

223●悪霊がいっぱいで眠れない 小野不由美 講談社X文庫 420円
  00/7/16 ホラー 
★★★★

私立湯浅高校,数多く起こる怪奇現象の調査に乗り出した渋谷サイキック・リサーチだったが,舞衣やナルまでもが,怪異に狙われてしまう。そして,ナルは,ユリ・ゲラーのスプーン曲げと呪詛の関係を解いていく・・・。かの重厚なる作品を書く小野不由美氏のティーン向けの作品。ホラーと区分したが,学園もののノリだ。

222●アイスウィンド・サーガ(3暗殺者の影) R・A・サルヴァトーレ(風見潤訳) 富士見文庫 520円
  00/7/14 ファンタジー 
★★★★★

ドワーフの故郷ミスリル・ホールを探す旅に出た一行。しかし,強力な暗殺者と魔術師達がそれぞれの理由で一行を追っていた。フムフム。てっきり,トールキンの物語風になるかと思ったら,いささか違った。でも,これは面白いには違いない。RPG小説のみならず,ファンタジーとしても一流だ。

221●背徳の騎士(剣の聖刻年代記4) 日下部匡俊 ソノラマ文庫 530円
  00/7/14 SF 
★★★★

帝国のたくらみにより,カレグ・カーナを包囲したバサン家の軍勢。熾烈な戦いの中,ディルはロード・ブレイドゥを暗器で倒す・・・。うーん。結構なぜか読みたくなるシリーズなんだ。でも,相変わらず筋が忘れっぽいんだけど。

220●皇帝の赤い剣(剣の聖刻年代記3) 日下部匡俊 ソノラマ文庫 490円
  00/7/13 SF 
★★★★

またまた黒の帝国の刺客に追われるデイルたち。敵は「赤の旗手」と呼ばれるロード・ブレイドゥ。ディルの仲間達も何故かみんな怪しい秘密を抱えている・・・。この本は,読んでいる間はオモシロイんだけど,後から筋を思い出そうとしても,妙に忘れてしまう。どうしたことでしょう。

219●進め,見習い魔術師!(マジカルランド) ロバート・アスプリン(矢口悟訳) ハヤカワ文庫 640円
  00/7/11 ファンタジー 
★★★★

優雅でワリのいい仕事である宮廷魔術師登用試験に合格したスキーヴと魔物の師匠だったが,さっそく強大な侵略軍撃退を命じられてしまう・・・。こういう本は,軽い気持ちで読むといい感じだ。別に深みのある作品じゃないんだけど,なんだかのんびりして楽しいよ。

218●お師匠さまは魔物!(マジカルランド) ロバート・アスプリン(矢口悟訳) ハヤカワ文庫 640円
  00/7/10 ファンタジー 
★★★★

魔物を召還中に殺し屋にやられたお師匠さまに替わって,その魔物を師匠にした見習い魔術師のスキーヴ。魔術の腕を磨きながら,お師匠の仇打ちの旅に出る・・・。いかにものユーモア・ファンタジーなのだが,日本人にはちょっと分かりづらいかなぁ。

217●楽園の魔女たち〜七日間だけの恋人〜 樹川さとみ コバルト文庫 530円
  00/7/9 ファンタジー 
★★★★

アジェンダ島のアルフォイ家に弔問に出かけたファリスだったが,そこで,フレイと名乗る男色家の婚約者と認められてしまった・・・。こういうストーリーって,男の作家が書くとキモチワルイものになるのだが,女流作家が書くと,なぜか美しくなっちゃうのだ。むむむ。昔から疑問を抱いているんですが。

216●楽園の魔女たち〜スゥィート・メモリーズ〜 樹川さとみ コバルト文庫 440円
  00/7/8 ファンタジー 
★★★★

今年は4年にいっぺんの「じじい年」。それは楽園先代の友人達が楽園に集い,「スポーツをつうじて親睦を深めよう会」を開催するものであった。そして,ヨンヴィル国虹の谷は,恐るべきじじい達に蹂躙されようとしている・・・。楽園シリーズ番外編の短編集だ。

215●極道くん漫遊記XI 中村うさぎ 角川スニーカー文庫 460円
  00/7/8 ファンタジー 
★★★★

カレー国ターメリックで悪さをしていたゴクドーは,謎の呪術師によってウンコにされてしまう。悠久なカレーなる流れの中で,ゴクドーは金に目がくらんで,カレー王の暗殺を請け負うが・・・。相変わらず,オモシロイなぁ。浮き世のイヤなことなど,しばし忘れられるのは,こういう作品を読むことによってだろう。

214●風雲のズダイ・ツァ 2(真ウィザードリィRPGノベル) 高井信 ログアウト冒険文庫 560円
  00/7/8 ファンタジー 
★★★

奴隷として捕らわれたランディー達は,ようやくヒノモト総督府を逃げ出すが,今度はレプラカーンのズレ・ゴア族に捕らわれる・・・。残念だが,このシリーズはもう手に入らなかったので,これお仕舞いなのだ。古本屋探しで,何巻かは見つけても,それっきりというのが相当あるが,これもそうなりそうだ。

213●楽園の魔女たち〜この夜が明けるまで〜 樹川さとみ コバルト文庫 500円
  00/7/5 ファンタジー 
★★★★

税務院きっての切れ者ヴェラトラムは,呪いの壺により,あっさり呪われてしまう。しかし,鈍感な彼はゼンゼン気がつかないのだ。謎の依頼人に頼まれたエイザートは,マリアを家政婦としてヴェラトラム家に送り込む・・・。うーん。ゆかいな作品である。じわじわ〜とこのシリーズの良さが分かってきた。シリーズ中でも屈指の面白さではないだろうか。

212●仮面の挽歌(剣の聖刻年代記2) 日下部匡俊 ソノラマ文庫 540円
  00/7/5 SF 
★★★★

黒の帝国の刺客に追われるデイルたち。苦境に立った彼らを最後の力で救ったのは,従兵機アー・ハークスだった。軍神の果てであったアー・ハークスにより戦士としての記憶をとりもどしたデイルだったが・・・。

211●黒き鉄の進軍(剣の聖刻年代記1) 日下部匡俊 ソノラマ文庫 500円
  00/7/2 SF 
★★★★

朱色の従兵機アー・ハークスに乗る山師のデイルは,古代遺跡の財宝を探しに向かったが,そこには黒の帝国の操兵が待ち受けていた・・・。まだ,もうひとつ作品に入り込めない気がするのだが,背景世界は,別作者の聖刻1092シリーズでさんざん読んでいるハズなんだ。悪くはないんだけど,そっちの印象の方が強すぎるんだろうね。

210●インド洋の死闘 D・A・レイナー(鎌田三平訳) 創元推理文庫 340円
  00/7/2 海洋冒険 
★★★★

東インド会社の貿易船を護衛する大英帝国フリゲート艦とそれにおそいかかるフランス共和国フリゲート艦との信じられない程の長い長い海戦が今始まる・・・。海洋冒険ものは,大好きなので,よく読むのだが,これだけ一度の海戦のシーンを追い続けた作品もめずらしいだろう。

209●暗黒星雲のかなたに アイザック・アシモフ(沼沢洽治訳) 創元推理文庫 480円
  00/7/2 SF 
★★★★★★

地球大学で留学中だった星雲諸国の領主の息子バイロンは,命を狙われ,星雲国ローディアに逃亡する。そして,諸国を圧制するティラン帝国に対抗する反乱軍の星と,謎の古代文書を探して宇宙へ・・・。アシモフの作品は,少年の冒険と驚きに満ちあふれている。最後のどんでん返しは,いかにもアシモフらしい。星10個をつけたい「銀河系帝国の興亡」の枝編である。

208●風雲のズダイ・ツァ 1(真ウィザードリィRPGノベル) 高井信 ログアウト冒険文庫 560円
  00/6/28 ファンタジー 
★★★

ボルタックが呪われた。その影には対立する武器商店の姿があった。ランディーたち冒険者のパーティはボルタックを救うが,敵のワナにはまり,ズタイ・ツァのヒトモト総督府に奴隷として連れ去られる・・・。どうも,ウィザードリィと見ると,すぐ買っちゃう悪いクセがある。パソコンゲームのウィザードリィの雰囲気は薄い作品なのだが。

207●楽園の魔女たち〜賢者からの手紙〜 樹川さとみ コバルト文庫 562円
  00/6/23 ファンタジー 
★★★★★

魔術師の塔「楽園」にさまざまな事情で,見習いとして集まった4人の少女達。そして,楽園に残ることを賭けて初級魔術師の試験に臨んだ4人は・・・。楽園シリーズ第1巻にして最良の出来と思う。正直,結構楽しめました。

206●魔封の大地アンクローゼ 下 篠崎砂美 角川スニーカー文庫 500円
  00/6/21 ファンタジー 
★★★★

闇の魔軍の長ステイは,セイルの双子の片割れだった。多くの仲間を失いつつも,セイルは自らの封印を解き,敵に迫る・・・。フーム。指輪物語に影響された作品なのだね。後書きに,ある作家が,この巨大な物語舞台をたった2冊で終わらせるのはもったいないと書いてある。自分なら5冊にすると。やれやれ・・・。

205●魔封の大地アンクローゼ 上 篠崎砂美 角川スニーカー文庫 520円
  00/6/21 ファンタジー 
★★★★

見習い魔力付与者セイルは,師匠の末期の言葉を頼りに仲間を求めて旅に出る。光と闇との戦いの主人公となるとも知らずに・・・。なかなか壮大な背景をもつ物語世界である。日本の中身が薄っぺらなファンタジーにしてはめずらしいことだ。海外のファンタジーみたいな味わいがある。

204●天使の記憶(聖牙神話2) 葛城稜 ソノラマ文庫 480円
  00/6/17 SF 
★★

シヴァ神の化身として,悪しきアスラの化身となった人間を追い求める祥は,とある家に滞在することとなる。しかし,吸血鬼やラセツの陰謀が祥を襲う・・・。あーあ。祥が,人間のアスラの血を吸うと,その人間はいい人になるんだけど,吸おうとすると,かならず邪魔が入るワンパターン。チューッと吸っちゃえば,物語は丸くおさまるハズなのに。なんだかイライラしちゃう。

203●ギガミリオンの幸運(銀河冒険記) 岡本賢一 ソノラマ文庫 500円
  00/6/17 SF 
★★★★

少年ルオは,初めてのひとり旅で,ポンコツ宇宙船ギガミリオンに乗り込んだが,物騒な乗客達や軍の陰謀に巻き込まれる・・・。ノンストップSFとでも言おうか。結構こういうのって,好きなんだ。前作のディアスシリーズに比べると,ちょっとおとなしめになっている。

202●カルシバの煉獄(呪法宇宙) 日下部匡俊 富士見ファンタジア文庫 639円
  00/6/14 SF 
★★★★

星輪連合軍曹長オーガ達は,新型強化服<TEMS>で惑星カルシバに降下したが,そこは通常の物理法則が通用しない魔法使いの世界であった。その世界の秘密を追うオーガは,星輪連合軍の陰謀に巻き込まれていく・・・。謎が謎を呼ぶ好編。とても世界背景もしっかりしており,新鮮であった。

201●極光作戦(宇宙翔る虎) 吉津實 ソノラマ文庫 350円
  00/6/14 SF 
★★★

惑星パルサスの内戦を取材するブンは,前任者の死の謎を追うが・・・。ボクのヒイキの昔のジュニアSFだから,星3個をなんとかあげたくらいで,良くはない。ラストもとても唐突である。


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